Technics SL-1200の肖像

ターンテーブルが起こした革命

石井“EC”志津男(監修)/細川 克明(著)

定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
発売日2019.10.26
品種書籍
仕様A5変形判 / 224ページ
ISBN9784845634330

内容

SL-1200は世界にこれしかない唯一の存在です。
発売当時からベストなプロダクトで、この先も古くならない。
藤原ヒロシ

僕らの夢を叶え続けてくれている、一生浮気できないタンテ!
MURO

音楽の未来を変えた伝説の銘機SL-1200の軌跡と
ターンテーブルをめぐるカルチャー史

本書は、いまや世界的な音楽となったヒップホップの誕生と普及およびDJカルチャー全般の隆盛に貢献してきたターンテーブルであるテクニクスSL-1200の軌跡について、機材/文化の両面から語った1冊。じつに40年もの間、ほぼデザインを変更することなく世界中で愛されてきた、奇跡的な工業製品であるこのターンテーブルの実像について、パナソニックに残された資料や歴代スタッフの証言、また著名DJたちへの取材によって迫っていきます。

企画立案は国内レゲエ・シーンの立役者にして、かねてよりSL-1200シリーズのプロモーションにも尽力してきたOVERHEAT MUSICの石井"EC"志津男。執筆はDJ専門誌『GROOVE』(休刊)の元編集長として、長くDJ/クラブ・シーンを見てきた細川克明。初めてDJ向けターンテーブルとして開発されたSL-1200MK2の発売からちょうど40年、そして、世界中が熱望していたSL-1200MK7のリリース・イヤーにおくる特別企画です!



【CONTENTS】
PART 1 SL-1200開発ストーリー
新技術、ダイレクト・ドライブの発明/SL-1200の誕生/"ディスコ"という異文化との邂逅/SL-1200からSL-1200MK2への進化

PART 2 ヒップホップとの蜜月
ヒップホップの誕生/スクラッチという新たな表現/映画『ワイルド・スタイル』/DJ KRUSHが受けた衝撃/Dub Master Xが見た光景/グラミー受賞ライブで初めて使われたターンテーブル/蒔かれた種

PART 3 クラブ・カルチャーの成熟
ディスコからクラブへ/MK2からの"さらなる深化"/DMCとともに作り上げたスクラッチDJカルチャー/レコード・バブルの震源地、渋谷・宇田川町/DJ変革期、そして生産終了

PART 4 伝説の続き
テクニクス・ブランドの復活/失われた技術の再構築/"伝説"をライバルとしたMK7の開発/ラスベガスでの華々しいデビュー/SL-1200という"奇跡"

取材協力:DJ KRUSH、DJ NORI、Dub Master X、須永辰緒、DJ KENTARO、DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA、武井進一(Face Records)、新旧テクニクス・スタッフ

編集担当より一言

本書の編集作業終盤のある日のこと。文章だけでは伝わらないと思い、パナソニックに用意してもらった貴重な初代SL-1200(1972年発売)と表紙にも使われている本書企画者=オーバーヒート石井さん私物のSL-1200MK2(1979年発売)の比較写真を撮影しました(本書PART 1に掲載)。

MK2から追加されたピッチ・コントローラー、複雑なトーンアーム部、SL-1200シリーズの象徴ともいえるプラッター外周のドットなどなど……。カメラマンによる適切な照明なもと切り取られていくそれぞれのパーツを見て、毎日自宅で同じものを見ているはずなのに、あらためてその美しさにうっとりしてしまいました。

クラブやバーのDJブース、あるいはレコード屋さんの試聴コーナー、そしてもちろん自宅のリビングなど、いろんな場所に当たり前のように存在しているせいで、あまりにも何気なく触れてしまっているSL-1200ですが、この美しいフォルムがどのように完成されて、いかに世界中で愛されてきたのか、そのストーリーをいちど本書でたどってみませんか?
(第2メディア・コンテンツ事業部/服部 健)