MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2014年10月号

定価1,019円 (本体926円+税10%)
発売日2014.09.13
品種雑誌
仕様A4変形判 / 216ページ

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内容

TK from 凛として時雨 極限まで研ぎ澄まされた恐るべきサウンド&プライベート・スタジオ本邦初公開

■巻頭インタビュー
TK from 凛として時雨

凛として時雨のギター/ボーカルとして、またソロ・アーティストとしても鋭利なサウンドを生み出し続けるクリエイター、TK。彼がソロ2作目となるアルバム『Fantastic Magic』をリリースした。今年初めに異色の弾き語りライブ・ツアーを敢行した彼だけに(本誌5月号でレポート)、生楽器志向のアルバムになるかと思いきや、1曲目からフル・パワーのバンド演奏に圧倒されるエモーショナルな内容。ソロ1作目にも参加したドラマーのBOBOやベーシストの日向秀和らをはじめ、手だれのピアニストやバイオリニストを迎え、さらにゲスト・ボーカリストとして1曲でCharaもフィーチャー。時に感情をむき出しにしたボーカル、メタリックな轟音ギター、メランコリックなアコギ、重厚なドラム、静謐なエレピといった多様な要素を一気に吐き出し、めくるめくスピードで展開させていくサウンドは唯一無二。しかも、レコーディングからエンジニアリングまでも自らこなし、狂気すら感じるような恐るべき作品に仕上げている。このサウンドは一体どのようにして作られているのか……TKへのロング・インタビューを通して、クリエイターとしての側面を浮き彫りにしていく。さらに、本邦初公開となるプライベート・スタジオの貴重なショットや、彼が使用しているDAWの画面キャプチャーもご堪能いただきたい。

■特集1
TeddyLoidが指南! トラック展開のテクニック20

EDMの影響を受けたポップスがチャートを席巻している昨今ですが、ループ・ベースのトラックはどうしても単調になりがちです。第一線で活躍しているクリエイターは、どのようなテクニックを使ってループ主体のトラックにメリハリを付けているのでしょう? 今回は高揚感あふれるエレクトロ・ミュージックで世界的に注目を集める新進クリエイターTeddyLoidを講師に招き、常に現場に身を置くプロならではのテクニックを伝授していただきます。9月17日にリリースされる待望の1stアルバム『BLACK MOON RISING』で実際に使用されているテクニックも多数含まれているので、音例と併せてドラマティックなトラック制作のヒントにしていただければ幸いです。インタビュー・ページでは、プライベート・スタジオも初公開!

■特集2
サカモト教授が伝授! チップチューン攻略法

チップチューンとは、家庭用ゲーム機などに使われていたサウンド・チップを鳴らして作ったような、あのピコピコした音楽のことだ。アンダーグランドな世界から徐々に認知され、世界中にそのサウンドに魅せられたアーティストたちが日々作品を発表している。今では1ジャンルとして確固たる地位を確立したといっても過言ではない。そんなチップチューンのとりこになった日本人アーティストがいる。ニコニコ動画から、ファミコンの音楽をそのまんま再現したパフォーマンスなどで人気を博したサカモト教授だ。もちろん、これまで発表してきた自身の作品では、積極的に8ビット・サウンドを取り入れており、その確かな音楽的素養も相まって、独自の楽曲世界観を構築している。今回は、サカモト教授が、本特集のためにオリジナルのデモ・トラックを制作してくれた。ここではそれを題材に、チップチューンの作り方、自身の楽曲への取り入れるための攻略法を伝授してもらおう。さらに後半では、3年半ぶりとなるオリジナル・アルバムについても話を聞いているので、併せてお楽しみいただきたい。

■特集3
ボーカルの魂を届けるプロデュース術

楽曲の良しあしを語るとき、一般リスナーの多くはボーカルのうまさを引き合いに出します。もちろん楽曲の評価はボーカルだけでは決まりませんが、主役である歌の力は大きなもの。そしてボーカリストがうまくても、また録音やミックスが良くても、きちんとリスナーにその歌声が届かなければ、意味は半減してしまいます。今回の特集では、プロデューサー/エンジニアの伊藤圭一氏(Kim Studio)が、アマチュアの作品を通じて課題と感じていた“歌に込められたメッセージを浮き彫りにする方法”を指南。ボーカルの魂を伝え、より良い作品に仕上げるために、エンジニアリングやパフォーマンスにとどまらず、さまざまな視点から録音作品としてのボーカル曲を見直していきましょう。

■コンサート見聞録
ゆず@国立代々木競技場 第一体育館

北川悠仁と岩沢厚治から成る“ゆず”。1996年の結成当初に横浜での路上ライブが話題を呼び、現在ではJポップ・シーンを代表するアーティストだ。彼らは今年5月から12thアルバム『新世界』を引っ提げてのツアーを行っているが、本稿ではでは去る8月27日に東京の国立代々木競技場 第一体育館で開催されたファイナルについて、音響の面からレポートしていく。

■SPECIAL REPORT
『Lost Memory Theatre』@KAAT 神奈川芸術劇場
原案・音楽 三宅純 構成・演出 白井晃

パリを拠点に活動する作曲家・三宅純が昨年発表したアルバム『Lost Memory Theatre act-1』は、“失われた記憶が流入する劇場”をテーマに、アート・リンゼイやデヴィッド・バーン、ニナ・ハーゲンらとのコラボレーションを交えて作られた作品。その濃密な音世界は評判となり、映画監督のヴィム・ヴェンダースがライナーノーツの執筆を買って出たほどである。リリース時に行ったインタビューにおいて三宅は、続編として“act-2”を出す予定があると発言していたが、予告通り8月20日に『Lost Memory Theatre act-2』が発売。ヴィニシウス・カントゥアリア、リサ・パピノー、メルヴィン・ギプスなど前作に劣らず個性的なアーティストとの競演を楽しむことができる内容となっている。そしてそのリリースと同じタイミングで『Lost Memory Theatre』と題した舞台作品が上演された。原案・音楽を三宅が担当し、構成・演出に白井晃、振付に森山開次、そして山本耕史、美波、江波杏子さらには4人のバレエ・ダンサーが出演する、ダンスでも演劇でもない、それこそ三宅の頭の中で妄想された世界が舞台空間へとあふれてしまったような作品であった。果たしてどのようにしてこの舞台が出来上がったのか、三宅へのインタビューを通して明らかにしていくことにしよう。

■Cross Talk 森元浩二.×飛澤正人
音を立たせる魔法のエフェクト
エンハンサー11種の“使いどころ”

古くはAPHEX Aural ExciterやBBEなどのハードとして知られるエンハンサー/エキサイター。現在ではこれらのハードを再現したものや新しい技術を投入したものなど、多くのプラグインが登場している。どの製品を見ても“音を際立たせる”“パンチを出す”とその効果が謳われているが、いったいどうやってその魔法のような効果を実現しているのか? また、EQやコンプなどと違ってなじみの薄い人も多いだけに、どんな用途に使っていいか分からないという悩みもありそうだ。今回のCross Talkではこうしたエンハンサー/エキサイターのプラグインを集め、キャリアの豊富なエンジニアの森元浩二.、飛澤正人の両氏に試してもらい、その効果や使いどころについて語っていただいた。

≪登場機種≫
◎NOMAD FACTORY BBE Sonic Sweet -Optimized-
◎NOMAD FACTORY Cosmos
◎NOVELTECH Character
◎UNIVERSAL AUDIO Precision Enhancer kHz
◎UNIVERSAL AUDIO Precision Enhancer Hz
◎UNIVERSAL AUDIO SPL Vitalizer MK2-T
◎UNIVERSAL AUDIO Little Labs Voice Of God
◎WAVES Aphex Vintage Aural Exciter
◎WAVES MaxxBass
◎WAVES Renaissance Bass
◎WAVES Vitamin

■ミックス解剖学
ラナ・デル・レイ『シェイズ・オブ・クール』
by ロバート・オートン

海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはロバート・オートン。ロンドン出身のオートンは、5歳でピアノを始め、ロンドン・カレッジ・オブ・ミュージックに進学。そこでミュージック・テクノロジーとメディア・テクノロジーの学位を取得した。2000年にトレヴァー・ホーン付きのAVID Pr o Toolsエンジニアとなり、その2年後には、t.A.T.u.のアルバム『200km/h In The Wr ong Lane』を担当、同作品を世界的な大ヒットに導いた。ホーンとの仕事を2008年まで続ける一方で、ペット・ショップ・ボーイズ、シール、エルトン・ジョン、セリーヌ・ディオンなどの作品に名を連ねるようになったオートン。6年前に独立したのをきっかけに、さらに世界をリードするトップ・エンジニアへと成長し、レディー・ガガ、カーリー・レイ・ジェプセン、ポリス、フロー・ライダー、メアリー・J. ブライジ、アッシャーらの曲やアルバムを手掛けながら、グラミー3冠を獲得した。ラナ・デル・レイの2nd『ウルトラヴァイオレンス』では、15曲中10曲をミックスし、中心人物としてかかわっている。ここではその中から2ndシングル曲「シェイズ・オブ・クール」のミックス工程について語ってもらおう。

■behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち
住友紀人

映画やドラマ、CM、アニメなど、映像作品を音で彩る作曲家の音楽人生に迫る本連載。今回登場いただくのは、住友紀人氏。キャリアのスタートはイベント会場のエントランス・ホール担当音楽プロデューサーだったという住友氏は、その後AKAI PROFESSIONAL EWIの第一人者として活動、さまざまなミュージシャンともセッションを重ねてきた。そんな氏が初めて映像音楽の作品に携わったのが、2000年公開の映画『ホワイトアウト』だった。同作品で日本アカデミー優秀音楽賞を受賞し、その後は作曲家を軸として、ドラマ『「やまとなでしこ』『アンフェア』『沈まぬ太陽』、映画『テルマエ・ロマエ』、アニメ『ドラゴンボールZ』など、実に多くの作品を手掛けてきた。その振り幅の広い音楽人生に迫るため、自身のプライベート・スタジオにて話を聞いた。

■Beat Makers Laboratory:コール・スーパー

■people

◎神聖かまってちゃん
◎livetune
◎KIRINJI
◎フジファブリック
◎★STAR GUiTAR
◎FKAツイッグス
◎アイク・ヤード
◎クリッシー・ハインド

■report

◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~米津裕二郎
◎音のプロが使い始めたECLIPSE TD-M1~ジェフ・ジョーンズ
◎YAMAHA新MGシリーズ導入レポート
◎PRESONUS Studio Live AI PA Loudspeakerシリーズ
◎ライブ・スペース訪問:新鎌ヶ谷MT Milly's

■new products

◎ANTELOPE AUDIO Zen Studio
◎IK MULTIMEDIA SampleTank 3
◎NUGEN AUDIO SEQ-S
◎IMPACT SOUNDWORKS Juggernaut
◎FOCUSRITE Saffire Pro 26
◎PIONEER PLX-1000
◎RUPERT NEVE DESIGNS Portico 551
◎PELUSO P-12
◎MIKTEK CV3
◎HEIL SOUND HDK-8
◎ROGER MAYER 456 Stereo
◎MACKIE. SRM450V3

■LIBRARY
◎SAMPLE MAGIC DANCE VOCALS 3
◎SAMPLEPHONICS The Sid Station

■DAW AVENUE

◎STEINBERG Cubase 7.5

◎ABLETON Live 9

◎APPLE Logic Pro X

◎AVID Pro Tools 11

◎TASCAM PROFESSIONAL SOFTWARE Sonar X3 Producer
◎PRESONUS Studio One 2

■column

◎Bedroomで逢いましょう。 Neat's

◎サンプル大学グルー部ビートメイ科 SUI

◎ツナガル ロクオン 草間敬

◎MUSIC SAFETY RESEARCH 奥田泰次

◎oscillator lover yukihiro

◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明

◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦

◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断

◎音楽と録音の歴史ものがたり 高橋健太郎
◎俺のモジュラー・シンセ~戸田宏武

◎Independent Cities

◎私の手放せない一品~浜崎容子(アーバンギャルド)のYAMAHA EOS BX

■sound&recording review

◎NEW DISC

◎ENGINEERS' RECOMMEND

◎BOOKS

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