リットーミュージック

B面

7. Here Comes The Sun
Glee Cast Featuring Demi Lovato

本書のランキング 2位

 『Glee』は、架空の高校のグリークラブが舞台の米国のテレビドラマ・シリーズ。サウンドトラックが3作品連続で全米アルバム・チャートの1位を獲得。「Here Comes The Sun」はデミ・ロヴァートが歌っている。声質もテクニックも抜群で声が出た瞬間に惹きつけられてしまう。デミは1992年生まれの女優、歌手、アイドル。10歳の時、テレビ『Barney&Friends』でデビュー。2008年にテレビ『Camp Rock』のヒロイン役で大ブレイクする。9月の1stアルバムはビルボード初登場第2位、2009年の2ndアルバムは初登場1位のヒットとなった。

8. Because
Rock 4

本書のランキング 3位

 アカペラ・グループ、ロック4によるカバー。「Because」はグループが一番得意とするジャンルなので、全員ダブル・トラッキングの厚いハーモニーで歌い始める。そのままビートルズのカラオケなしバージョンになってしまうのかと思って聴いていると、2番からソロのリード・ボーカルとベース、キーボード、ボイス・パーカッションに分かれる。どうすれば美しい仕上がりになるか、盛り上がるかなどを周到に考えて、メロディ・パートの 3声のハーモニーとバックの楽器パートを実に見事に歌い分けている。

9. You Never Give Me Your Money
Glenn Tilbrook With Nine Below Zero

本書のランキング 1位

 グレン・ティルブルックは1957年、イギリス生まれのスクイーズのメンバーで、ナイン・ビロウ・ゼロは、イギリスで1980年から1982年の間に最も人気があったブルース・バンド。ボーカルとギターはデニス・グリーヴス、ハーモニカはマーク・ファルサム。「You Never Give Me Your Money」は、イントロのメロディがハーモニカの演奏とエレクトリック・ギターのコードワークで始まり、歌になってからもピアノやキーボードは入らず、あくまでもギター・バンドというサウンドが新鮮だ。

10. Sun King
Giacomo Bondi

本書のランキング 3位

 ジャコモ・ボンディはイタリアのプロデューサー、マルチ・ミュージシャン。イタリアきってのビートルズ・マニアでカバーも多数制作している。この「Sun King」は、メドレーのうちの1曲という作りではなく、コーラスを何重にもダビングして厚みを出したテイク。4分45秒以上あるゆったりとしたチル・アウト系で、イントロから厚みのあるストリングス・サウンドで何重にも重ねたコーラスが、ついまどろんでしまいそうなくらい暖かいサウンドになっている。

11. Mean Mr.Mustard
Aaron Sutcliffe

本書のランキング 1位

 アーロン・サトクリフはスウェーデンで活動するアーティスト。オルタナティブ・クラブ・ミュージックのジャンルでありながらロック歌手としての存在感もキープしている。ビートルズとは別にエルヴィス・プレスリーの「Fever」をシングルでリリースしているのだが、そちらは打ち込みサウンドとエルヴィスが自然に融合している。「Mean Mr. Mustard」もサウンドは打ち込みなのだが、芯のあるベースが鳴り続ける心地よいサウンドで歌っている。存在感がある声や歌い方で、軽さは感じさせずビートルズのイメージを壊すことはない。

12. Polythene Pam
The Bee Gees

本書のランキング 2位

 1978年公開のビー・ジーズとピーター・フランプトン主演によるミュージカル映画『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のサウンドトラックから。音楽はジョージ・マーティンが担当し、出演したミュージシャンは主演のアーティスト以外にエアロスミス、アース・ウィンド&ファイアー、ビリー・プレストンなど。「Polythene Pam」はメドレーの1曲ではあるが、さすがにビー・ジーズという出来上がりで、コーラスの美しさはこの曲のカバーの中でも群を抜く。

13. She Came In Through The Bathroom Window
Joe Cocker

本書のランキング 2位

 ジョー・コッカーは1944年生まれ、イングランド出身の歌手。1969年にウッドストック・フェスティバルに出演し、エア・ギターで歌う「With A Little Help From My Friends」で強い印象を与えた。1970年に再びビートルズの「She Came In Through The Bathroom Window」をアメリカのチャートでヒットさせている。ギターの低音のアーミングの「♪グオーン、グオーン」という音に続いて、独特のしゃがれ声で歌い出したとたん、コッカーの世界に引きずり込まれる。

14. Golden Slumbers
Claudine Longet

本書のランキング 3位

 クロディーヌ・ロンジェは1942年、パリ生まれの歌手、女優。1961年から1970年まで、アメリカ人の歌手アンディ・ウィリアムズと結婚していた。アメリカで歌手デビューしたためにフレンチ・ポップに分類されてはいないが、フランス語訛りの英語をウィスパー・ボイスで歌うポップスやロックがまさにチル・アウト系で、ラウンジ・ミュージックのハシリ。「Golden Slumbers」も静かにウィスパーたっぷりで歌っている。もともと「Golden Slumbers」は16世紀の子守歌の詩にポールが曲をつけたのだが、クロディーヌの歌は子守歌そのもので癒される。

15. Carry That Weight
Carmen McRae

本書のランキング 1位

 カーメン・マクレエは1922年生まれのアメリカの女性ジャズ歌手、ピアニスト。エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンと並ぶ影響力の大きなジャズ・ボーカリストの一人である。「Carry That Weight」は、メドレーの中の1曲で、張りのある声の卓越したポップ歌手という印象。とても聴きやすい仕上がりになっている。

16.The End
Samson Trinh & The Upper East Side Big Band

本書のランキング 1位

 サムソン・トリン&ジ・アッパー・イースト・サイド・ビッグ・バンドは19人編成のビッグ・バンド。「The End」はブラスやキーボードの入るアレンジだが、スピード感やロック感覚はキープしている。アルバムの最後の曲ということで「A Day In The Life」と同じピアノのコード一発の「♪ジャーン」というエンディングになっているのはご愛敬。

17. Her Majesty
Eric Roza

本書のランキング 1位

 エリック・ローザの詳細は不明。アルバムのサウンドはアコースティック・ギターやブルース・ハープなどを使ったフォークやカントリー系。「Her Majesty」のカバーもカントリー系の雰囲気だ。1番が終わると2番を別の詞で歌い、間奏で口笛があり、3番、4番が別の詞で歌われる。詞が4番まであるというサイズで、トータルは原曲の5倍の長さになっている。

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