PICK UP

2017.09.06

アコースティックギター&ウクレレ・マガジン

岡崎倫典ロング・インタビュー〜ギター・インストゥルメンタルの探求|『フィンガースタイルで弾くソロ・ギター名曲集 珠玉のメロディ20』発売記念

text by Shinichiro Sekiguchi / photo by Takashi Hoshino

 ソロ・ギター愛好家にとって待望となる『フィンガースタイルで弾くソロ・ギター名曲集』シリーズの最新刊『〜珠玉のメロディ20』が9月13日にリリースされる。その発売を記念し、アレンジ・演奏を手がける岡崎倫典のロング・インタビューをお届けしよう。ソロ・ギター・スタイルとの出会いから、同書の出典元である『アコースティック・ギター・マガジン』の連載で披露してきた古今東西の名曲のカバー・アレンジの極意まで、じっくりと語ってもらった。

MAIN.jpg

洋楽に没頭した学生時代

─今回のインタビューでは新刊の話題と、倫典さんとソロ・ギターの関わりついてうかがいたいと思うのですが、そもそもソロ・ギター・スタイルを意識し始めたのは何がきっかけだったのでしょうか?

 ソロ・ギターということで、最初に衝撃を受けたのはサイモン&ガーファンクルの「アンジー」ですね。それとギターを始めた頃、レッド・ツェッペリンがデビューして、その1stアルバムに入っている「ブラック・マウンテン・サイド」を聴いたときに、これはひとりで弾いているはずはないよなと思ったり。「ブラック・マウンテン・サイド」にしても「アンジー」にしても、どうやって弾いているかなんてチンプンカンプンじゃないですか。そんな出会いがあって、意外にそのあたりのヒントをくれたのがジミ・ヘンドリックス。ギター1本でこういうバッキングの仕方があるんだって。「リトル・ウィング」なんて、あれこそ最高にインストっぽいというか。

─それはいつ頃の話ですか? 

 ジミヘンに衝撃を受けたのは高校時代ですね。大学に入ってから、バンドを組んでコピーもしていましたけど。

─なるほど。では、そもそもギターを始めたのは何歳頃でしょうか?

 ギターを始めたのは高校1年(1971年)です。

─それはアコースティック・ギターからですか?

 最初は鉄弦が張られたクラシック・タイプのギターですね。質流れ品で、ロックの曲も全部それでコピーしていました。

─そのあとにエレキですか?

 いや、エレキは大学に入ってから。高校に入ってすぐそのクラシック・タイプのギターを手に入れて、もっといいギターが欲しいということで、高1の夏休みにアルバイトをして、ヤマキのアコギを買いました。その後、高2の夏休みにもアルバイトをして、ヤマハのFG-500を手に入れたんです。

─その頃はもちろんソロ・ギター・スタイルではないですよね?

 歌ものですね。でも、今思えば、ビートルズの「イエスタデイ」なんかを勝手にインスト・アレンジで弾いたりしていましたけど。

─アコギを買ったのは、当時は世の中的にフォークの時代だったからですか?

 僕らの高校は洋楽派が多かったですね。サイモン&ガーファンクルや、当時出始めたジェイムス・テイラー。それとクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングも大好きだった。学校内のレコードの貸し借りもほとんどが洋楽だったし、コピーをしていたのも洋楽。当時、日本で人気だったカレッジ・フォークとか、そうした音楽に比べて、嘘だろ!?っていうぐらい進歩したサウンドが耳に入ってきて、どうなってるのこれ!?っていう。

─その後、大学に入ってエレキ・ギターを弾き始めるわけですね。当時はレッド・ツェッペリンなどを演奏していたと聞いたことがありますが。

 そう。ツェッペリンとか、自分たちのバンドではジミヘンとジョニー・ウィンターが双璧で。あと、好きだったのはロリー・ギャラガーですね。

─その頃、ソロ・ギターという視点では、先ほど名前の挙がったジミヘンに影響を受けたと?

 ジミヘンは高校時代から衝撃は受けていましたけど、大学に入ってエレキを持ち始めて、ジミヘンってどう弾いているんだろう?って思いながら聴いていたときに、他のギタリストたちと明らかに違うというか、彼の演奏はギター1本でも成立していることに気づいたんです。ソロ・ギターという視点で影響を受けたのはジミヘンとポール・サイモンですね。

─その後、活動はアコースティック・ギター1本に絞っていくんですか?

 そうですね。大学でエレキを始めたと言っても、入学式の時にマーティンD-35を買って、並行してホット・ツナなんかをコピーしていました。すると、在学中からにスタジオやサポートの仕事を受けるようになって、それがなぜかアコギの依頼ばかりだったんですよ。そんな風にアコギのお声がかかって、仕事をし始めると徐々にエレキからは離れていって。

─それはソロ・ギター・スタイルではなく、歌のバッキングですよね?

 うん、そのときはね。

次ページ:ギター・インストゥルメンタルへの傾倒


フィンガースタイルで弾くソロ・ギター名曲集 珠玉のメロディ20

2,160(本体2,000円+税)

品種楽譜
仕様菊倍判 / 88ページ / 模範演奏CD付き
発売日2017.09.13