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2017.11.07

KENTA[SPYAIR]2年ぶりとなる5thアルバム『KINGDOM』を語る。|リズム&ドラム・マガジン2017年12月号より

Interview&Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Eiji Kikuchi

デジタル・ロックやエモーショナルなミクスチャー・ロック、壮大なバラードなど、メンバー4人で多彩な音世界を構築してきたSPYAIR。今回、彼らが満を持してリリースした約2年ぶりとなるアルバム『KINGDOM』は、タイトル通りの壮大なアンサンブルが鳴り響く、バンドの指針を示した1枚と言えるだろう。2017年10月号の特集"ドラム×肉体"では、鍛え抜かれた見事な身体を披露してくれたKENTAだが、ここでは今作を経てたどり着いた、SPYAIRのドラマーとしての確信を語ってもらった。

目指すべきサウンドが見えたことで

自分達の中にも確固たるものができた

─約2年ぶりにリリースされたアルバム『KINGDOM』についてお聞きしますが、今作の具体的な制作期間は?

KENTA 1年半くらいでしたね。今回はアルバムのコンセプトをメンバーともしっかり話し合ったから、先にこの"KINGDOM"というタイトルが決まったんです。というのも、前作『4』をリリースしたときのツアーが終わった頃から、UZ(g、prog)が曲作りを始めたんですけど、この先SPYAIRでどんなサウンドを鳴らせばいいのか悩んでいて。それまでは、"SPYAIRはこうだよね"っていうのが明確ではなかったし、ただ自分達が好きな音楽を鳴らしていたんですけど、そのときの話し合いで浮かんできたのが、この"KINGDOM"というワードでした。これは別に王国を作るとかっていう意味ではなくて、言葉の響きや語感。"KINGDOM"って聞くと、何となくライヴ・ハウスで演奏しているイメージはないですよね? そういうスケール感の大きさが、俺らの中でしっくりきたんです。で、タイトルが"KINGDOM" に決まって、そのイメージから生まれた最初の曲が「THIS IS HOW WE ROCK」でした。アルバムの中でも、この曲は特に細々したプレイとかじゃなく、全音符を鳴らして、でかいステージでみんなが両手を広げている姿をイメージしました。それに、そういう大きなスケール感で演奏するのが、SPYAIRは似合うんじゃないかって、メンバーとも一致して。目指すべきサウンドが見えたことで、そのとき自分達の中にも確固たるものができました。野外ライヴだったり、アリーナだったり、大きなステージに立つ......SPYAIRがそのポジションを担うという気持ちです。いわゆる、カッコいいスタイリッシュな音楽っていうのは、俺らが目指すところではなくて、外から見てると少しダサいのかもしれない......けど中に入ると強烈にカッコいいっていう、自分達にしかできない1枚を作りたいと思って完成したのが『KINGDOM』です。

5th Album『KINGDOM』

─そのスケール感を大きくするために、レコーディングの方法や手順で変わったことはありましたか?

KENTA 意図的に変えたことは特にないですね。今作を含めて、これまでに5枚のアルバムを作って、10年以上もバンドを続けてきたわけだから、今までの経験を具現化しただけというか。もちろんその"経験"が、ものを言う場面はありますけど、今までと同じように一発録りでレコーディングした曲も多いです。

─確かに一発録りだからこそ生まれる、BPM以上の曲の勢いみたいなものを感じます。

KENTA ありがとうございます。もちろんバキバキにエディットした音楽のカッコ良さはあるし、そういうジャンルにハマっていた時期もあるんですけど、やっぱりバンドの場合、"後でエディットするからいいや"っていう気持ちがどこかにあると、曲の緊張感は伝わらないと思うし、人の第六感的なところに訴えかけるのって、そういう部分だと思います。それはCDにパッケージされても、絶対に伝わることだろうし。

(続きはリズム&ドラム・マガジン2017年12月号にて!)


リズム&ドラム・マガジン 2017年12月号

品種雑誌
仕様A4変形判 / 168ページ / DVD付き
発売日2017.10.25