MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2014年9月号

定価1,019円 (本体926円+税10%)
発売日2014.08.12
品種雑誌
仕様A4変形判 / 232ページ

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内容

中村正人 ドリカム25周年にして大作リリース! “ハード音源の要塞”で打ち込みを熱く語る

■巻頭インタビュー
中村正人(DREAMS COME TRUE)
ドリカム25周年にして大作リリース!
“ハード音源の要塞”で打ち込みを熱く語る

今年でデビュー25周年を迎えたDREAMS COME TRUEが、3年9カ月ぶりとなるオリジナル・アルバム『ATTACK25』を8月20日にリリースする。吉田美和の卓越したボーカルを生かすべく、今回もベース/プログラミングの中村正人が絶妙なサウンド・メイキングを披露。ドラマの主題歌にもなった「さぁ鐘を鳴らせ」など既発のタイアップ/コラボ8曲に、ドリカムならではの軽快なポップスや初期作に通じるフュージョン的な新曲8曲を加え、実にバリエーション豊かな内容に仕上げている。生演奏/プログラミングを効果的に使い分ける中村のアレンジの妙はもちろん、高域から低域までスムーズにつながっていくオーディオ的なサウンドの良さも堪能できる本作。早速、愛用のハードウェア音源がひしめく彼らの拠点=STARCHILD STUDIOを訪れ、中村へロング・インタビューを敢行。打ち込みの美学やサウンドに対する深いこだわりを通して、ヒット曲を生み出すために日々研究を続ける中村の素顔に迫っていく。

■特集1
先進クリエイターが鳴らす
“2014年のビート・ミュージック”
~featuring Eccy/Ena/jjj/Fumitake Tamura(Bun)

ダブステップ、ジューク、トラップなど世界各地で変容と増殖を続けるビート・ミュージック。カニエ・ウェストにフックアップされたアルカを例に挙げるまでもなく、いつの時代もアンダーグラウンド・シーンで発見された斬新な音楽的アイディアはポップ・ミュージックへと昇華され、トレンドの先駆けとなってきました。では 2014年の現在、最もエッジーなビートとはどのようなものなのでしょう? 本誌は今回、世界的に注目を集めている4組の日本人トラック・メイカーに同一のサンプル・ソースを元にビートを作成してもらい、その制作手法についてインタビューを敢行。各クリエイターが制作したビートはWebサイトより試聴が可能なので、テキスト/音源を通して2014 年の“現場”の空気感/音楽的なトレンドやクリエイティビティを感じてもらえれば幸いです。また、特集内で使用したものと同一のサンプル素材を使ったビートを弊誌SoundCloud上で募集。詳しくはWebサイトをチェック!

■特集2
超お役立ち!リハーモナイズ入門

今回の特集は“リハモ”について勉強していきます! “リハモ”という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんね。では“リハモ”とは一体どういう意味なのでしょうか? メロディに対してハーモニー(和音)を付けることを“harmonization(ハーモニゼーション)”と言います。“リハモ”とは“reha rmonization(リハモニゼーション)”の略で、既に付いているハーモニーとは別のハーモニーを付けること、要は“楽曲のコード(進行)を作り変えていくこと”を言います。アレンジ(編曲)のテクニックの一つなので、“アレンジ”という言葉でまとめて使ってしまっていることも多いでしょう。 リハモすることを“reharmonize(リハーモナイズ)”と言います。一から作曲していくわけではなく、例えば日本の童謡や外国のトラディショナル曲のようなシンプルなコードが使われているものを、ジャズ風/ポップス風なコード進行にリハモしたり、昔作った曲や人からアレンジをお願いされた曲などで、メロディはそのままに、コードをつけ直す……といったときに使うテクニックです! リハモは、楽曲全体のほんのわずかな個所で行うだけでも、曲全体の印象をぐっと引き締めることができますし、また、全体のハーモニーのほとんどを入れ替えてしまうことで全く別の曲のように聴かせることもできます。目的に合わせて楽曲をいかようにも変身させることができ、自分のイメージに合った曲作りをしていくことができるのです! この特集では、リハモに関するいろいろなテクニックやアイディアを、段階を追って紹介していきます。それぞれの項目で、童謡などのシンプルなコードの曲を例に、もとのコード進行とテーマに沿ってリハモしたコード進行を提示して解説していきます(DAWのピアノロール付き!)。どこがどんなテクニックでどうリハモされたのか、一つ一つ理解して読み進んでいってください。譜例は音源も用意しましたので、響きからもリハモの効果を実感できるはずです。 リハモで大事なことは全体のバランスです。どんなに素晴らしいリハモのアイディアがあってもその楽曲のメロディに合わなかったり、雰囲気にマッチしていなければその効果も半減してしまいます。まずはどんな曲にアレンジしたいのかイメージを大事にしましょう。楽曲の良い部分を残してさらに楽曲が輝くようにいろいろ挑戦してみてくださいね!

■特集3
「位相」を操るサウンド・メイク術
位相(いそう)をご存じでしょうか? “合っている”“ズレている”といった言い回しの中で使われるあの言葉です。普段聞き流している人も多そうですが、実は音に多大な影響を与えるもので、これを利用したフランジャーやフェイザーといった強力なエフェクターもあります。本特集では、位相の概念とそれを生かした音作りの方法について、エンジニアの中村公輔氏に解説していただきましょう。

●SPECIAL
中脇雅裕氏(ASOBIMUSIC)に聞く
時代を生き抜くクリエイターの心得

プロデューサー/音楽ディレクターとして20年以上のキャリアを持ち、ヒット・メイカー中田ヤスタカ(CAPSULE)をはじめ、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、手嶌葵などの制作にかかわってきた人物=中脇雅裕氏。とりわけPerfumeと中田ヤスタカを引き合わせ、彼女たちのブレイクを仕掛けた敏腕としてご存じの方も多いかもしれない。現在はASOBIMUSICなどに籍を置きつつ、多角的な視点から新たなエンターテインメントを提示し続けている。そんな彼がいかにして音楽業界に入り、どのような発想でヒット作を生み出してきたのか非常に興味がわくところだろう。そこで本稿では中脇氏へロング・インタビューを行い、これからのクリエイターの在り方や音楽シーンとの接し方、さらにはビジネスとして成功するためのヒントを教えていただいた。音楽クリエイターは読んでおいて損は無い内容だ。

■コンサート見聞録
小田和正@東京体育館

1969年から1989年までオフコースの中心人物として活躍し、同バンド解散後はソロで「ラブ・ストーリーは突然に」「風の坂道」「キラキラ」など多数のヒットを生み出してきた国内屈指のシンガー・ソングライター=小田和正。現在ニュー・アルバム『小田日和』に伴うツアー“明治安田生命Presents KAZUMASA ODA TOUR 2014 本日 小田日和”の真っただ中だが、ここでは去る7月12日と13日に2デイズで敢行された東京体育館でのコンサートのうち、2日目の模様を音響の面からレポートする。

■Cross Talk NAOKI-T×林憲一
最新ドラム音源が指し示す
シミュレートを超えた打ち込みの形

2000年代に大容量サンプルを使用したソフト音源が多数登場した中でも、大きな注目を集めたのは生ドラムのマルチマイク録音を再現したものだった。その最新バージョンと呼べるべきものが、この1年の間に続々と登場。これらはどんな点がアップデートされ、またそれぞれの製品ごとにどんな違いがあるのか? プロデューサーのNAOKI-Tとエンジニアの林憲一、両氏とともに検証していきたい。

≪登場機種≫
◎FXPANSION BFD3
◎TOONTRACK EZ Drummer 2
◎XLN AUDIO Addictive Drums 2

■ミックス解剖学
セイント・ヴィンセント『セイント・ヴィンセント』
by ジョン・コングルトン

海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはジョン・コングルトン。米テキサス州ダラスで育ったコングルトンは、10代のころ、エンジニアリングを覚えて生計を立てることが目標だったというが、同時にミュージシャンも志して、北テキサス大学で2年間、ジャズの作曲を学んだ。卒業後の1997年にシカゴへ移り住み、スティーヴ・アルビニに師事。その後再び地元に戻ったコングルトンは、テキサス最大のスタジオだったダラス・サウンドラボのスタッフ・エンジニアとして2~3年働いた。しかし、スタジオは閉鎖され、それとともにフリーランス・エンジニアとして活動を開始。さまざまな仕事を請け負いながら、7年前に現在の拠点であるスタジオ、エルムウッド・レコーディングを立ち上げた。彼が手掛けたアーティストは、自身のバンドであるザ・ペーパー・チェイスをはじめ、モデスト・マウス、デヴィッド・バーン、エリカ・バドゥ、ザ・ルーツ、マリリン・マンソン、ボノ、ザ・ニュー・ポルノグラファーズ、そしてセイント・ヴィンセントがいる。セイント・ヴィンセントことアニー・クラークは、コングルトンが特に深く関わったアーティストで、彼女のソロ・アルバム4作のうち3作で、エンジニアリングとプロデュースを手掛けている。その中から最新作『セイント・ヴィンセント』について、語ってもらおう。

■behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち
遠藤浩二

映画やドラマ、CM、アニメなど、映像作品を音で彩る作曲家の音楽人生に迫る本連載。今回登場いただくのは、遠藤浩二氏。『着信アリ』『ゼブラーマン』『十三人の刺客』『悪の教典』『藁の楯』など、映画監督、三池崇史氏の作品を多く手掛けていることで知られ、『十三人の刺客』では日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した。そのほかにも『ハンチョウ~神南署安積班~』『悪霊病棟』といったTVドラマのほかCM、アーティストへの楽曲提供など、映像音楽を中心に幅広く活躍している。もともとプロのギタリストを目指していたという遠藤氏だが、なぜ映像音楽の作曲家という道に進むことになったのか?またどのような道程を経て作曲家として大成したのか? その音楽人生に迫るため、自身のプライベート・スタジオにて話を聞いた。

■Beat Makers Laboratory:サディーク

■people
◎高橋幸宏
◎the brilliant green
◎シミアン・モバイル・ディスコ
◎Plastikman(リッチー・ホウティン)
◎バス
◎ドス
◎grooveman Spot
◎LASTorder
◎高野寛
◎臼井ミトン
◎ザ・ゴースト・オブ・ア・セイバー・トゥース・タイガー

■report
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~村山晋一郎
◎YAMAHA新MGシリーズ導入レポート
◎島村楽器 録れコン リプロダクション
◎ライブ・スペース訪問:四谷LOTUS

■new products
◎ARTURIA Spark 2
◎GARRITAN Garritan Abbey Road Studio Cfx Concert Grand
◎WALDORF 2-Pole
◎PRESONUS Monitor Station V2
◎OKTAVA MK-105
◎PRESONUS StudioLive 328AI
◎MACKIE. Thump 12
◎SOUNDCRAFT SI Performer 1
◎PHIL JONES BASS Bighead
◎ZOOM H5

■LIBRARY
◎SAMPLE MAGIC EDM/SM37
◎SAMPLEPHONICS Sara Garvey Vocal Sessions

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7.5
◎ABLETON Live 9
◎APPLE Logic Pro X
◎AVID Pro Tools 11
◎TASCAM PROFESSIONAL SOFTWARE Sonar X3 Producer
◎PRESONUS Studio One 2

■column
◎【新連載】Bedroomで逢いましょう。 Neat's
◎サンプル大学グルー部ビートメイ科 SUI
◎ツナガル ロクオン 草間敬
◎MUSIC SAFETY RESEARCH 奥田泰次
◎oscillator lover yukihiro
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎音楽と録音の歴史ものがたり 高橋健太郎
◎Independent Cities
◎私の手放せない一品~naotohiroyamaのYAMAHA SPX900

■sound&recording review
◎NEW DISC
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎BOOKS

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