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  • リットーミュージック

2018.07.13

RED WARRIORS FM NACK5 開局30周年記念ライヴ

文:辻井 恵

2018.05.27
東京国際フォーラム ホールA
撮影:三浦麻旅子

ファン投票で選ばれた上位10曲を中心に組まれた、
まさに"the Very best of Red's"といえる最高の一夜!

 "the Very best of Red's"と銘打たれた今回のライヴは、事前にファンの投票によって選ばれた上位10曲を中心に演奏されるという、ファンにとってはスペシャルな公演。実はこの選ばれた10曲は事前に告知されていたのだが、自分はこの"特別な一夜"を最高に楽しむために、それはあえて見ないで今回のライヴに参戦した。

 ......"特別な一夜"と書いたが、蓋を開けてみれば開演は15時! ロックンロール・バンドらしからぬ設定時間に肩すかしをくらいつつ(笑)、15分ほど押してライヴはスタートする。おもむろにかき鳴らされる木暮"shake"武彦のヘヴィなリフ──おっ!「STILL OF THE NIGHT」だ! この曲はシングル・ナンバーでもあり人気も高い楽曲だが、必ずセットリストに入るような"不動のレギュラー"ではない。この曲をアタマに持ってくるあたり、今日のセットリストが一筋縄ではいかないことを感じさせた。
 そしていよいよ舞台袖から水玉のセットアップを纏ったダイヤモンド☆ユカイが登場。こんな衣装がバッチリ似合うロッカーも、なかなかいないだろう。ステージに現れると同時にパワフルに歌い、ロックンロール・ダンスで軽快にステップを踏む。すでにエンジンは全開状態だ。
 2曲目はおなじみの一曲である「SHOCK ME」。サビでのコール&レスポンスでオーディエンスのボルテージを上げ、この2曲ですでに完全に観客の心をつかんでいた。

撮影:三浦麻旅子

 「FOOLISH GAMBLER」とMCをはさみ、4〜5曲目は「OUTSIDER」と「LADY BLUE」。マイナー調の憂いのあるメロディのこの2曲は、シャケのたぐい稀なるメロディ・センスが堪能できる。「LADY BLUE」のギター・ソロも、泣きまくっていたぞ。
 そして7曲目に持ってきたのは、意外や意外の「7th Strip」。再結成後の02年にリリースされたアルバム『7th』の冒頭を飾る1曲だが、そのアッパーなR&Rサウンドで会場の熱を逃がさない。その後もお約束の"モンキーダンス"で観客が一体となる「MONKEY DANCIN'」、KIYOSHIのファズ・サウンドのベース・ソロが炸裂した「野生の風」などを並べる。

撮影:森島興一

 そしてここからは本人たちも「久しぶりにやる」と語る、shakeがヴォーカルを務めるトラディショナルなR&Rナンバー「SHAKIN' FUNKY NIGHT」(3rd『KING'S』収録)、「BLACK JACK WOMAN」(1st『LESSON 1』収録)。どちらも初期の楽曲で、しかもそこまで代表的なナンバーではないため、古くからのファンは特に喜んだに違いない(ちなみに15曲目では隠れ名曲の「ROLLING DOWN THE STREET」も!)。
 後半はレッズ・ファンならおなじみのナンバーが並ぶ。ホンキートンク調の「BAD LUCK BOOGIE」をいなせにキメると、バッドボーイR&R感全開の「WILD CHERRY」、そしてレッズの"看板ナンバー"であり、ロック・バンドでの成功をギャンブルでの賭けとダブル・ミーニングで歌う「CASINO DRIVE」で一端の幕を閉じた。

撮影:三浦麻旅子

 アンコールで用意されたのは「JOHN」、「ROYAL STRAIGHT FLUSH R&R」、「バラとワイン」の3曲。最後の「バラとワイン」では、おなじみであるバラの花束が大量に投げ込まれるという風景が。そして最後の1本として投げ込まれたバラを、空中で見事にキャッチするユカイの姿には、カッコ良すぎて正直自分もシビれた(笑)。
 ライヴ中盤のMCで、ユカイが「今までロックンロールを続けられてきた理由は2つある」と語り、その2つの理由を「いい仲間がいたこと」、そして「ロックンロールが底抜けに楽しいこと」と話していた。メンバー4人がロックンロールを誰よりも楽しんでいることは、ライヴを観ていて十二分に感じられたし、彼らが楽しんでいるからこそ、観ている自分たちもレッズがかき鳴らすロックンロールで、最高に楽しい気分になれるのだと思う。ライヴはアンコールを含め2時間以上行われるという、ボリュームのあるものだったが、月並みな言葉で言えば、時間を忘れてライヴに熱中してしまった。
 ライヴの余韻に浸りつつ会場を出て、ふと時計を見ると時間はまだ17時過ぎ! 正直、外はまだ明るかったけど......自分にとっては期待通りの"最高の一夜"だった。

撮影:森島興一

SET LIST

  1. 1.STILL OF THE NIGHT
  2. 2.SHOCK ME
  3. 3.FOOLISH GAMBLER
  4. 4.OUTSIDER
  5. 5.LADY BLUE
  6. 6.7th Strip
  7. 7.MONKEY DANCIN'
  8. 8.野生の風
  9. 9.ANOTHER DAY, ANOTHER TIME
  10. 10.SHAKIN' FUNKY NIGHT
  11. 11.BLACK JACK WOMAN
  12. 12.MORNING AFTER
  13. 13.ルシアン・ヒルの上で
  14. 14.BAD LUCK BOOGIE
  15. 15.ROLLING DOWN THE STREET
  16. 16.WILD CHERRY
  17. 17.CASINO DRIVE
  1. EN1 JOHN
  2. EN2 ROYAL STRAIGHT FLUSH R&R
  3. En3 バラとワイン

※赤字がファン投票で選ばれた楽曲