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2019.11.22

リズム&ドラム・マガジン

mabanua − アーティスト達との共演で培ったグルーヴ・センス

Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Hiroki Obara

抜群のタイム感と卓越したグルーヴ・センスで、くるり/矢野顕子/大橋トリオなど、さまざまなアーティストのボトムを支えるドラマー、mabanua。リズム&ドラム・マガジン20年1月号に掲載となるインタビューでは、17年に再始動したShingo Suzuki、関口シンゴとのバンド=Ovallでリリースするニュー・アルバム『Ovall』と共に、バンドやセッション・ワークにおけるグルーヴの組み立て方について話を聞いた。ここでは、CharaやGotchとのエピソードを交えて語られた部分を抜粋してお届けしよう。

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生ドラムも打ち込みも
"音楽をやる"上では同じ感覚

●今回はmabanuaさんのソロ活動についてもスポットを当ててお話を聞いていきたいのですが、初めて一緒にツアーを回ったアーティストだと、どなたになるのですか?

○Charaさんですね。そのときは白根賢一さんとのツイン・ドラムで、生ドラムの他にマニピュレート、要するにオケ出しなども全部やるポジションでしたね。それが8 年くらい前かな。Charaさんのアルバムを一緒に作ったので、「そのままツアーでドラムやってよ」と言ってもらったんです。僕はプロデュースもやっているので、関わったアーティストがそのままツアーに呼んでくれることが多いですね。ドラマーがプロデュースしたなら、曲を再現するにはその人(ドラマー)を連れてこないと、という感覚の方が多いんでしょうね。

●mabanuaさんにお呼びがかかるときは、テクニックを求められて、というよりは......?

○それ以上の"何か"みたいな部分かもしれません。

●では、Gotchさん(ASIAN KUNG-FU GENERATION の後藤正文)の作品に参加されるようになったきっかけは?

○Ovallを知ってくれてて、「うちでも叩いてくれないか」ということで、最初はライヴで参加したんですけど、2ndアルバムのレコーディングにも呼んでもらって、またツアーを回らせてもらったんです。

●くるりや矢野顕子さんなどとも共演されていて、個性の強いアーティストの方々と組まれることが多い印象です。

○言葉にするのは難しいんですけど、音楽的なことを深く追求している方々って、ドラムにも強いこだわりを持っていると思うんです。テクニック的なものというよりは、フィーリング、音楽的な部分を求めるというか。そういう方とやることが多いかもしれないですね。"流れるように"とか、"もっと熱く!"とか、そういうワードで表現されるんです。Gotchさんからは、「ここのハネ具合いは何%くらい」と言われたりもして。

●どういうふうに対応していくんですか?

○自分の聴いてきた音楽の中で見つけていくしかないですね。例えば「Baby, Don't Cry」(Gotch『Good New Times』収録)は、ポップスの一言で片づけるのはすごく簡単なんですけど、ザ・バンドみたいな、ちょっとハネているんだか、ハネていないんだか、でもイーヴンじゃないみたいなトラディショナルなグルーヴもあって。僕もザ・バンドが好きで聴いてたので、リヴォン・ヘルムをイメージしてやってみると、ハネ具合いを気にしなくても「その感じ、その感じ」と言ってもらえたんですよね。だから、おそらく音楽的な何かを知っているかどうかなんだと思います。

●さまざまな音楽を聴いて、空気感やグルーヴの引き出しも増やしているというか......。

○そういう感じに近いですね。あとは、自分でプロデュースすると、デモを打ち込むので、"この曲だったらもうちょっとハネててほしいな"、"これだとハネすぎだな"とか考えていて、"こういう音楽だったらこういうグルーヴがいいんじゃないか"みたいな感覚は養われてますね。

●そういった空気感を打ち込みで出すために、意識していることなどは?

○以前はMPCを使っていて、今はPCのソフト上で打ち込みをしているんですけど、僕の中では生ドラムも打ち込みも同じ感覚というか。「今回は打ち込みなんですね」とか「この曲、生ドラムなんですね」と言われて初めて気づくんですよ。"音楽をやっている"ということにフォーカスしているので、例えば打ち込みであるべきものを生ドラムで再現しようとすると、ライヴは別として、音源だとどこかしら無理が出てくる部分があるので、そこはきっぱり打ち込みにしちゃいますし、生ドラムの方がイメージしているグルーヴを出せそうだなと思ったときはすかさず叩きます。それによってそれぞれの良さもわかってくるし、あまりこだわりを出さずにやってますね。

本誌では引き続き、mabanuaがこれまでの経験で培ったグルーヴ構築や、新作『Ovall』におけるビート・アプローチについて語られている。さらに、ドラム/プロデュース/作曲・ミックス/歌など、さまざまなポジションで参加してきた作品を一挙紹介! このインタビューの続きは、11月25日(月)発売の「リズム&ドラム・マガジン」2020年1月号にて!

▼「リズム&ドラム・マガジン 2020年1月号」コンテンツ内容
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