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2017.11.09

サウンド&レコーディング・マガジン

【Interview】中田ヤスタカ|サウンド&レコーディング・マガジン2017年12月号より

Text by Kentaro Shinozaki Photo by Hiroki Obara

9月下旬、中田ヤスタカに取材を申し込んだ。本誌10月号(8/25発売号)にて過渡期とも言えるEDMに対する持論、そして今後のビジョンを鮮明に語ってくれた彼だけに、"そろそろ待望のソロ・アルバムが完成しているころでは!?"と考えたからだ。しかし、その読みは外れた。中田は収録曲を吟味しながら、頭の中でアルバムの最終イメージを膨らませているところだったのだ。とはいえ、先行シングルやタイアップなどの既発曲からアルバムの行方を占えればと思い、アルバム完成前にもかかわらずインタビューを敢行。結果、中田ヤスタカという優れたクリエイターの脳内を少しのぞくことができたような実感を得た。新作の話から逸脱した部分も多々あるが、音楽作りに対する中田独自の視点をぜひ参考にしてもらいたい。

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"この曲は何か違う"と感じてもらえなければ
自分の曲を出す意味は無いと思っている

─このインタビューを行っている10月2日現在、先行発売の「NANIMONO(feat. 米津玄師)」「Crazy C razy (feat. Charli XCX & Kyary Pamyu Pamy u)」「Love Don't Lie(Ultra Music Festival Ant hem)(feat. ROSII)」の3曲、テレビ番組/CM用の「Source of Light」「Jump in Tonight (feat. 眞白桃々)」「Wihte Cube」の3曲、そして先日リリースされた「Give You More」の計7曲が中田さんのソロとして世に出ていますが、それらをニュー・アルバムに収録する予定ですか?

中田 そうですね。あと2~3曲作る予定です。アルバムの発売日も何となく見えているので、そこに向けて作っている感じです。

─1曲ずつ作っているのですか?

中田 ほかの人とコラボレーションする予定の曲もあるので、どうしようかなって思いながら、とりあえず自分1人で作れる曲を進めています。

─並行して曲作りは進めていない?

中田 作っているのは1曲ずつですね。やることは決まっているけど、作っていないというか。僕の場合、できている曲も最後にいじったりするので、並行の意味にもよりますが、完成させる手前まで1曲ずつ作ります。今あるものの曲順は大体考えていて、その間に今作っている曲を入れるっていうプランは立てていて。でも、そうやって並べていくときに、前後の曲のアレンジやキー、イントロ/アウトロを変えるかもしれない。全部の曲ができた状態で、そういう残りの作業が2割くらいある感じです。

─曲のイントロ/アウトロは今までの作品でも中田さんがこだわってきた部分ですね。

中田 単発の曲だったらスパッと始まった方がいいんですけど、アルバム単位になるとそうじゃない。曲が独立しているシングル集みたいになるのもいやだし。

─アルバムの流れを作るというのは、DJをしているときの感覚に近いですか?

中田 でも、曲自体はDJとしてかけるために作っているわけでもないというか。僕は半分ライブみたいな感じでDJをやっていて、自分の曲をかけながら、足りない部分に人の曲をかけている感じなんです。自分は絶対に作らないけど、DJでかけると楽しい曲とか面白い曲ってあるんですよね。DJとしてはその曲があることで、流れを作りやすいというか。だから、僕がDJでかけているような曲がアルバムとして出てくるわけではないということは言えますね。根本的に、僕はDJではないんですよ。自分のライブをやるために、DJというスタイルでステージに立つのがやりやすいだけで。だから未発表の新曲をDJでプレイすることもあるし、それがどんどん形を変えていったりもする。スタジオのモニターじゃなくて、現場のスピーカーだとどう鳴るかを試したくて。ただ、プロデュースの曲は情報解禁前だと怒られるのでかけませんけど(笑)。

─制作中の曲を試しにフロアでかけるという、いわゆる"現場チェック"ですね。

中田 そうです。ただ、それだけで判断するとスポーティというか機能美の方向に行ってしまうので、そういう役割の曲は自分で作る必要は無いなとも思っています。フロアにスイッチを入れる曲は得意な人に任せた方がいい。僕は、良くも悪くも"この曲は何か違うな"と感じてもらえないと、自分の曲を出す意味は無いと思っているので、すんなり聴き流されないものにしたい。

(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2017年12月号にて!)


サウンド&レコーディング・マガジン 2017年12月号

900(本体833円+税)

品種雑誌
仕様B5変形判 / 276ページ
発売日2017.10.25

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