歌詞(うた)の本棚

深夜高速

鈴木 圭介(著)/丹下 京子(絵)

定価2,200円 (本体2,000円+税10%)
発売日2025.07.11
品種書籍
仕様B5変形判 / 32ページ
ISBN9784845643035

内容

生きててよかった──魂を震わすフラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」の世界観が絵本に!

楽曲の歌詞に着目し、気鋭のイラストレーターが自らのフィルターを通して、その世界観を絵本として再構築するプロジェクト、"歌詞(うた)の本棚"。その第4弾は、《生きててよかった》のリフレインが魂を震わせる、フラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」を取り上げます。

「深夜高速」は2004年にライブ会場限定シングルで販売され、同年9月15日に16枚目のシングルとしてリリース。シンプルながら緊張感のあるコード進行、挫折を繰り返しながら前進しようとする歌詞、鈴木圭介のエモーショナルなヴォーカルが、多くの若者の心を掴み、口コミで広がっていきます。2009年には「深夜高速」のみを斉藤和義ら13組のアーティストがカバーした異色のトリビュート・アルバム『深夜高速 -生きててよかったの集い-』がリリースされるなど、さらに注目が集まりました。

以降もジャンル、世代の枠を超えて様々なアーティストたちがカバーをしており、近年ではCMソングとして俳優によるカバーバージョンがお茶の間に流れ、2025年3月にはTBS系『ラヴィット!』にフラワーカンパニーズが出演し生演奏したことが話題となるなど、時代を超えて愛される名曲であることを証明しました。また、フラワーカンパニーズは結成36年を迎えて精力的に活動中で、9月20日には自身2度目となる日本武道館でのワンマンライブ『フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~』の開催も決定しています。

今回の絵本化に際し、北野武の著書『浅草迄』の表紙などを手掛けたイラストレーターの丹下京子が作画を担当。シンガーを目指してギターを手に歌い始めた女の子、お笑い芸人になろうと志した男の子、二人が駆け抜けた「深夜高速」の先には──。

小さなお子様には、まだちょっと難しい内容かも知れませんが、「深夜高速」に勇気をもらったお父さん、お母さんにまず読んでほしい1冊。そして、いつか子供が大きくなって壁にぶつかったとき、そっと本棚から手に取ってもらいたい、そんな絵本です。


編集担当より一言

フラワーカンパニーズが初めて日本武道館ライブを行なった2015年に、『消えぞこない メンバーチェンジなし!活動休止なし!ヒット曲なし!のバンドが結成26年で日本武道館ワンマンライブにたどりつく話』という、とてつもなく長いタイトルの本の編集を担当しました。あれから10年、フラカン二度目の武道館ライブが開催される今年、「深夜高速」を題材とした絵本を担当しました。作画者を決めるにあたり、鈴木圭介さんがリクエストされたのが丹下京子さん。奇しくもバンドと同じく名古屋のご出身ということで、絵本には名古屋のシンボル、テレビ塔が登場しています。その後、すでに強烈なメッセージを内包する歌詞に対して丹下さんと推敲を重ねて、若者が夢を追うこと、その過程にこそ楽曲との共鳴があるのではと感じて物語を紡いでみたつもりです。ぜひ、楽曲を聴きながらページをゆっくりめくってください。
(編集担当/藤井 徹)