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2019.10.25

張替智広×伊藤俊吾 再始動したキンモクセイの"いま"を語る

取材・文:編集部 撮影:菊地英二

昨秋、地元・相模原のイベントで10年ぶりの活動再開を果たしたキンモクセイ。リズム&ドラム・マガジン19年12月号に掲載となるインタビューでは、何とドラムの張替智広とヴォーカルの伊藤俊吾による対談が実現! 復活後初のリリースとなった配信限定シングル「セレモニー」について、"いま"再集結した彼らの今作の制作やレコーディングについてうかがった。ここではその内容を一部抜粋し、バンド再始動のきっかけや張替のドラミングの変化について、2人に語ってもらった。

楽しくなるという予感しかない
とても刺激的な再結集ライヴだった

●まずはバンドの活動再開について、きっかけを教えていただけますか?

伊藤 キンモクセイの結成15 周年の頃に、メンバーで集まろうとはしてたんですけど、なかなかタイミングが合わなくて。去年の秋に地元・相模原のイベントにお呼ばれして、最初は僕のソロとして声がかかったんですけど、みんなに聞いてみたらスケジュールがうまく合ったので、「じゃあ久々にやってみようか」というのがきっかけですね。

●プレイの変化についてはどう思われますか?

張替 すごく変わりましたね。活動休止になったのは僕が30 歳くらいのときで、若さもありつつ伸びるところと衰える部分が両方くる年代だったりするので、(フィジカルの部分が)かなり大きいです。自分の身体の状態がどんどん変わってくるので、対応した演奏方法というのがだいぶわかってきましたね。

伊藤 ドラムは特に身体を動かすパートだからね。実は、僕から見ると活休前からドラムのスタイルが頻繁に変わる印象があったんですよ。ハリー(張替)ってその時々によって自分の中の流行りがあるのか、スティックの持ち方やリムをかける時期とかけない時期があったり。

張替 もともと"こうふうにやってみたいな"と思ったらすぐにやりたくなるタイプだったんですけど、20 代の頃は興味のあるものが特に多かったんですよね。

●みなさん揃っての音出しも、昨年のイベントが久々だったんじゃないですか?

伊藤 そうですね。そのときのリハで、本当に久しぶりに音を合わせました。良い意味で変わらない部分は変わらないし、各々が積み重ねてきたものがきちんとあるなと思ったし、"これから一緒に何かやったら楽しくなるだろうな"という予感しかなかった刺激的なリハでしたね。ハリーのドラムはすごく安心して任せられるというか、"大人"になってました(笑)。いろいろな方のサポート、つい最近では井上陽水さんのツアーにも参加してて、いろいろ磨かれた部分があるのかなと。楽器全体に言えると思うんですけど、非常にメンタルが出るものだと思うんです。ハリーは特に情緒が現れるタイプのドラマーだと思ってて、(リハのときは)"充実した毎日を送れてるんだろうな"という余裕というか、深みのあるビートを叩いてくれている印象がありました。褒めすぎかな(笑)。

●具体的にはどういった部分で感じました?

伊藤 全体的にというか、ドラマーって最初にカウントを出すじゃないですか。"曲の空気"を作る仕事だと思うんですけど、非常に良質な空気を作ってくれるというか。

張替 うれしいですね。

●張替さんは、久しぶりに合わせてみて伊藤さんの変化についてどう思いましたか?

張替 安定感がすごく感じられましたね。若い頃は、そのとき特有のいい勢いがあると思うんですけど、それが歳を重ねて一緒に演奏してみると、いろんなヴォーカリストの方の後ろで叩かせてもらってるんですけど、中でもイトシュン(伊藤)は抜群の安定感というか、"うまいな"というのは感じましたね。

伊藤 お互いに褒め合ってますね(笑)。でも、キンモクセイの5 人の中でも、結構メンタルの浮き沈みが激しい2 人ではあったので、より変わった感があるかもしれないですね。

●張替さんはさまざまなアーティストのサポートを経て、"歌とドラム"の関係について、考えはどのように変わりましたか?

張替 キンモクセイの活動休止前から、歌あってのドラムだとずっと思っていたんですけど、サポートを重ねていくうちに、突っ込んで歌う方、タメて歌う方、いろんなタイプの方がいらっしゃるので、復活にあたって、ライヴやレコーディングをしたとき、イトシュンの歌に対するスネアの置きどころは、前よりもかなり気を遣うようになりましたね。

伊藤 今までサウンドって、単純な音色が受け持つ部分が大半だと思ってたんです。けど、キンモクセイで久々に集まって音を出してみたら、タイム感の占める割合がすごく大きいんだなと感じたんです。人それぞれ、タイム感を持っていると思うんですけど、5 人(のタイム感)が合わさったときに"キンモクセイのサウンド"になるんですよね。伊藤俊吾とサナダバンドで「二人のアカボシ」をカヴァーすることもあるんですけど、やはりまた違った感じになるんです。だから、ハリーの叩くビートは、キンモクセイの要になってるんだなとあらためて感じました。

本誌では引き続き、新作「セレモニー」のレコーディングについてのエピソード、張替と伊藤による楽曲制作の仕方などが語られている。さらに、張替がレコーディングで使用した機材や、こだわりのドラム・キットを徹底紹介! このインタビューの続きは、10月25日(金)発売の「リズム&ドラム・マガジン」2019年12月号にて!

▼「リズム&ドラム・マガジン 2019年12月号」コンテンツ内容
https://www.rittor-music.co.jp/magazine/detail/3119119007/

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