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2017.12.27

サウンド&レコーディング・マガジン

【Interview】石野卓球 Equipment History|サウンド&レコーディング・マガジン2018年2月号より

Text by Kentaro Shinozaki / Photo by Hiroki Obara

祝・クリエイター人生35年!
そのサウンドを機材面からクロニクる

電気グルーヴでの活動をはじめ、DJやリミックス・ワークなど近年ますます勢いを増し続けるクリエイター、石野卓球。50歳の節目を迎える彼が、大人のマシン・ミュージックとも言える約1年ぶりの最新ソロ・アルバム『ACID TEKNO DISKO BEATz』を12月27日にリリース。さらに2018年1月24日には、石野がこの35年間に手掛けてきたプロデュース/リミックス/コラボレーションや自身の未発表音源など計102曲をコンパイルしたCD8枚組に及ぶボックス・セット『Takkyu Ishino Works 1983〜2017』も発売。加えて、同じく1月には電気グルーヴのニュー・シングル『MAN HUMAN』(Netflixアニメ『DEVILMAN crybaby』主題歌)もリリースするなど、まさに八面六臂の働きぶりだ。"テクノ・クリエイター"としてひとくくりにできないほどハミ出しまくってきた石野の軌跡を、所有機材とともに振り返るインタビューを彼のプライベート・スタジオにて敢行。誌面では最新ソロ・アルバムとボックス・セットの2タイトルについても語っていただいた。

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1983~1989 静岡での"卓録"時代

ー『Takkyu Ishino Works 1983〜2017』収録の、石野文敏(16)「Noise In The Ear」が、卓球さんの最初の宅録作品でしょうか?

石野 まさに16歳のときに作った曲ですね。同じ時期にニュー・オーダーの「586」のカバーも作っていて、それはYouTubeでも聴けると思うんだけど、あれとドラムのサウンドが一緒でしょ?

ースネアの連打がすごいですね。

石野 あれ、一斗缶(笑)。当時は畳の部屋に友達からもらったドラムを置いていて、隣の部屋で妹が勉強しているところでガンガンたたいていたんですよ(笑)。でも、そのスネアのヘッドが破れちゃったから一斗缶を使ったという。

ードラムから録っていったのですか?

石野 いやいや、あれは普通のラジカセ一発録りですよ。ドラムはモリモト君っていう同級生に指示してたたいてもらって、俺はYAMAHA PortasoundとROLAND SH-2をその場で弾いた。というか鳴らした。

ー確か、SH-2が卓球さんにとってのファースト・シンセでしたよね?

石野 そう、今も現役です。電気のステージでも使ってます。好きなので、最近もう一台買いました。ここまで来たら一生使ってやるという感じ。

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ー「Noise In The Ear」はインストですが、途中で何か卓球さんがしゃべっているのが聴けます。

石野 自分でも何って言っているのか分からないんですよ。モリモト君に指示を出しているとかじゃなくて、音楽的なメッセージが何かあったんでしょう。16歳の田舎の高校生が衝動だけで作ったような曲ですよね。恥ずかしいってわけじゃないんですけど、実は1回くらいしか聴いてないんですよ。

ー当時の音源が今回、カセット・テープで出てきたのですか?

石野 いや、結構前から存在は認識していたんだけど、まさか売り物になるとは思ってなかったから。普通思わないでしょ?(笑)。

ーラジカセ一発録りとは具体的にどのように?

石野 ドラムにマイクを立てるわけでもなく、ラジカセのマイクで全部録っただけ。シンセはキーボード・アンプ代わりのもう一台のラジカセから鳴らして。

ードラムの位置を遠めにして、音量バランスを距離で調節したり?

石野 いや、そんなことしません(笑)。6畳の部屋でそんなこと考えないです。

ーカセットMTRは持っていなかったのですか?

石野 普通のラジカセですね。で、ニュー・オーダーのカバーは2台のラジカセのピンポン録音で、俺がドラム、それから友達のミワ君に"ずっとこうやって弾いて"ってベースをやってもらって。で、その後エコー付きのカラオケ・マイクで、歌と借り物のPortasoundで音を重ねました。

ーまさに"卓録"ですね。

石野 そう、卓球による卓越した録音。カセットMTRを手に入れたのは"人生"のソノシートを作っていたころだから高校3年生かな。Fostex X-15を友達のゴトウ君から買って。「オールナイトロング(おやすみバージョン)」はそれとKORG Poly-800のシーケンサーで作った。

(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2018年2月号にて!)


サウンド&レコーディング・マガジン 2018年2月号

1,000(本体926円+税)

品種雑誌
仕様B5変形判 / 244ページ
発売日2017.12.25

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