ギター・マガジン

名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書

The Stories behind The Great Recordings

中村 公輔(著)

定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
発売日2018.05.25
品種書籍
仕様四六判 / 288ページ
ISBN9784845632305

内容

レコーディングがわかると、ロックがもっと見えてくる!

録音の魔術師たちの、常識をはるかに越えた音響処理の数々。

バスドラムに穴を開けるようになったのはビートルズの無茶振りのせい!?
スティーリー・ダンのドラムは生演奏ではなく本当は打ち込みだった!?
歪んだギターが誕生したのは壊れたアンプを新聞紙で応急処置したから!?

録音機材の進化と、破天荒なエンジニアが生み出したブレイクスルーを詳細に解説。
名盤をより深く聴くための、リスナー向け録音マニュアルがついに登場。
ロックのウラを知りたいあなたのための1冊です!

【CONTENTS】
●第1章 ビートルズが起こしたレコーディング革命
アルバムのカラーを決定づけたエンジニアのチカラ/常識破りのエンジニア、ジェフ・エメリック/ミュージシャン気質のケン・スコット、アラン・パーソンズ/何時間もトイレにすら行かせないフィル・スペクター/MTRの進化がビートルズ解散の引き金に?/ビートルズが使用したマイク/名盤で使用された伝説のマイク/ライブで活躍するダイナミック・マイク/J-POPが洋楽の音にならない理由/メイド・イン・ジャパンのマイク/ノーマン・スミス、アラン・パーソンズ......エンジニアからミュージシャンへの転身

●第2章 ロック・ドラムのレコーディング事情
ローリング・ストーンズはインディーズ・スタジオがお好き/ドラムのマイキング/キース・ムーンもジョン・ボーナムも繊細に叩いていた/コンプレッサーをかけたドラム・サウンド/限られたトラック数でのドラム録音/中央にバスドラム、右にハイハット、左はタム。定位を決定づけた『狂気』/ミュートとオーバーダブ

●第3章 エレクトリック・ギターのレコーディング事情
ギタリストがアンプのうしろに立っていた時代/1960年代からライン録音は行なわれていた/ジミヘンの手動フェイザー/実は小型アンプが最強?/オン、オフ、ウラ、センター......マイクの位置さまざま/ギターの歪み物語/ディストーション、オーバードライブの登場/ベースのレコーディング事情

●第4章 リバーブの深淵
初期反射と残響音/部屋を利用したエコー・チャンバー/鉄板を利用したプレート・リバーブ/ギタリストにお馴染みバネを使ったスプリング・リバーブ/それまでの概念を破ったデジタル・リバーブ/スタジアム・ロックのリバーブ感/ゲート・リバーブが時代を席巻/お手軽デジタル・リバーブが生み出したシューゲイザー

●第5章 打ち込みの進化、ヒップホップとオルタナディブ・ロック
スティーリー・ダンが取り入れた驚愕のサンプラー/メタリカはデジタル・エディットの先駆けだった/リンドラムの登場と奇抜エンジニアリングの開花/超高級機であったサンプラー/サンプリング無法時代/スピーカーをマイク代わり/アグレッシブなドラム・サウンドの追求

●第6章 プロツールスと現代のレコーディング
レコーディングの常識を覆したプロツールス/ホントはどうなの?歌のピッチ修正/デジタルの音は本当に軽いのか?/デジタルの歪みはノイズの原因?/仁義なき音圧競争

編集担当より一言

ギター・マガジン、サウンド&レコーディング・マガジンでの執筆でもお馴染みのポーさんこと中村公輔さん。ミュージシャンでありながらエンジニア業もこなす生粋の音楽人間で、雑談をしていてもビートルズの各アルバムから懐かしのADATに話が飛んだり、ニール・ヤングの弾き語りから最新曲のYouTubeのサウンドについて語ったり、とにかく話がおもしろくて話題が尽きることがなく、会うとあっという間に数時間たってしまうのです。

そんなレコーディングのネタを1冊にまとめませんか?とお願いしてから半年以上たち、ようやく1冊の本が完成しました。名盤と言われる作品は全部聴いてみたいという好奇心旺盛な音楽ファンなら間違いなく楽しめる内容になっていると思います。私の趣味のせいで、ロック寄り、ギタリスト寄りのネタを多く書いてもらいましたが、実はまだまだ書いてない小ネタがあります。誰よりも私自身が続編を読んでみたいと思っています。忙しいポーさんに執筆時間を作ってもらうのは大変ですが、すぐにでもまた一緒に仕事がしたいですね。(コンテンツ企画編集部/鈴木伸明)