リットーミュージック

今、音楽で稼ぐ方法

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もう2年くらいすると、いくつかの成功例が出て来るんじゃないかな。 それまでは、みんなで トライ&エラー(笑)、そしてシェア。 だから、キーワードは“愛と連帯”です。 

永田純

音楽エージェント/プロデューサー

30年以上にわたって、音楽エージェント/プロデューサーとして活躍してきた永田純氏。その著書『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』は、自分の足で立って活動していこうというすべてのミュージシャン必読の内容です。

※このインタビューは2012年12月に行われました。

業界じゃなくシーン

●『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』は、「ミュージシャンにとって、ついに黄金の時代が訪れています」や、「今こそが音楽の新しいスタート・ライン」など、明るく前向きな言葉で始まります。これにより勇気づけられる音楽関係者は多いと思います。なぜ今が黄金時代なのか、ここで改めてご説明いただけますか。

◯細かい状況分析から入ると、コンピューターや ITが発達したからどうとか、なんでCDが売れなくなってきたのかとか、そういう話になってしまうんですけど……。でもそうではなくて、音楽が本当に好きな連中が、音楽が好きだということだけが動機となって、ちゃんと音楽を続けられる状況になってきた。そして、同じく音楽好きなリスナーと直接つながることができる状況になってきた。それが一番重要だし、核心だと思っています。この20年間くらいは、音楽を継続していこうと思ったら、業界の中に幾つかの活動形式のパターンみたいなものがあって、それに自分を合わせていく必要があった。でもいまは、自分のライフスタイル、人生観、音楽観に合わせていろいろなやり方を選べるようになってきています。最近、僕の周りでよく言われているのは“業界じゃなくシーン”ということで、業界が音楽を作っていた時代から、もう一度、音楽そのものから始めようということ。もちろん、業界が作る音楽はあり続けるでしょうが、それ以外の道に可能性が開けてきたということですね。

●日本の音楽産業が経済的に隆盛を極めた時代を知っている人であれば、今を悲観してもおかしくないと思うのですが、永田さんが前向きで居られるのはなぜでしょうか?

◯今回のテーマである“今、音楽で稼ぐ方法”とからめて言うと、実際、このあと2年くらいは音楽でメシを食っていくのは大変だと思います。それは、CDが売れないっていう話とも当然リンクはしてくるんですけど……。でもやっぱり、1997?98年のCD売上の絶頂期……あえてバブル期と言いますけど(笑)、そういう時代があって、本来音楽に必要とされる以上に業界が大きくなってしまったという面もあると思うんです。だからあれは、「変に大きい時代があっただけでしょ」っていうことですけど(笑)。そう考えれば、数字的にはいま1979年の規模に戻ったと言われていますが、これは象徴的です。というのは、音楽産業が資本主義の世の中である健全なバランスを保っていたのは、それくらいの時期までじゃないかなと僕は考えていますから。1980年代からは、どっちかと言うと“資本を再生産して大きくしていく”という論理が支配的になって、ひたすらその中で動いていくということが20年近く行なわれていた。分析しているわけじゃないけど(笑)、皮膚感覚としてはそういう感じなんです。

●70年代的な、等身大の感覚にいま戻りつつあるわけですね。

◯そう思います。それに関連して言うと、僕自身は業界にいるようないないようなっていう感覚がずっとあって。少なくとも、レコード産業のメインストリームにはいなかったなっていう微妙な感覚を持っています。音楽が好きで、70年代に10代の半ばで下北沢にいた、動機やマインドとしては、今もその延長なんですよね。音楽好きの小僧で、尊敬できるミュージシャンのために何ができるのか。最近は多少大人になっているから言い方を変えると(笑)、“クライアントのために何ができるか”っていう話ですけどね。

音楽を作るのは個人

●本書では“ミュージシャンのマネージメントをする方法”ではなく、“ミュージシャンが自分自身のマネージメントをする方法”がテーマとなっているのが、ユニークだと思います。ミュージシャンがセルフマネージメントを行なうことの重要性については、いつ頃から意識していたのでしょうか。

◯本の構想は、1990年代の半ばから持っていました。同時に、MCA(一般社団法人ミュージック・クリエイターズ・エージェント)の構想もぼんやりありました。年齢的には40歳になる少し前で、ある程度いろいろなことが見えてきて、「もっとこれを普遍化できないかな」と考えていたんですね。

●MCAはマネージメント機能を公共サービス的に提供する組織で、書籍の発売と同時期に一般社団法人として立ち上げられました。

◯もう20数年、個人会社としては有限会社スタマックという会社があって、こちらでは縁があったクライアントの方々と仕事をしています。一方のMCAは、いわばそれのクリエイティブ・コモンズ版で、僕が見てきたモノの見方とかテクニックを公共の器になるまで昇華させて、だれにでも使ってもらえるようにできたら良いな、ということで構想しました。「みんなで使ってね」っていうね。だから本の内容も、MCAとはかなりリンクしています。でもそう考えると、一方のスタマックは、マネージャーとしての永田の“作品”ということかもしれないですね。

で、話をミュージシャンのセルフマネージメントに戻すと、実はさっき言ったのとは別の流れもあって。70年代にラジオの洗礼を受けてロックを聴きだした世代なので、“音楽を作るのは個人だろう”という前提が身に染み付いているんです。「Don't Trust Over 30」「ネクタイしている奴は信じるな」とか、そういうことが言われていた時代ですからね。それで今でも引っかかる言葉があるんですけど、皆さん“所属”という言葉をよく使いますよね? でも、ミュージシャンが事務所に“所属”なんてするわけないだろう、と。マネージメントは、本来はミュージシャンを“代理”して、"補完"するものですから。そういう意味で僕は、いまだに組織から何かが始まるという考えに立っていないということなんです(笑)。

●でも、大きな事務所に入るのが安心だし成功の秘訣と思っているミュージシャンは多いでしょうね。きちんと月給も出て、生活も安定するでしょうし。

◯よく言う笑い話があるんですけど、バンドが売れなくなってきた時に、日本の場合はミュージシャンがいつ給料を止められるかビビリはじめる。でも欧米の場合は逆で、いつ首を切られるかとびくびくし始めるのは、マネージャーだっていう。これは、根本的なベクトルが逆になっているということなんですよね。むこうの場合はまずミュージシャンが個人事業主として立っていて、自分の活動に必要なプロフェッショナルを雇う、必要なサービスを受ける。一方で日本の場合はどうしても、事務所がミュージシャンに月給を払うような形になっている。じゃあ欧米のやり方は良いことばっかりなのかと言えば、そうじゃないこともあります。例えば売れていない時期にどうやって育成するのかを考えると、日本方式にも利点はあるんです。ただその場合でも、全体のお金がどうなっていて、どれくらいマネージメントに助けてもらっているのかが分からないと、意味は無いでしょうね。そうじゃないと、フェアな関係を築けない。そういう“全体”を示すというのも、今回の本の一番大きな大きなテーマになっています。

●タイトルからして“全部自分でやれ!”と奨励しているように思われてしまうかもしれませんが、決してそうではない。

◯DO IT YOURSELFのススメというわけではないんです。むしろ、まずはトータルのピクチャーを1回示すところから始めたかった。これは、いちミュージシャンにとってのトータルですね。どうしても日常の話は、どうやったら自分の曲を売れるかとか、Twitter をどう使ったら良いかとか細かいことになってしまいがちですけど、まずは全体をとらえることで、1つ1つのルーティンワークがどういう意味を持っているのかも分かってきます。

●いちミュージシャンにとってのトータルというのが、本書の第2章およびカバーの裏表紙に掲載されている表なんですよね。

▼マネージメントの仕事一覧(クリックで拡大できます)

マネージメントの仕事一覧

◯そうです。あの表には2つの見方があって、まずはミュージシャンが自分自身をどう見るか。自分自身の現状だったり、これからしていくべき仕事だったりを考える際の1つの基準になったら良いな、と。つまりは、自分の“中”を見るということですね。そして2つ目は、ミュージシャンが外の社会と自分の関係を作っていく際の拠り所にもなると考えています。自分の“外”との関係において、「目の前のこの人には、自分は何を託しているんだろう?」とか「このミーティングは、自分にとってどういう意味を持っているのか?」とか、そういうチェックリスト的な意味合いですね。

そういった前提の上で、あの表は大きくパーソナル・マネージメントとプロジェクト・マネージメントの2つの部分から成り立っています。パーソナル・マネージメントは、まず、世の中に自分を自分として存在させるところですね。そもそも自分自身をどういうミュージシャンとして示していくかという“アイデンティティ”と、最低限の連絡事項やお金にかかわることはできるようにしようっていうことで、“デスク”業務。そして、それを広げて完成させていくためにプロジェクト・マネージメントがあって、これは“作る”“売る”“守る”の3つに分けられます。この表を1つの物差しにして、“いま自分が何をできていないか”“何を人に委ねるべきか”といったことの判断に使ってもらえたらうれしいですね。

あと強調しておきたいのは、あの表は左から右に見てほしいということ。右から見ると“TO DOリスト”としてとらえられちゃうかもしれないのですが、そうではなく、考え方の枠組み、ものの見方みたいなものなんです。だから、いま現在は右の枠には書いていない何かが登場しても、左から右に見ていればあわてないで済むはずです。

Good Business Is The Best Art

●今回の企画の共通テーマは“今、音楽で稼ぐ方法”なのですが、本書でモデルケースとして紹介されているバンバンバザールは、自分たちで会社を作り音楽活動と堅実な運営を両立させている素晴らしいお手本かと思います。バンバンバザールの優れた点について、特にビジネスやマネージメントの観点から、ここで改めて語っていただけますか。

◯彼らが素晴らしいのは、60年代や70年代のロックスピリットに大きな影響を受けて続けていて、そこから自然に今の形に辿り着いているところですね。つまり1つは自分の責任範疇で、自分たちでできることだけをやって、継続している。もう1つは、リスナーとの関係が良い意味で対等なんです。大事なのはそこに音楽があることで、その中で音を発している人間も音を聴いている人間も対等なんだっていう感じ。これは実は、そのままグレートフルデッドなんかと一緒なんですよね。

●とても等身大な感じですよね。

◯自分たちでできないような仕事の規模にはしない。音楽から決して離れない。そこを基準にしているのがすごいですね。普通のやり方をしていけば、30人だったお客さんが100人になり、200人になったら、次は500人を目指すっていうことになるんですけど、彼らはペースを崩さないで、100人なら100人の規模でずっとやっている。資本の論理で見たら機会損失なんじゃないかって話になりますが、そこから先に大きくしていくためには、何をしなければいけないか、そのために失うものが何かを彼らは知っているんでしょうね。今の形ならば、音楽のことだけを考えて続けていける。大きくしていくためには、例えば広告代理店の人間とミーティングをするなど、音楽と離れたことに時間と労力を使う必要がありますからね。全体像を見た上で、自分たちに合った取捨選択をしているわけです。どんな音楽を好きで、その音楽のもとにどういう生き方をしていきたいか、それが表れている活動形態ですから、素晴らしいと思います。ずいぶん前に、アンディ・ウォーホルが“Good Business Is The Best Art”と言っていますが、同じようなことを、2012年4月に自身の会社を設立したRie fu(りえ・ふぅ)さんも言っていましたね。

Musicman-NETでのインタビュー記事ですね。Rie fuさんは、『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』を、まさにバイブルとして活用して会社を設立されたそうですね。

◯うれしいですよね。生きててよかった、と思いました(笑)。彼女はインタビューで「ビジネスも大きく見たらアートだと思いますね。ビジネスに関わることは、自分の制作の邪魔にはなっていないですし、むしろ相乗効果が生まれているかな」と語っています。ビジネスという言葉は、どんどん再生産して大きくしていくようなイメージで語られることが多いので誤解されがちですけど、ここで彼女が言っているビジネスは“お金とアートとの健全な関係を成立させる”という意味です。同じく彼女は「本当の意味での次世代ミュージシャンは原点回帰というか、ちゃんと自分の足で立って、歌の届き方を自分で選択して、いろんな人とつながり、お金の管理も自分で把握してやっていくことだと思うんです」と言っていて、これはまさにバンバンバザールと同じ。ちゃんと自分の足で立つのが原則ですけど、その上で歌の届け方を自分で選択して、しかもいろんな人とつながって、さらにはお金の管理も自分で把握してやっていく。これは、把握してやっていくことが大事なのであって、必ずしも請求書を1枚1枚自分で書かなくても良いわけです。

●本で紹介されていた実例としては、CMや映画、WEBなどの音楽を制作する、いわゆるクライアント・ワークに特化した作家集団のマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツのあり方も、興味深かったですね。

◯バンドやアーティスト中心の構図で見逃しがちなのが、自己表現だけが音楽ではないということです。だから、そうじゃないところで音楽が必要とされていて、そこにもお金が回っていて、プロの職人がいるということを示すだけでも意味があったかなと思っています。その上で彼らが面白かったのは、寄り合い感ですね。組織としてのマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツと、1人ひとりのクリエイターとのつながり方。お金の流れがガラス張りで、他人のギャランティも見ようと思えば見ることができるとか、そういうところですね。あと、ちゃんと NHKの近くに事務所があったりして普通に音楽業界っぽいんだけど、それは狸の皮で(笑)、実はみんなDJ とかやってるし、音楽好きの人たちがシーンを作る根城になっているんだと思いました。よくある作家の事務所みたいに、ただポートフォリオをそろえているようなところとは全然違う。でも、あそこの化けの皮はなかなかはがれないでしょうね(笑)。

キーワードは“愛と連帯”

●では、音楽で稼ぐ方法を模索しているミュージシャンがここにいたとして、永田さんならどのようなアドバイスを与えますか?

◯「自分がなぜ音楽が好きで、なぜ音楽をやりたいと思っているのかをもう一度考えてみようよ」ということ、それに尽きるかな。そして、そこから答えは出てくるでしょう。ちなみに、本の執筆時(2011年夏)は大きく環境が変化しているまっただ中で、まだみんなでもがくしかなかった感じがありました。しかし2012年も終わろうとしているいま、少なくともこっちの方向にこういう出口があるというのは、うっすら見えてきているように思います。ここにお金が生まれてくるだろうとか、ミュージシャンとしてはこういう活動があり得るとか、ここに注力すべきだとか、そういうことですね。僕の皮膚感覚で言うと、年が明けて夏くらいまでにはいろんな要素がもっと分かりやすく出てきて、それをもとに、これから2?3年くらいの内に幾つかのモデルケースが出てくるような気がしています。逆に言えば、この2?3年はひたすらみんなで頑張って、トライ&エラーだっていうことですけど(笑)。でもそこに現れるのは、いまある業界が形を変えて再構築されたものではないでしょうね。いまとは異なるルールができていくし、そのルールも“これに乗ってれば安心”みたいな方程式ではないと思います。その代わり、人の数だけ解決法、選択法がある。そういう中で、音楽オリエンテッドな感じで成立する方向性が出てくるだろうなと考えています。ビジネスオリエンテッドではなくてね。いまはそういう時期ですから、「まずはくじけず頑張ろう」っていうのが1つと、あとは、安直な解決策を求めないことが大事かな。そんなものはありませんから。

●MCAでは“なんでも相談室”として、無料の相談窓口を設けていますよね。当然、そこを頼るのもありですよね?

◯お役に立てるなら、大歓迎です。MCAでは1人ひとりのミュージシャンに対してパブリックサービスとしてマネージメントの機能を提供していこうというのが目的で、入口として “なんでも相談室”を設けています。まずは一緒にお話することで、ビジョンを共有して楽になって帰ってくださる方も多いのです。

●いろいろ分からないでもがいているミュージシャンは、たくさんいるということですね。

◯“なんでも相談室”ではこの1年で100名以上の方々を迎えてきましたが、拠り所の無い人がこんなにいたのかと驚いています。でも、相談することで拠り所の無さが少し解消されるという人は多いですね。で、その後も、ライブが決まれば知らせてくださったり、CDができれば送ってくださったりする。そういう関係ができるのはうれしいですね。あとは、やるべきことがもう少し具体的になってくれば、それに沿ったサービスも提供しています。その場合は無料ではなく、ちょっとしたチャージをいただきますが、例えば自主制作音源の制作、CDプレス、プレスリリースの作成や送信、契約書のレビュー、ギャランティの受け取りと分配の代行など、既にさまざまな事例があります。

●ギャランティの受け取りと分配の代行というのは、どういうものですか?

◯例えばバンドで、個人会社もマネージメントも無い場合、バンド・メンバーのだれかが個人名で請求書を書いて分配までしないといけないわけです。でも、それは結構手間もかかるし、源泉税もひとりで背負うことになり、メンバー間の不平等感を醸成したりもする。だれかの口座に、一時的ではあれ多くのお金があるわけですからね(笑)。それをMCAがお受けして、必要な各々への支払いまで、すべてを代行するサービスです。

●確かに金額が多くなると、ちょっと怖いですね。

◯MCAは、そうやってミュージシャンの活動をサポートすることが第一義ですけど、裏テーマとしては、フリーランスのスタッフや志のあるスタッフがつながる場になれるといいなとも思っています。2年目に入るので、そういう連携に関してももっと活発化していきたいと考えています。そういう流れの中で最近自覚してきたのは、音楽を大事にしている人が、ゆるやかに連携していく流れの中心にMCAがなれば良いなということ。ミュージシャンかスタッフかも関係無く、音楽を好きな連中が集まることでシーンが生まれて、そのシーンから新しい音楽のあり方が生まれてくるのではないか。そういうことを考えています。

トーク&ライブ・イベントのYOAKEは、まさにそういう試みでした。また、永田さんご自身がさまざまなセミナーでお話しされているので、そういう場からも新しい気運が盛り上がってくるのではないでしょうか?

◯2013年の1?3月はオトトイの学校で“どんべい先生の音楽業界塾”TOKYO BOOT UPでは新東京大楽、沖縄のミュージックスでのキュレーションなどがありますし、4月からは京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の授業も始まります。それぞれテーマも違うので、とても楽しみですね。そもそも、僕自身は人前で話すようなことに適性があるとは考えてきませんでしたし、むしろ避け続けてきたところもありますが、あの本が縁になって、急激にいろいろなことが開けてきた感じです。いまは役割を与えられ、導かれている流れに逆らわず、もがきながら学んでいるところです(笑)。

●新たなシーンの誕生を楽しみにしています。

◯やっぱり、音楽とかかわり続ける必然的な動機を持った人たちが、自分の足で立って、連携していく。そこからすべてが始まるんだと思います。それを思うと、僕の最近のキーワードは“愛と連帯”だったりする(笑)。それこそ70年代に流行った言葉ですが、そのキーワードでバンバンバザールやマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツの活動を見れば、形が違うだけで、“いま”の愛と連帯なんですよね。そう考えると、音楽業界の規模が70年代に戻ったという冒頭の話は、やはり象徴的だなと思います。

●どうもありがとうございました。

このインタビューの内容に興味を持った方は、永田純氏のノウハウが満載された書籍『次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル』もぜひご覧ください。

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル

次世代ミュージシャンのためのセルフマネージメント・バイブル

  • 著者:永田純
  • 仕様:A5判/192ページ
  • 発売日:2011.12.20

永田純

永田純 プロフィール

音楽エージェント/プロデューサー。1958年東京生まれ。70年代中頃よりコンサート制作等にかかわり、79-80年、YMO のワールド・ツアーに同行。84年坂本龍一アシスタント・マネージャーを経て、85年以降、矢野顕子、たま、大貫妙子、マイア・バルー、金子飛鳥、レ・ロマネスクらをマネージメント、細野晴臣、友部正人、三宅純、テイ・トウワ、野宮真貴、マルセル・マルソーらを代理した。プロデューサーとしては 東京メトロ、六本木ヒルズ、東急文化村、J-WAVE、世田谷文化財団等の主催公演、NHK「みんなのうた」、セサミストリート日本版テーマ・ソング、スタジオジブリ「ホーホケキョ となりの山田くん」サウンドトラック等にかかわる。また、オーディオ代理店、シュタイナー教育関連コーディネイト、音楽出版等を手がけ、本年秋に設立された”独り立ちするミュージシャンのためのエージェント”一般社団法人ミュージック・クリエイターズ・エージェント代表理事を務める。有限会社スタマック代表。

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