エレクトリック・ギター革命史

ブラッド・トリンスキー(著)/アラン・ディ・ペルナ(著)/石川 千晶(訳)

定価2,750円 (本体2,500円+税10%)
発売日2018.02.23
品種書籍
仕様四六判 / 544ページ
ISBN9784845632091

内容

エレキ・ギターが歩んだ130年の歴史

~この魔法の楽器は、ある日突然この世に出現したのではない。
いくつもの"why" と"how" の回答の積み重ねが今日の隆盛をもたらした。

僕たちが愛してやまないエレキ・ギターは、一体いつ頃、どのようにして生まれ、進化を遂げてきたのか? 最初にギターがエレクトリック化されたのは、1890年にGeorge Breedが作ったサステイン・サウンド装置と言われている。その後、リッケンバッカーによってフライングパン(スティール・ギター)が開発され、チャーリー・クリスチャンが楽団でギブソンES-150で軽快なソロをとり、レス・ポールが『ログ』と呼ばれるソリッド・ギターを開発し、レオ・フェンダーがテレキャスターを世に贈り、ビートルズが登場し、ボブ・ディランがエレキを手にし、ジミ・ヘンドリックスが......、と、昨今におけるエレキ・ギターの存在は、時代の寵児たちによる発明と革新がくり返された末に根付いたものだ。本書では、約130年に及ぶその歴史を、機材とギタリストの両面から紐解いていく。今も世界中を虜にする"奇跡の音"は、あそこから始まったのだ。

【本の内容】
第1章 : ブラザー、ミュージシャン、聴け、奇跡の音を!
第2章 : 偉大なるチャーリー・クリスチャンの功績
第3章 : レス・ポール ~ウォキショーから来た魔法使い~
第4章 : モデルT ~テレキャスターが切り拓いた新世界~
第5章 : ブルース(とカントリー)から生まれた子、ロックンロール
第6章 : ソリッド・ボディのストラディバリウス
第7章 : ファブ12 ~ビートルズがやって来た!~
第8章 : ジミ・ヘンドリックス ~アンプリファイドされた革命~
第9章 : 噴火 ~伝説の爆撃機、世界へ~
第10章: メイド・イン・ジャパン
第11章: ギター・オタクの逆襲
第12章: プラスティック・ファンタスティック ~ビザール・ギターの復権~

編集担当より一言

エレキ・ギターが歩んだ約130年の歴史を集約した本ということで、結果的に辞書のような分厚い一冊に仕上がりました。メーカー名、モデル名、ギタリスト名、楽器開発者名、アルバム作品名、楽曲名などを抜き出す索引作りはとっても大変だったのですが、その甲斐もあって良い本ができたと思います、手前味噌ながら。おそらく、エレキ・ギターの歴史だけに特化した本は本邦初ではないでしょうか。

単にボリューミーというだけでなく、今まで知らなかった驚愕の事実も相当数あります。例えば“レス・ポール邸に集まったレオ・フェンダーとポール・ビグスビーの関係性”や、“世界初の量産型エレクトリック・ギターとなったリッケンバッカー・フライングパン誕生の背景には、狂騒の20年代において悪評高いことで知られたテッド・クラインメイヤーという若き資産家が大きく関与していた”など、電気ギターの発展にまつわる数々のドラマには、自分で校正しながらも思わず引き込まれてしまいました。

楽器の分野に限らず、天才的な閃きを持つ数人の才人が世の歴史を切り開いてきたことは歴史が証明しています。ギター好きならずとも、そのような“革命”の観点から読んでみても、なかなか面白いのではないでしょうか。(ギター・マガジン書籍編集部/坂口和樹)