◉幻の25年〜『松尾潔のメロウなライナーノーツ』刊行記念:松尾潔 feat. 林剛トークイベント

2025年6月20日発売の書籍『松尾潔のメロウなライナーノーツ』の刊行を記念したトークイベントが開催となります。
配信なし、限定35名の書籍&サイン会付きスペシャルトークイベント、お見逃しなく!
詳細は下記URL(Peatixのイベントページ)にてご確認ください。
内容
あまやかな90年代R&B、寄り添う珠玉のテキスト。
松尾潔の原点となる自選ライナー52本!
CDの全盛期である1980年代後半から1990年代にはたくさんの名盤が生まれ、海外の作品も盛んに国内盤が制作されました。歌詞、対訳、それにライナーノーツが付き、ときにはボーナス・トラックも収録されるなど、レコード会社は輸入盤との差別化を真剣に模索していたものです。そんなCD爛熟期に、R&Bの分野でひとりの若者が執筆活動を開始します。雑誌『ブラック・ミュージック・リヴュー』をベースにライター・デビューを果たした松尾潔氏です。現在ではプロデューサー、ソングライターとして知られ、シングルおよび収録アルバムの累計セールス枚数は3000万枚を超すというヒットメイカーですが、氏のキャリアのスタートは文筆業だったのです。
本書では、松尾氏が90年代に執筆した膨大な数のライナーノーツから52本を自身が厳選。「第1章 女たちよ!(女性シンガー編)」「第2章 男たちよ!(男性シンガー編)」「第3章 花よ嵐よ!(グループ編)」の3章仕立てでお届けいたします。
チャート順位などのデータをきっちり踏まえたうえで、ブラック・ミュージックの歴史や系譜から最新動向までに精通、さらにはアーティスト本人の現地インタビューも多数経験した松尾氏だからこそ書くことができた、貴重な解説の数々(そして実体験の数々)。これは90年代のR&B受容の赤裸々な記録でもあり、美メロ・ガイドでもあると言えるでしょう。そうそう、今では普通に使われる「美メロ」という言葉ですが、これは松尾氏の発案だってご存知でしたか?
CONTENTS
第1章
女たちよ!
フィリス・ハイマン
ラップにも挑戦、
極めて完成度の高い1枚
Phyllis Hyman / Prime Of My Life
シー・シー・ペニストン
今が旬の勢いには
抗いがたい魅力がある
Ce Ce Peniston / Finally
シャニース
待った甲斐があった
モータウン・デビュー作
Shanice / Inner Child
アリソン・ウィリアムズ
前作から一転、
〈歌志向〉を強く打ち出す
Alyson Williams / Alyson Williams
メアリー・J・ブライジ
聴き手の渇きを潤していく、
しっとりとした艶に満ちた声
Mary J. Blige / What's The 411?
ミキ・ハワード
ゴスペルに根ざしながら
独自の世界を確立
Miki Howard / Femme Fatale
ジャネット・ジャクソン
マイケルも嫉妬したであろう、
整然とした音の配置
Janet Jackson / janet.
アンジェラ・ウィンブッシュ
ヒップホップ好きの人にこそ
聴いてほしい
Angela Winbush / Angela Winbush
レイラ・ハサウェイ
声質のみで聴き手を魅了できる
数少ない歌手のひとり
Lalah Hathaway / A Moment
ティナ・ムーア
傑作であります。
ひとことで言うと。
Tina Moore / Tina Moore
ロリ・ゴールド
ブロンクス・ビューティーの瞳には
一点の曇りもなかった
Lori Gold / Lori Gold
シャンテイ・サヴェージ
見事なR&B的整合感
その背景には美メロの狩人が
Chantay Savage / I Will Survive (Doin' It My Way)
エリーシャ・ラヴァーン
〝慈しみ〞の心にあふれた
英日米の合作プロジェクト
Elisha La'Verne / "Her Name Is...."
エリカ・バドゥ
通受けする初期設定と
巧緻なマーケティングの産物
Erykah Badu / Baduizm
エイドリアナ・エヴァンス
ジャズ、R&B、サルサなどの
ミュージック・ガンボ!
Adriana Evans / Adriana Evans
キッパー・ジョーンズ
90年度の収穫
突出した出来のソロデビュー
Kipper Jones / Ordinary Story
アレクサンダー・オニール
ジャム&ルイスとの
入魂のコラボレーション
Alexander O'Neal / All True Man
ピーボ・ブライソン
初期の作風を思い出させる
復調著しい歌いっぷり
Peabo Bryson / Can You Stop The Rain
ジェラルド・レヴァート
文句なし、興奮すら覚えた
待望のソロ・デビュー作
Gerald Levert / Private Line
グレン・ジョーンズ
一朝一夕に完成したのではない
この高品質
Glenn Jones / Here I Go Again
キース・ワシントン
熟した男が世に送り出す
新しき傑作
Keith Washington / You Make It Easy
ジェラルド・アルストン
人と人の縁が織りなす
巡りあわせの不思議
Gerald Alston / First Class Only
バリー・ホワイト
プロデューサーを
プロデュースする達人
Barry White / The Icon Is Love
ジェイムズ・ブラウン
JBは電磁石なんだと
ぼくは思う
James Brown / Living In America
ディアンジェロ
異様なまでの抑えた調子が
虚を衝く
D'Angelo / Brown Sugar
久保田利伸
アメリカ進出第1弾となる
良質のR&B作品
Toshi Kubota / Sunshine Moonlight
ルーサー・ヴァンドロス
ソロデビュー以来の
ビッグヒットを時代順に
Luther Vandross / Greatest Hits 1981-1995
ケニー・ラティモア
そのヴォーカルの色艶、
もう完璧ではないか
Kenny Lattimore / Kenny Lattimore
キース・スウェット
この5枚目のアルバムは
5枚目の傑作アルバム
Keith Sweat / Keith Sweat
ジョニー・ギル
やっぱりジョニー・ギルは
器が違う
Johnny Gill / Let's Get The Mood Right
エリック・ベネイ
R&Bの魅力が
わかりやすく詰まった良作
Eric Benet / True To Myself
マイケル・ジャクソン
MJによるMJイメージと
利き腕DJ達が考えるMJ像
Michael Jackson /
Blood On The Dance Floor / HIStory In The Mix
ローム
ドロリとした古くささを
今っぽい意匠で
Rome / I Belong To You
ジョー
心あるR&Bファンは
彼の活動を支援すべきだ
Joe / All That I Am
ブライアン・マックナイト
〝らしさ〞と新しさの混淆
際立つR&Bのかたち
Brian McKnight / Anytime
ベイビーフェイス
童顔の巨人氏
アンプラグド初見参
Babyface / MTV Unplugged NYC 1997
第3章
花よ嵐よ!
ハイ・ファイヴ
テディ・ライリーが
見事に切り取った若さの瞬間
Hi-Five / Hi-Five
ガイ
まさに未来を感じさせる
期待に違わぬ1枚
Guy / The Future
レヴァート
もうひれ伏すしかない
これは大傑作!
Levert / Rope A Dope Style
ブレイズ
『What's Going On』以来の
モータウンの良心を見る思い
Blaze / 25 Years Later
サーフィス
洗練された音作りの軌跡、
新曲3曲を含むベスト盤
Surface / The Best Of Surface...A Nice Time 4 Lovin'
アイズレー・ブラザーズ feat.
ロナルド・アイズレー
兄弟3人が再び集った
リユニオン第1弾アルバム
The Isley Brothers Featuring Ronald Isley / Tracks Of Life
バイ・オール・ミーンズ
圧倒的な完成度の高さを誇る
モータウン移籍作
By All Means / It's Real
Lō-Key?
70
年代臭を濃く漂わせる
稀有なファンク・バンド
Lō-Key? / Where Dey At?
ジェイド
メロウな側面に注力、
エモーションズの再来
Jade / Jade To The Max
メイズ・フィーチャリング・フランキー・ビヴァリー
とにかく気品がある
媚びは売らねど艶がある
Maze Featuring Frankie Beverly / Back To Basics
ドゥルー・ヒル
4曲の必殺チューンが
彼らへの特別扱いを約束した
Dru Hill / Dru Hill
ボーイズⅡメン
通算3作目にして、
最もラジオ・フレンドリー
Boyz II Men / Evolution
トニー・トニー・トニー
デビューから10年、
ソウルの息子たちからの宝物
Tony Toni Tone / Hits
LSG
スーパーグループが爆誕
秋の似合う音やナ
LSG / Levert・ Sweat・ Gill
エクスケイプ
女性ボーカル・グループの
作品のあるべき姿
Xscape / Traces Of My Lipstick
余情章
人間交差点
『ニュー・ジャック・シティ』OST
NJSあってこそのNJC
記念碑的なサントラの登場
Various / New Jack City
装画:遠藤舞