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【Interview】DEAN FUJIOKA|サウンド&レコーディング・マガジン2018年2月号より
Text by Yoshihiko Kawai
俳優をやることで刺激をすごく受けている
それが音楽制作の幅の広さにつながっていると思います
2017年は夏に1st EP『Permanent Vacation / Unchained Melody』をリリースし、東京、大阪、福島でライブも敢行。一方で俳優業や報道番組のインフルエンサーなど多忙を極めていたDEAN FUJIOKAが、この年の締めくくりとして2nd EP『Let it snow!』を発表した。ドラマの主題歌となった表題曲、前述のライブ時に初披露された「DoReMi」、そしてCANNON ASIAのCMソングとして作られた「Speechless」は、それぞれ制作期間が限られた中で、共同制作者のMitsu.J、SUNNY BOYとともにDEANのこだわりが注入された曲となっている。各曲についてDEANに詳しく振り返ってもらいながら、2018年の展望についても聞いた。
「DoReMi」のアレンジ・イメージは
ドレイクの「パッションフルーツ」
ー今回のEPに収録されている3つの新曲は、制作の順から行くとどれが最初に作ったものですか?
DEAN 制作の順番から言うと「Speechless」が一番早いですね。2017年の初めにジャカルタで、前作「Permanent Vacation」や「Unchained Melody」を仕上げているときに作っていました。「Speechless」はCANON ASIAのCM曲に決まっていたので、それぞれの締め切りに追われていた時期だったんですよ。
ーこの曲はSUNNY BOYさんとの共作になっていますね。どのように作り始めたのですか?
DEAN そうですね。もともとは、僕がPROPELLERHEAD Reasonでオケを打ち込んだものにラップを乗せた、2000年代のトリップホップみたいな曲があって、それを2017年版に作り直そうと思ったんです。でも、パラデータも残っていなかったし、なかなかそのトランスフォーメーションがうまくいかなくて......。しかも、「Permanent Vacation」の締め切りも迫っていたので、急きょ東京からSUNNY BOY君に来てもらって、1から作り直すことにしました。彼が飛行機の中でビートを組んでくれて、それを土台にして、CMバージョンを作ったんですね。今のシングル・バージョンとは全く違っていて、何となく歌は入っているけど、インストっぽい仕上がりでした。そこでいったん「Speechless」は寝かせておくことになりました。その後、俳優の仕事が続いて、作品を4連ちゃんで撮ることになったので(笑)。
ーでは、次の曲に取りかかったのは?
DEAN 7月に行ったライブで披露することになっていた「DoReMi」です。曲のきっかけは、すごくシビアなスケジュールで楽曲制作の依頼をいただいて、結局それは実現しなかったんですけど、そのときに家族みんなで楽しめる曲のイメージが思い浮かんだんです。それを元にSUNNY BOY君とスタジオに入って曲作りをしていきました。
ーそのイメージはどんなものだったのですか?
DEAN "ドレミ""123""ABC"というメモ書きがあって、子供たちでもおじいちゃんおばあちゃんでも、言語が違ってもみんなでシンガロングできるように、そういう言葉をサビでは入れるというイメージですね。そして音的には、スティール・パンなどを入れて音数が少ないトラックで、トロピカルな感じがしつつも、ドレイクのような音の密度は欲しいと(笑)。彼の「パッションフルーツ」という曲が好きで、あの音の少なさをイメージしていたんですよ。
ーそのイメージをSUNNY BOYさんに伝えて、打ち込んでいく方法でしたか?
DEAN 基本的にはそうですね。ここでスティール・パンを入れてほしいとか、楽器からビートまで具体的に言いながらオケを作ってもらいました。SUNNY BOY君もすぐにキャッチしてくれて、"あまりハモりを入れない方が良いですよね"とか話をしながら。オケができたら、歌詞を書くために仮歌を録っておいたんですけど、ちょうど映画『坂道のアポロン』の撮影中にホテルで書いていました......トランペットの練習をしながら(笑)。で、7月のライブ・リハの合間で本チャンのレコーディングをして、ミックスをD.O.I.さんにお願いして、完成させたんです。
(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2018年2月号にて!)
サウンド&レコーディング・マガジン 2018年2月号
品種 | 雑誌 |
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仕様 | B5変形判 / 244ページ |
発売日 | 2017.12.25 |