MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2011年11月号

定価1,026円 (本体933円+税10%)
発売日2011.10.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 264ページ / 小冊子付き

この商品は現在、在庫切れとなっております。

内容

マシュー・ハーバート~マッド・サイエンティストがライブで披露した豚の一生を音で追う新作『ワン・ピッグ』!

■巻頭インタビュー
マシュー・ハーバート
マッド・サイエンティストがライブで披露した
豚の一生を音で追う新作『ワン・ピッグ』!
BBCの録音技師を父に持つ、英国電子音楽の鬼才=マシュー・ハーバート。1995年のデビュー以降、さまざまな名義を使い分けミニマル・ハウスからミュージック・コンクレート、政治色の強いポップ・ソングまでありとあらゆるタイプのエレクトロニック・ミュージックをリリースしてきた。そんな彼が、本人名義で2010年より開始したのが、“ONE TRILOGY”シリーズ。1人でギターを弾き語った衝撃の『ワン・ワン』に始まり、オーディエンスと過ごしたクラブでの一夜の記録『ワン・クラブ』とリリースを重ね、そして今回リリースされたのが、ある豚の一生を追った『ワン・ピッグ』。豚が誕生し、生き、食肉処理されて食される過程がビビッドにフィールド・レコーディングされ、オーディオ・エディットや電子音と組み合わせられることで、ある種のメランコリーすら感じさせる印象深いアルバムとなっている。そしてこの9月にアルバムを再現する来日公演『Matthew Herbert's ONE PIG』を敢行。豚舎を模した電子楽器“豚小屋ハープ”や、ベーコンを調理するシェフまでが登場するシアトリカルでユニークなステージを披露した。歩みを止めない希代のマッド・サイエンティストにスポットを当て、『ワン・ピッグ』制作のアイディアなどについて聞いた。

■特集
ベース・パートに悩むすべてのクリエイターに贈る!
歴代の名フレーズをモノにするための「エレキ・ベース50年史」
ベースとはリズムの要であり、かつメロディの補佐役となる地味な存在である。だがベース・フレーズのある音1音の長さを変えるだけで、その楽曲は最高にカッコ良くもなれば、その逆にもなり得る。それほどに楽曲全体を左右するくらいにベースは奥深いもの。そのため苦手意識を持つクリエーターも多いと思う。そこで今回は過去のベース名演を研究してモノにすべく、過去50年にわたるベース・フレーズの変遷を“エレキベースの視点”で追ってみたい。各年代とジャンルで分けたエレキベースの名演をDAWで再現するための打ち込みテクニックと合わせて、ベース専用音源であるSPECTRASONICS Trilianを用いたサウンド再現法も伝授。楽曲のキモとなる“ベースの本質=グルーブ”を理解すべく、エレキベースの奥深い世界をひもといていく。

■特別企画
Vocaloid3で“ボカロ”再入門
ボカロ=VocaloidはYAMAHAが開発した歌声合成ソフトで、ライブラリーと呼ばれる人間の声をサンプリングした素材を自由に歌わせることができるものだ。自分のコンピューターの中に常にボーカリストを待機させている状態とも言え、使い方は仮歌としてというものから、ライブラリーのキャラクターに魅せられ、その声で歌わせたいというものまでさまざま。後者の使い方の代表とも言えるのが“ボカロP”と呼ばれる存在で、彼らはVocaloidを徹底的に使いこなし、動画投稿サイトであるニコニコ動画などで発表したり、メジャー/インディー問わずCDをリリースしているケースも少なくない。このVocaloidの最新バージョンであるVocaloid3が10月21日にリリースされる。本企画では、Vocaloidの開発者であるYAMAHAの剣持秀紀氏へのインタビューをはじめ、ボカロの使い手として知られる小林オニキスによるVocaloid3レクチャー、さらに人気ボカロPがどのようにVocaloidを使っているかをインタビューすることで、“ボカロ”への理解をあらためて深めていくものとする。

■Cross Talk サイトウケンスケ × 林田涼太
APOGEE Duet 2とRME Babyfaceがいざなう
コンパクト・オーディオI/O新時代
“バンドで一発録りでもしない限り、多入出力のオーディオ・インターフェースは不要”というムードがプライベート・スタジオで作業するアーティスト/エンジニアの間で支配的になりつつある昨今。小型でありながら上位機種と同等のパーツや機能を搭載した“小粒でピリリと辛い”インターフェースが登場してきている。中でも注目は、USB2.0対応やSoft Limitの搭載など数多くのリファインが施されたAPOGEE Duet 2。相対するは高性能DACとしてオーディオ・ファンからも熱い視線を浴びているRME Babyfaceだ。アメリカとヨーロッパを代表するオーディオ機器メーカーが送り出す両機を、ビンテージ・シンセや音質へのこだわりで知られる9dwのサイトウケンスケと林田涼太の両氏に、ADコンバーターからヘッドフォン・アウトに至るまで徹底的に比較テストしてもらった。

≪登場機種≫
◎APOGEE Duet 2
◎RME Babyface

■プロデューサー・インタビュー
◎アークティック・モンキーズ
1990年代のオアシス・ブームが一段落し、混沌としていた2000年代のUKシーンに突如現れたアークティック・モンキーズ。2006年の1st『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』は性急なリズム・セクションとソリッドなギター・サウンドで“踊れるロック”を提示し、本国UKを中心に大ブレイク。ポストパンク・リバイバルの旗手となり、2nd『フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー』(2007年)、3rd『ハムバグ』(2009年)とリリースを重ね、ついに今年6月には待望の新作『サック・イット・アンド・シー』をリリースした。そんな彼らにとって、不可欠な存在として真っ先に名前が挙がるのがプロデューサーのジェイムス・フォードだ。2ndから彼らを支えてきたフォードは、売れっ子プロデューサーとしてだけでなく、自らもシミアン・モバイル・ディスコとして活動するなどミュージシャンシップにあふれた人物。そのジェイムス・フォードへのインタビューを通じて、アークティック・モンキーズの新作レコーディングを振り返っていく。

◎フリート・フォクシーズ
1stアルバム『フリート・フォクシーズ』の大ヒット受け、若くしてビッグ・アーティストの貫禄すら漂わせるアメリカの6人組、フリート・フォクシーズ。生き生きとした弦楽器のアンサンブルをバックに、フロントマン=ロビン・ペックノールドのウェットなボーカルと重厚なコーラスを洪水のように重ねるそのサウンドは、幻想的な音響空間を形成。そんな彼らの魅力は、2ndアルバム『ヘルプレスネス・ブルーズ』でも踏襲。ナイーブで深みのある彼らの特徴は継承されながら、音楽性はより研ぎ澄まされ、オーガニックなフィーリングを聴き手に伝える作品となっている。来年初頭には東名阪を巡る初来日のツアーも決定するなど、日本での注目度も上々な彼らだが、彼らのデビューのきっかけを作り、以降共同プロデューサー&エンジニアとして携わっているフィル・イークに『ヘルプレスネス・ブルーズ』に制作について尋ねたところ、それは難航を極めたと明かしてくれた。今回は、そのイークの口から合計5つのスタジオを使用してレコーディングされたという『ヘルプネスレス・ブルーズ』制作の工程を追っていった。

◎ポール・サイモン
1960年代に一世を風靡(ふうび)し、今も多くの人々から愛されるフォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクル。このデュオの1人、ポール・サイモンは今年で70歳という高齢ながら、現役で活動を続けるシンガー・ソングライターだ。去る9月11日にニューヨークのグラウンド・ゼロで行われた世界同時多発テロの10周年追悼式典では、サイモン&ガーファンクル時代の名曲「サウンド・オブ・サイレンス」を弾き語り、多くの聴衆の心をとらえた。彼は同曲のようなアコースティック作品のほか、ロックや黒人音楽、ワールド・ミュージックなど、幅広い要素を取り入れた楽曲を作り続けている。この春に発表された『ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット』も、こういった彼の志向が反映されたアルバムだが、半世紀にも及ぶキャリアの中で、初めてプライベート・スタジオで制作を敢行。プロデュースを務めたフィル・ラモーンとエンジニアのアンディ・スミスに、その制作過程を聞いた。

■ミックス解剖学
レニー・クラヴィッツ「スタンド」
by トム・エドモンズ
海外のトップ・エンジニアに自身の手掛けたヒット曲のミックスの手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのは1970年代からエンジニアとして活躍するトム・エドモンズ。トッド・ラングレンのローディやアシスタント・エンジニアを経て自らのキャリアを切り開いてきたエドモンズは、ディスコ一辺倒だった80'sサウンドに辟易(へきえき)し、1987年に一度音楽業界を去っている。しかし、知人の紹介で1989年にレニー・クラヴィッツのツアーPAを務めたことを機にカムバック。それ以来、今日までクラヴィッツの音源制作に携わってきた。今回はニュー・アルバム『ブラック・アンド・ホワイト・アメリカ』のレコーディングとミックスについてインタビューを敢行。豊富な経験に裏付けされるシンプルなテクニックと含蓄あふれる音作りの姿勢を語ってもらった。

■Beat Makers Laboratory
トキモンスタ

■people
◎THE BEATNIKS
◎プラッド
◎サカナクション
◎スキマスイッチ
◎沖仁

■report
◎Premium Studio Live Vol.5「青葉市子+内橋和久」開催決定!
◎スタジオ・レポート:ジャングル・シティ
◎製品開発ストーリー:BOSE Room Match / Power Match
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins
◎SYM・PROCEED SP-PZシリーズ登場!
◎コンサート見聞録:黒川良一@WWW
◎日々進化していくYAMAHAのデジタルPAミキサー環境~第3回LS9+Nuendoでライブをマルチ録音!@7th Floor
◎ライブ・スペース・レポート:Bee Hive

■new products
◎APOGEE Symphony I/O
◎AVID Sibelius 7
◎BEST SERVICE Synth-Werk
◎SONIC CHARGE Synplant
◎IZOTOPE The T-Pain Effect
◎VERMONA Kick Lancet
◎ICON Cube 4 Nano
◎M-AUDIO BX8 D2
◎JR SOUND HA 202D
◎NOVATION Twitch
◎JBL PROFESSIONAL Eon 515XT

■LIBRARY
◎MONSTER SOUNDS NEW YORK RAP ACAPELLAS VOL.1
◎MUTEKKI audioboutique electric elements 2.0

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 6
◎ABLETON Live 8
◎AVID Pro Tools 9
◎CAKEWALK Sonar X1

■seminars
◎ヒップホップ ビート・メイク道場/SUI
◎サンレコ打ち込み手帖/木本ヤスオ
◎カンガルー・ポーの『マイク1年生』/中村公輔
◎Q&A

■column
◎Independent Cities
◎THE CHOICE IS YOURS/原雅明
◎素晴らしきビンテージの世界/三好敏彦
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ/戸田誠司
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎私の手放せない一品~NAOKIのMUSIKELECTRONIC GEITHAIN RL901K

■sound&recording review
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