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2017.08.04

サウンド&レコーディング・マガジン

DEAN FUJIOKA『Permanent Vacation / Unchained Melody』インタビュー|サウンド&レコーディング・マガジン2017年9月号より

Text by Yoshihiko Kawai

 ドラマや映画、CMや雑誌など、多くのメディアに引っ張りだこのDEAN FUJIOKA。2016年3月に、それまでに制作した楽曲を集めたアルバム『Cycle』をリリースし、本誌インタビュー(2016年9月号)でも、ベース・ミュージックを基調とした音楽への熱い思いを語ってもらったが、その後も、忙しいスケジュールの中で楽曲を制作し、今回、4曲入りの1st EP『Permanent Vacation / Unchained Melody』をリリースした。それぞれ映画『結婚』の主題歌、報道番組『サタデーステーション』『サンデーステーション』のエンディング、アニメ『ユーリ!!! on ICE』のオープニング、そして教育番組『テレビで中国語』のEDテーマ曲となっているが、それらが楽曲作りに大きな影響を与えたそうだ。その制作過程を詳しく語ってもらおう。

DEAN FUJIOKA/ディーン・フジオカ

自分がボーカリストとして歌う場合 曲のベストな可能性を引き出したい

ー今作に収録された4曲は、2016年3月にリリースしたアルバム以降に作られた楽曲なのですか?

DEAN そうですね。順番でいくと「History Maker」が最初です。当初はアニメの劇伴を担当している梅林(太郎)さんがメロディを書いて、それに対して僕が歌詞を書いて歌うというスタートでした。アレンジは同じく劇伴を担当している松司馬(拓)さんがオーケストレーションをして、一回歌入れまでしたんですけど、その出来に、僕としてはしっくりきた部分と惜しいなと思った部分と両方あったんです。デモが持っていた可能性を発揮できていなくて、このままだとベストではないと思えた。そこで、音楽プロデューサーのトミーさん(冨永恵介)に、"このままだともったいないです。ボーカリストとしては、このまま世に出すのは難しいかもしれない。だから、もし曲の方向性に参加させていただけるなら、責任持って歌わせてもらいます"とも伝えたんです。いろんな関係があり、難しいことだったと思うんですけど、トミーさんが"その可能性にかけてみよう"と言ってくださって。それでDJ SUMO(Sumantri)をジャカルタから呼んで、トミーさんたちと一緒にビートを組むところから作り直したんです。

ーDJ SUMOさんとはどんなやり取りを?

DEAN リズム・セクションのサウンド・チョイスは僕のイメージを伝えてDJ SUMOに任せました。できたものに対して、"こっちのスネアの方が良い!"とか、言いましたけどね(笑)。あとは、メロディをリフレインさせるような要素......クラシックってリフレインの音楽じゃないですか?そういった様式美とEDMの構成の良さというのをベストな形でマッチングできるように、途中からEDMのテイストが入ってくるような構成にしました。フーリガンが雄たけびを上げているスタジアムのイメージや、FXの入れ方もワーグナーの感じを今のEDMのテクノロジーを使ってみたり。EDMとクラシックを融合させた、新しいアプローチができたと思います。やっぱり曲を背負っていくというのは、すごく責任のあることだと思うんですよね。歌詞を提供するだけでしたらどんな曲でも不満はないのですが、自分がボーカリストとして歌う場合、その子が持つベストな可能性を引き出してあげないと、ずっと悔やまれると思うんですよ。

ーボーカル・レコーディングはどのように?

DEAN まず自分の歌を録って、ギターのストロークとハーモニーを足していきました。レコーディングしたスタジオはprime sound studio formだったんですけど、その辺はジャカルタで普段DJ SUMOとやっているように、彼がボーカル・ディレクションをして、一番良い質感になるようにトリートメントもした。マイクはNEUMANN U47で、プリアンプはAPIかCHANDLER LIMITEDを使っていたようです。レコーディングの最後にスタジオにいた男連中で肩を組んで、フーリガン風のコーラスを入れたんですけど、わざと下手に歌ってとリクエストしましたね(笑)。

(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2017年9月号にて!)


特別定価 900(本体833円+税)

品種雑誌
仕様B5変形判 / 252ページ
発売日2017.07.25

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