KATAOMOI NOTE 陽瑠花

陽瑠花

この日記を読んでいるということは
君はもうすべて気が付いているのかな。

ボクの気持ちも。
ボクがついた小さな嘘も。

どうしても伝えたいことがあり
アメリカに向かう飛行機の中で今これを書いています。

まず最初に。
あの日、ボクに「好き」と言ってくれてありがとう。
本当に本当にうれしくて信じられなかった。
けれどボクは、確信が持てなかったんだ。
もし冗談だったら?
もし軽い気持ちだったら?
遠い土地に行くボクは、ずっと君に好きでいてもらえる?

考え出したら
不安が頭の中をぐるぐる巡って
あんな答え方しかできなかった。
心のどこかでは、ボクが隠したメッセージに
君が気が付いてくれるといいな、と思いながら。
君の気持ちを試すようなマネをして、ごめんなさい。

君と過ごした高校生活は ボクにとって、きっと今までの人生でもこれからの人生でも
一番キラキラした、ちょっぴりくすぐったい、大切な宝物です。

図書館でかくれんぼをしたときは、とってもドキドキした。

一緒に行った遊園地で撮った写真は、元気のないときに見返してるよ。
乗り物そっちのけで、撮影スポット探しに夢中になったね。

自転車二人乗りで坂道転げ落ちたのもいい思い出。
手が触れてちょっと緊張したんだ。

あのとき君がくれたペットボトルの天然水
すぐ飲むのがもったいなくてちょっとずつ飲んだ。

君はボクに数学の勉強を教えてくれたりしたけれど
緊張して全然頭に入ってなかったんだよ。

急にライブハウスに通い出したときは
遠くに行っちゃったようで寂しかったけど、誘ってくれたのはうれしかった。
あのとき聴いた歌は忘れられない。
ボクもずっと「恋になればいいな」って思ってたから。

君とは毎日のようにLINEもしてたね。
たまに見返して、勇気付けられていた。
毎日が楽しくなったのは、全部君のおかげ。

いつも、ボクじゃない誰かを追いかけていた君。
ボクはとてもずるくて、君のそばを離れないようにしていたから
君が無邪気にボクに恋の相談をしてくれるのは
少し嬉しかったけど、とてもキリキリした気持ちにもなっていたんだ。


でも、そんなときかもしれない。
君のことが大好きだって気が付いたのは。


子供のように、興味に対してまっすぐな君。
間違えた道を進んでも、立ち戻ってまた進むことを臆さない君。
書き出したらキリがないけど
ずっとその興味が、ボクに向いてくれたらいいと思っていた。

いつか大人になって
君に誰か他の好きな人ができて
ボクたちがバラバラになることを想像したら
友達のままの方がいい。
友達のままおじいちゃん、おばあちゃんになっても仲良しなのがいい。
そう思っているんだけど…

不思議だね、飛行機の中でも涙が止まらないんだ。

この日記を見つけてくれた君だから
ボクのことはもう、全部お見通しなんだろうな。
小さな嘘もすぐ見破られてしまうと思うから、本当のことを言います。



私、ヒカルは
君のことが大好きです。


FIN.

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