MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2016年2月号

定価916円 (本体833円+税10%)
発売日2015.12.25
品種雑誌
仕様B5変形判 / 240ページ / 小冊子付き

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内容

“アロルの館”にて独創的な制作手法を語る

■巻頭インタビュー
平沢進

1979年にP-MODELのボーカリスト/ギタリストとしてメジャー・デビューした平沢進。プラスチックス、ヒカシューとともにテクノ御三家として人気を博すが、翌年には作風をダークなものへと切り替え、ファンを置き去りにしつつも、高い次元でサウンドと歌詞との融合が図られた独自の世界を確立する。1989年にはアルバム『時空の水』でソロ・デビュー。“歌えるヴァンゲリス”をテーマに掲げ、電子音とストリングスやブラスを大胆にミックスし、その世界をさらに拡張していく。それが映像制作者の目にとまり、TVアニメ『剣風伝奇ベルセルク』や今敏監督のアニメ映画『パプリカ』『千年女優』などのサウンドトラックを依頼され、そのいずれもが高い評価を得た。その後はソロ活動を継続しつつも、時々にP-MODELの再結成や再構築を行い、近年は渋谷公会堂3デイズや東京ドームシティホール3デイズを成功させるなど、そのライブ動員力には目を見張るものがある。そんな平沢進がソロとしては『現象の花の秘密』以来3年ぶりとなる『ホログラムを登る男』をリリースした。これまでの平沢サウンドのエッセンスを凝縮しつつも完成度が高められ、最高傑作との呼び声も高い。そこで平沢の住まいである“アロルの館”を尋ね、新作の制作法について深く語っていただくことにした。サンレコでのインタビューとしては2006年3月号以来10年ぶり、表紙としては1994年4月号以来20年ぶりとなる平沢進。計15ページをじっくりとご堪能あれ。

■コンテスト連動特集
クリエイター直伝!「リミックス」の技法2016

DAWの発展はリミックスの隆盛にも大いに寄与しており、インターネットでのファイル交換などを通して日々新しい楽曲が生み出されている。今やオリジナル/リミックスの垣根も見えにくくなりつつある状況で、クリエイターたちはどんなアイディアとテクニックをもって「リミックス」を作っているのだろう? 今回の特集を組むにあたり、英語/日本語を巧みに操るラッパーShing02と生楽器を取り入れたジャジーなビートの評価も高いCradle Orchestra のジョイント・アルバム『Zone Of Zen』より「Flowers」のマルチトラック・データを特別に提供いただいた。その素材をMaozon、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、Enaというタイプの異なる3名の気鋭クリエイターに渡し、“おのおのの作家性を最大限発揮する”というテーマでリミックスを依頼。各人の制作過程を詳細に追うことで、リミックスの着想や技法について学んでいく。本誌購入者はこのマルチトラックのデータをダウンロード可能。リミックス・コンテストも開催するので、ぜひ腕をふるっていただきたい。
(ダウンロード期限:2016年1月24日まで)

■特別企画
理論と実践で学ぶ32ビット浮動小数点

近年、制作においてにわかに聞くことが多くなったのが、32ビット浮動小数点(フロート)という用語。実はほとんどのDAWの内部処理は、かなり以前から32ビット浮動小数点で行われており、一部ではその“倍精度”となる64ビット浮動小数点DAWも登場しているほどだ。それが最近になって急にこの用語がピックアップされているのは、各DAWが32ビット浮動小数点フォーマットのオーディオ・ファイルを扱えるようになったことが大きい。しかし、この“32ビット浮動小数点ファイル”は何を意味するのか? 24ビットWAVファイルと何が違うのか? それを正確に理解しているクリエイターは少ないだろう。ここではオーディオ・ファイル・フォーマットとしての32ビット浮動小数点を中心に、この用語が意味するところと、実際の制作における影響を考察していきたいと思う。
※比較試聴音源をダウンロードできます

■付録小冊子(紙版)
「サンレコ・ビギナーズ2016」

“これからパソコンを使って音楽制作やレコーディングを始めてみたい”というビギナーに向けた機材購入ガイド。計132Pのボリュームで、音楽制作に不可欠なDAWソフトの徹底紹介をはじめ、オーディオI/O、MIDIコントローラー、マイク、スピーカー、ヘッドフォンなどの豊富なカタログを掲載。

■PRODUCTION REPORT
キース・リチャーズ『クロスアイド・ハート』

1962年、ロンドンで結成されたザ・ローリング・ストーンズ。そのギタリストであるキース・リチャーズは、ストーンズで半世紀以上も活躍を続け、1988年にはソロ・アルバム『トーク・イズ・チープ』を発表した。以降は、ソロでの活動も行っており、ストーンズでの活動の合間を縫って、2015年、実に23年ぶりとなる三作目『クロスアイド・ハート』を完成させた。今作は旧友であり、アルバムの共同プロデューサー/共同作曲者であり、さらにドラマーも務めたスティーブ・ジョーダンをはじめ多くのミュージシャンが参加。エンジニアはグラミー受賞歴もあるデイブ・オドネルが担当した。ここでは、オドネルの証言から、本作がどのような道程を経て完成したのか、ひもといていきたいと思う。

■イベント・レポート
Inter BEE 2015

毎年恒例の国際放送機器展、Inter BEEが幕張メッセで開催された。本誌に関係するプロ・オーディオ部門では、前年に50回開催を記念して行われたイベント「INTER BEE EXPERIENCE」の人気企画ラインアレイ・スピーカー試聴会を本年も開催。13ブランドのアレイ・スピーカーをじっくりと試聴できる機会とあって、大勢の入場者が特設会場へと足を運んだ。それに伴い、ブース展示もPA関連の強化が目覚ましく、大きなにぎわいを見せていた。誌面では注目の新製品を中心にレポートしていく。

■behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち
和田貴史

映画やドラマ、CM、アニメなど、映像作品を音で彩る作曲家の音楽人生に迫る本連載。今回登場いただくのは、和田貴史氏。音楽家を本格的に意識したのは高校生になってからという氏は、音楽専門学校へ進学。そこで作曲家の栗山和樹氏と出会い、その後アシスタントとしてさまざまな現場を経験し、自身が作曲を手掛けるようにもなった。これまでに、NHKスペシャル『巨大災害』やTVドラマ、『タンブリング』『天使のわけまえ』のほかアニメ、ゲームなどを担当。現在は自身のプライベート・スタジオを拠点に創作活動を行っている。早速、和田氏の音楽歴について話を聞いていこう。

■SPECIAL
レイ・ハラカミのサウンドをたどる

ROLAND SC-88Proを駆使し、独自の柔らかなエレクトロニック・ミュージックを奏でた希代の音楽家=レイ・ハラカミ。2015年12月に、彼が残した4枚のオリジナル・アルバム(『unrest』『opa*q』『red curb』『lust』)と企画盤(『trace of red curb』『わすれもの』『暗やみの色』『天然コケッコー完全盤』)を合わせた計8作品がリリースされる運びとなった。本稿では再発を手掛けたringsレーベルの主宰であり、故人とも親交のあった原雅明氏がレイ・ハラカミ・サウンドの変遷を追う。2007年の本誌特集登場時の機材セットアップ写真も掲載。

■PEOPLE
◎DE DE MOUSE
◎TeddyLoid
◎秦 基博
◎クラップ!クラップ!

■コンサート見聞録
sukekiyo@東京国際フォーラム ホールC

■Beat Makers Laboratory:Lmrプロ

■REPORT
◎映画『Denki Groove The Movie?~石野卓球とピエール瀧』の見どころをピックアップ!
◎BOSE RoomMatch導入レポート
◎開発者&ユーザーが語るBOSE F1 Systems
◎プロの現場に耐えるフィールド・レコーダーZOOM F8 葛西敏彦
◎マルチマイクのドラム録りでチェック! TASCAM Celesonic US-20×20
◎音のプロが使い始めたECLIPSE TDシリーズ TAKUYA
◎AVID Venue│S6Lプレビュー
◎製品開発ストーリー AUDIONAMIX
◎テン年代☆インディー白書 In the blue shirt
◎ライブ・スペース訪問 CIRCUS Tokyo

■NEW PRODUCTS
◎STEINBERG Cubase Pro 8.5
◎PRESONUS Studio 192
◎STEINBERG UR22MK2
◎IK MULTIMEDIA IRig Pro Duo
◎SPITFIRE AUDIO Albion One
◎EVE AUDIO SC203
◎SEIDE EC-ME
◎YAMAHA HPH-MT7
◎RETRO 2A3
◎SOUNDCRAFT SI Impact
◎BEHRINGER X Air XR18

■LIBRARY
◎SAMPLE MAGIC FESTIVAL ANTHEMS
◎BIG FISH AUDIO RETRO R&B

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase Pro 8
◎IMAGE-LINE FL Studio 12
◎ABLETON Live 9
◎APPLE Logic Pro X
◎AVID Pro Tools
◎TASCAM PROFESSIONAL SOFTWARE Sonar Platinum
◎PRESONUS Studio One

■COLUMN
◎AZUMA HITOMIのつまみをめぐる大冒険
◎音楽クリエイターのためのイメージ・トレーニング! 中脇雅裕
◎サンプル大学グルー部ビートメイ科 SUI
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎Berlin Calling 浅沼優子
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎音楽と録音の歴史ものがたり 高橋健太郎
私の手放せない一品~JimanicaのROLAND SPD-20

■SOUND & RECORDING REVIEW
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