FenderTelecaster “Manhattan” Powerd by Guitar magazine

ギターに寄り添い35年。
専門誌ならではの新提案。
弾いてほしい価値がある。

限定35本。予約は10月末まで。

ここがポイント
  • ライ・クーダー愛用のピックアップを現代に甦らせたローラー製!ライ・クーダー愛用のピックアップを現代に甦らせたローラー製!
  • コントロールはボリューム&トーンとセレクターが逆に配置!コントロールはボリューム&トーンとセレクターが逆に配置!
  • 分離の良いブライトな響きのブラス製サドル分離の良いブライトな響きのブラス製サドル
  • 木目が透けるほど丁寧に仕上げられたシンラッカー塗装木目が透けるほど丁寧に仕上げられたシンラッカー塗装
【Specification】
●ボディ:アッシュ ●ネック:メイプル ●指板:メイプル●ピックアップ:ローラー製ゴールドフォイル(フロント)、ビンテージ・スタイル・シングルコイル・テレ(リア)●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・セレクター●ブリッジ:3サドル・ビンテージ・スタイル・ストリング・スルー・ボディ・テレ with ブラス・サドルス●フレット:21●ペグ:ゴトー●カラー:ブラック(シンラッカー塗装)●日本製●価格:180,000円(税別)

限定35本。予約は10月末まで。 ※デジマート・セレクトショップのみでの販売となります。実店舗での展示、販売は行なっておりません。

Fenderマーケティング担当が語る Fender Telecaster“Manhattan”

“遠慮のなさ”と“伝統へのリスペクト”のバランスが秀逸

35年間ギターを見続けたギタマガならではのモデル!

Interview with フェンダーミュージック株式会社 アーティストリレーション/マーケティング担当―武村学

今回のアニバーサリー・モデルを、Fenderサイドはどのように見ているのか──Fenderのマーケティング担当・武村学氏に、マンハッタンの開発秘話やスペシャルな魅力について伺った。

Fender ―まず、今回のコラボ企画についてメーカーとしてはどう感じられましたか? 武村 ギター・マガジンさん(以下、GM)が提案する仕様でギターを作るということで、純粋に面白いと思いました。というのは、Fenderは数多くのアーティスト・シグネチャー・モデルを出していますよね? 彼らは皆、プレイヤーの視点から「自分はこんなサウンドが欲しい」という仕様をオーダーしてくるわけです。でも、GMという媒体そのものがギターを弾くわけでも、音を出すわけでもないですよね(笑)。その代わり、彼らは35年間、ギターを見続けてきました。それは、我々Fenderのギターだけではなく他社製品も含めて、新製品からビンテージ、そしてアーティスト所有の名器まであらゆる種類のギターの取材をし、見続けてきたわけです。そのGMがどんな仕様をオーダーしてくるのか、本当にワクワクしました。

―実際にオーダーを受けて、いかがでしたか? 武村 良い意味で、遠慮がなかったですね。しかし、決してテレキャスターの良さを崩してはいない。そのバランス感覚が実に秀逸です。正直、我々“生粋のFender人には作れないギター”だと思いました。

―それは、どういった点で? 武村 例えば、フロントのゴールドフォイルのピックアップという選択肢は、Fender内部からはまず出てこないでしょう。ご存知の通り、“ビザール・ギター”という言葉を世に広めたのはGMです。その意味で、実にGMらしい選択だと思いました。ピックガードに関しても今回マンハッタンのためにオリジナルの型を起こしたのですが、我々からすると“あのレオ・フェンダーが描いた線を変えるのか!?”という感じです。このピックガードのデザインは、実は製作上かなり苦しんだ部分で、ちょっとした線の引き方でギターの表情が大きく変わるので、デザインの難しさ、奥深さを痛感しました。

―塗装のラッカーも極薄ですが、そのあたりも難しかったのでは? 武村 いや、そこは技術がありますので。ポリ塗装のギターには「品質を安定させる、変えない」という狙いがありますが、今回はあえて極薄のラッカーで弾き込んでいくことで“変わる”ことが前提となっています。工場でトライアルを行なったところ、塗装の担当者がこんな風にできる、こういうこともできると、色々と提案してくれました。難しいというより、腕の見せ所といった感じです。

―フロント・ピックアップやピックガードのように大胆に変えている部分がある一方で、あえて変えていない部分もありますね。 武村 そうなんです。テレキャスターの命は、やはりリア・ピックアップのサウンドです。そこはビンテージ・スタイルのシングルコイルを搭載し、大切にしています。それにブリッジも、サドルも、ストリングス・リテイナーも変えていません。もちろん材もアッシュ・ボディ、メイプル・ネックです。伝統的なテレキャスターに対するリスペクトがきちんとあった上で、“こういう遊び方もできるよ”と言ってくれているようなギターなんです。

―今回のマンハッタン、どんな人にオススメですか? 武村 伝統的なテレキャスター・サウンドに、甘くてアダルトなゴールドフォイルの魅力が加わって……このサウンドに惚れ込む人は多いと思います。でも、とにかく、これを持っていたら単純にかっこいいですよね! ペトロールズの長岡亮介さんが「テレキャスターは非の打ち所がないギターだけど、唯一の欠点はみんな持っているところだ」って言っていたんですけど(笑)。同じように思う人に勧めたいです。
 なにしろ、たった35本しかないんで絶対に人とカブらないのも魅力ですよね。でも万が一ライブハウスでマンハッタンを持っている人とカブったら……きっと、すぐに友達になれるんじゃないですか(笑)? 作り手としては、わずか35本しか製作しないギターですから、もしできることならオーナーさんが35人集まったところを見てみたいですね。

限定35本。予約は10月末まで。

ギター・マガジン編集長が語る Fender Telecaster“Manhattan”

“スペシャルでありながら、弾き手に寄り添う”カスタム仕様

伝統的なモデルに新しい価値を加えた自信作!

Interview with ギター・マガジン編集長―尾藤雅哉

1980年の創刊以来、“ギター”という楽器を通して音楽やギタリストの魅力を掘り下げてきたギター・マガジンが、フェンダーとコラボレートして35周年記念モデルを製作した。このアニバーサリー・モデル“マンハッタン”の魅力について、ギター・マガジン編集長の尾藤雅哉氏に聞いた。

―35周年記念モデルとして、テレキャスターを選んだ理由を聞かせてください。 尾藤 テレキャスターはソリッド・エレクトリックの元祖であり、ギター・マガジンの35周年に対して今年65周年というアニバーサリー・イヤーを迎えたところが記念モデルに相応しいと判断しました。それに加えて、テレキャスターの“遊び心を受け入れてくれる懐の深さ”もポイントになりました。

―仕様を決めるにあたって大切にした点は? 尾藤 長年の取材を通して非常に多くのギターに触れる中で、記念モデルには“弾き手のインスピレーションを刺激するスペシャルさ”が必要不可欠だと考えました。しかしテレキャスターはシンプル・イズ・ベストを体現するギターだけに、余計な手を加えて魅力を損ねるような真似はしたくありません。あくまで“弾き手に寄り添った”カスタム仕様にしたかったのです。

―結果として“スペシャルでありながら、弾き手に寄り添う”狙い通りのギターになっていると思います。まずは本器の“スペシャルな部分”について解説をお願いします。 尾藤 軸となるのがピックアップ選びです。テレキャスター・サウンドの生命線は言うまでもなく“リア・ピックアップ”ですから、リアは王道のビンテージ・スタイルのシングルコイルを採用しました。
 悩んだのはフロント・ピックアップです。通常のシングルコイルから、ハムバッカー系、もしくはカブロニータ・シリーズに採用されているグレッチ・スタイルのフィルタートロン・ピックアップ、さらに潔くエスクワイアのように“無し”という方向も含めて、あらゆる可能性を検討しました。結果として選んだのはローラー製ゴールド・フォイルです。オリジナルは、おもに1960年代のテスコ製ギターなどに装着されていたもので、ライ・クーダーやデヴィッド・リンドレーといった名手が愛したピックアップとして知られています。それを現代に蘇らせたのが、ローラー・ピックアップです。
 かつて世界を席巻した日本のメーカー/テスコのピックアップと、レオ・フェンダーが発明したエレクトリック・ギターの原点であり完成形のひとつとも言われるテレキャスターを融合させたことで、通常のラインナップには存在しない魅力溢れるスペックを持ったモデルになりました。

―もう1つのポイントである“弾き手に寄り添う部分”については? 尾藤 まずは快適な操作性が重要です。プレイヤーやギター製作家などに“ギターを弾く時に一番重要な箇所は?”と聞くと、ほぼ全員から“ネック”という答えが返ってきます。それほどギターという楽器を構成する上で大切なポイントなのです。そこで本器には、しっかりグリップできる肉厚のCシェイプに、長年に渡り弾き込まれてきたビンテージ・モデルのようなサテンフィニッシュ加工を施しました。ボディの塗装は弾き込むほどに味わいが増す“シンラッカー塗装”です。
 もう1つこだわったのは、コントロール・ツマミの位置ですね。マンハッタンは、通常のテレキャスターとはピックアップ・セレクターとボリューム&トーンの位置が入れ替わっています。これは、右手のストローク時にセレクターに手が当たってしまいポジションが動いてしまうことがないように、そして右手でボリュームを調整しやすいように位置を近づける、という2つの理由で採用しました。

―サウンド面の特徴は? 尾藤 ここでも“弾き手に寄り添う”がポイントで、右手の強弱だけで曲にグラデーションを付けられると思います。具体的にはリアは王道のテレキャスター・サウンド、そしてフロントは包み込むような優しいトーンが魅力で、歌のバックでも存在感を出すことができ、R&Bやソウルといったメロウなフレーズにもバッチリと合うサウンドです。また、センター・ポジションのミックス・トーンが非常に独特で、鈴鳴りするブライトさに奥行きと深みをプラスした、色気のある音色を生み出してくれます。

―どんな人にオススメしたいですか? 尾藤 自分だけのシグネチャー・モデルが欲しい人ですね。世界にたった35本しか存在しないプレミアムなモデルなので、必ず弾き手の代名詞=マイ・シグネチャー・モデルになり得るギターだと思います。ちなみに、付属の特製オリジナルTシャツのイラストにも、本体と揃いのシリアル・ナンバーが入っていまして、世界で1枚のTシャツということになります。そういった遊び心も大切にしました。
 妖艶なルックス、独創的で創造力を刺激するトーン、弾き手の直感的な感性をアウトプットする快適な演奏性──35年に及ぶ膨大な取材経験に基づいて、伝統的なギターに新しい価値を加えることができたと思っています。ぜひ手にしていただきたい、自信作です。

限定35本。予約は10月末まで。

オリジナルポイント
  • ライ・クーダー愛用のピックアップを現代に甦らせたローラー製!ライ・クーダー愛用のピックアップを現代に甦らせたローラー製!
  • コントロールはボリューム&トーンとセレクターが逆に配置!コントロールはボリューム&トーンとセレクターが逆に配置!
  • 分離の良いブライトな響きのブラス製サドル分離の良いブライトな響きのブラス製サドル
  • 木目が透けるほど丁寧に仕上げられたシンラッカー塗装木目が透けるほど丁寧に仕上げられたシンラッカー塗装

限定35本。予約は10月末まで。

インタビュー構成・文:井戸沼尚也