MAGAZINES

ギター・マガジン 2021年11月号

定価880円 (本体800円+税10%)
発売日2021.10.13
品種雑誌
仕様A4変形判

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内容

特集:Char
初期三部作とそれに連なる最新アルバム

Charのデビュー・アルバム『Char』(1976年)、2nd『Char Ⅱ have a wine』(1977年)、3rd『THRILL』(1978年)の三作は、日本のギター史に輝く大名盤である一方、現代ではシティ・ポップという新たな価値観でも語られている。これはなかなか興味深い現象だ。さらに、オリジナル・アルバムとしては16年ぶりとなる最新作『Fret to Fret』はその三部作に連なる4枚目という位置付けだという。今なお我々を惹きつける初期三部作と、新作で見せた揺るぎない"Char節"の魅力とは?

■日本のギター名盤がカッティングというお洒落な事実。

■初期三部作を奏でたギターたち。

■『Char』が生まれた時代。世界と日本の音楽事情。

無二のギター・ヒーローであるCharがデビューを果たした1976年。世界と日本では、どんな音楽やギタリストが人気を集めていたのだろうか?

■サウンド考察1:三部作のクロスオーバー感覚。

ロック、ブルース、ソウル、ファンク、歌謡曲、フォーク、ジャズなど、さまざまな音楽要素を感じさせる初期三部作。それは当時まだ産声を上げたばかりだった"クロスオーバー"という新しいサウンド感覚だった。

■サウンド考察2:三部作の歌謡曲成分。

キャッチーな歌メロと物憂げな泣きのギターの組み合わせが生み出す歌謡曲的なムードも、この時期のCharを形成する重要ないち要素だ。ファンキー&クロスオーバーとは異なる、三部作の歌謡成分を考察。

■サウンド考察3:シティ・ポップから見たChar三部作

この数年、盛り上がりを見せているシティ・ポップ・リバイバルの火付け役である音楽ライターの金澤寿和もまた、若かりし頃にCharの洗礼を受けていた。Charのコンピ盤『Light Mellow CHAR』などを手がけた氏が初期三部作を綴る。

■INTERVIEW 1:日本屈指のギター名盤、『Char』の圧倒的バンド感。

ここからは、新作『Fret to Fret』につながる初期三部作『Char』、『Char Ⅱ have a wine』、『THRILL』をChar本人に振り返ってもらおう。まずは本誌『ニッポンの偉大なギター名盤100』(2020年7月号)で見事1位に輝いた1st『Char』から。

■INTERVIEW 2:『Char Ⅱ have a wine』でさらに深まる洒脱なセンス。

続いては、3作の中で最もポップな度合いが強く、シティ・ポップ作品としても名高い2nd『Char Ⅱ have a wine』のお話。ストリングスやホーンも登場するカラフルなサウンド感や、アコースティック・ギター楽曲の登場など、1stとはちょっと風合いの異なる本作。Charはどうとらえているのだろう?

■INTERVIEW 3:多忙なアイドル期に生まれた『THRILL』の音楽的冒険。

原田真二、世良公則と並び"ロック御三家"と呼ばれ、テレビ番組に引っ張りだこのアイドル期にリリースされた『THRILL』。B面でゴダイゴの面々を起用した本作での音楽的冒険はある種、芸能活動に忙殺されたCharのよすがであったのかもしれない。

■INTERVIEW 4:新作『Fret to Fret』と揺るぎない"Char節"。

では最後に、16年ぶりの新作『Fret to Fret』について話を聞く。『TRAD ROCK』シリーズなどで見せたロック・ギタリストの一面ではなく、より洒脱でソウルフルな側面が光る本作の誕生秘話を探ろう。

■『Fret to Fret』のギター・ソロ2選

■特別寄稿:布袋寅泰


■GM SELECTION(※電子版には収録されておりません)
・「1/2の神話」中森明菜
・「長い夜」松山千春


■ジョニ・ミッチェル『Blue』のアコギで感じる秋の訪れ

ジョニ・ミッチェルが1971年にリリースした4thアルバム、『Blue』。みずみずしいジョニのボーカルと、アコースティック・ギター、ダルシマー、ピアノなどの楽器から成り立つシンプルな楽曲が全10曲収録されている。昨年発表されたローリング・ストーン誌が選ぶ"500 Greatest Albums of All Time"では、ビートルズやスティーヴィー・ワンダーなどのそうそうたる名盤を抑え3位にランクイン。今年で発売から50年を迎えるが、その輝きは失われることはなく、音楽史の中で光り続ける重要作品と言えるだろう。今回、この大名盤のアコースティック・ギターに焦点を当ててみた。ジョニのほかにジェイムス・テイラーとスティーヴン・スティルスがギタリストとして参加しており、聴きどころが満載である。ぜひ秋の夜長に、この特集を読みながら『Blue』のギターを聴いてみてほしい。

■ドリアン・スケール徹底強化 アドリブ力向上のためのテーマ別フレーズ集!

今月の奏法企画は、ジャズやブルースのほか、ロックでも汎用性の高い"ドリアン・スケール"。メジャーやマイナー、ペンタを使ったアドリブはできるけど、ドリアンなどのモードには実践的な理解がないという方も多いのでは? そんなギター弾きを代表して新人ニッキーが立ち上がり、伝説のドリアン・トレーナー"Aドリアン"に教えを乞うことに。お洒落に弾きこなすための5つのシチュエーション別メニューやデイリー・エクササイズまで、徹底的に仕込んでくれるぞ。果たしてニッキーは、Aドリアンの鬼トレーニングですべてのラウンドを勝ち抜くことができるのか!?

■フェンダー・プレイヤー・プラス

今秋、フェンダーから未来の音楽を担う次世代プレイヤーに向けた新シリーズが発表された。その名は"Player Plus"。比較的リーズナブルだった全身の"Player"シリーズは、ステイホームで多くの人がギターを始める中、フェンダー・ブランドの製品を気軽に手に取るきっかけとなり、実に40万本以上のセールスを記録したという。その"Player"シリーズを、SNSを活用するデジタル世代プレイヤーに向けてより進化させたのが、この"Player Plus"シリーズというわけだ。"えっ、これがフェンダーなの!?"と叫ばずにはいられないスタイリッシュなカラーリングを施したモデルもラインナップされている。現代のプレイヤーのユニークな発想を刺激るすこと請け合いの本シリーズを紐解いてみよう。

■ゲームチェンジャー・オーディオ

洗練されたデザインとプレイヤーの創造力を刺激する独創的なサウンドで、ブランド創立から数年で世界から注目されるブランドへと成長を遂げたGamechanger Audio。シーンに新たな価値観を提示してみせたユニークな製品はどのように生み出されたのだろうか? 革新性と狂気の知性を併せ持つ気鋭のエフェクター・ブランドの魅力を紐解いていこう。

■American Showster AS-57が体現する古き良きアメリカ

古き良き時代のクラシック・カー=1957年式シボレー・ベルエアに魅せられ、その憧れをギターの上で表現した稀有なギター・ブランドがかつて存在した。その名もアメリカン・ショウスター。AS-57と名付けられた彼らの代表モデルは決して広く知られた存在ではないが、一部に熱狂的なファンが存在するカルト的名器である。本特集ではAS-57を軸に、ロマンと情熱に溢れた彼らの歴史を紹介したい。

■PICK UP
・Fender Daiki Tsuneta Swinger
・トム・モレロ『イーヴィル・エンパイア』1996年

・松本隆が抱く原風景を彩った"風街"に息づくギタリストたち

■連載
・俺のボス/武田信幸(LITE)
・トシ矢嶋のLONDON RHAPSODY
・Galaxy to Galaxy 第0回:P-FUNK三羽ガラス

・横山健の続・Sweet Little Blues
・9mm滝のまたやっちゃいました~世界の滝工房から

■GM FINGER-BOARDS
・新連載! 崎山蒼志の"未知との遭遇"
・マーク・スピアー(クルアンビン)の「此処ではない何処かへ」
・Songster
・古今東西カッティング名手列伝
・まほガニの木材探訪
・ピクトグラムで愛でるギター・パフォーマンスの世界
・Pedal Dig 月報
・ジャキーン!~『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』番外編
・それゆけ!ギタマガ探偵曲

■NEW PRODUCTS REVIEW
FENDER/J MASCIS TELECASTER
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