MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2014年5月号

定価1,019円 (本体926円+税10%)
発売日2014.04.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 232ページ

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内容

Koji Nakamura~ナカコーがボーカル・アルバム発表! ポップな楽曲に忍ばせた実験的視点を語る

■巻頭インタビュー
Koji Nakamura
ナカコーがボーカル・アルバム発表!
ポップな楽曲に忍ばせた実験的視点を語る

1995年にスーパーカーのフロントマンとしてキャリアを開始し、同バンドの解散後はiLLやNYANTORAといったソロ・ワーク、そしてフルカワミキ/田渕ひさ子/牛尾憲輔と結成したLAMAなど、多岐にわたる 活動を続けるナカコー。そんな彼が新名義“Koji Nakamura”として歌モノ・アルバムを4月30日に発表する。昨年NYANTORA名義でアンビエント・アルバムをリリースするなど、近年ますます実験色を強めている彼だが、今回は一聴して非常にポップ。外部の作詞家たちを招いて自身は歌とサウンド・プロデュースに集中したという力作で、打ち込み+参加ミュージシャンの演奏による高揚感たっぷりの楽曲が堪能できる。しかしながらそれは本作の一面に過ぎず、細部に耳を傾ければナカコーらしい音の美学が詰め込まれていることが分かるはずだ。今回はそうした彼の考えを深く掘り下げるべくロング・インタビューを敢行、1曲1曲の裏に込められた意図を聞き出すことに成功した。さらにページの最後では、“言語化が難しい”という彼のトラック制作作業を実際に行ってもらい、その模様もレポートしてみた。エンジニア渡辺省二郎氏のコメントも併せて、多角的にナカコーの音作りに迫っていく。


■特集1
世界のトップ・エンジニアが語る“私のミックスを変えた機材”
世界のトップ・エンジニアが語る
“私のミックスを変えた機材”

この特集では、世界の音楽業界の第一線で活躍するエンジニア11名に、この15年で自身の仕事の仕方を最も大きく変えた機材について、またそうした変化に伴って生まれた新たなテクニックについて語ってもらう。もともとはオーストラリア『AudioTechnology』誌の創刊15周年を記念した企画で、本誌に掲載するにあたり、日本人エンジニア2氏へのインタビューも行った。15 年前の1998~99年と言えば、レコーディング業界は急速かつ劇的な変化を迎えつつあった。DAWシステムという新たな大波が押し寄せ、一時代を築いてきたデジタルMTRや単体ハード・ディスク・レコーダー、コンソールを駆逐し始めたのである。さらにDAWシステムが普及するにつれその音質や利便性も向上し、レコーディングからミックス、さらにはマスタリングまで、音楽制作のすべてをコンピューターという“箱”の中で一貫して処理することが可能になっていく。こうしたDAWの普及&進化と並行して、商業スタジオの相次ぐ閉鎖、レコーディング予算の大幅削減などが起こったことで、音楽業界で働くプロデューサー、レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニアたちの仕事の仕方も根底から変わっていった。これは同時に、この15年で音楽のスタイルがどのように変わっていったのかも示唆していると言えるだろう。
≪登場エンジニア≫
チャド・ブレイク
マイケル・ブラウアー
ジョー・チッカレリ
トム・エルムハースト
フラッド
ジャクワイア・キング
ニック・ローネイ
マニー・マロクィン
アンドリュー・シェップス
D.O.I.
zAk


■特集2
表情豊かなボーカルを生み出すピッチ・コントロール・テクニック

“ボーカルのピッチ・コントロール”と聞くと、ピッチが外れた部分の補正作業を思い浮かべてしまいませんか? もちろんそれも一つのテクニックなのですが、ピッチ・コントロールにはボーカル・トラックにいきいきとした表情を与える働きもあるのです。本特集ではその技の数々について、Kim主宰のエンジニア/サウンド・プロデューサー、“音の魔術師”こと伊藤圭一氏に解説していただくことにしましょう。


■特集3
CV/Gateの仕組みを学ぶ

アナログ/モジュラー・シンセは廃れるどころか、年々盛り上がりを見せている。だがそうしたシンセを購入してみたはいいものの、うまく音作りができないという方も多いのではないだろうか? それはアナログ・シンセのキモだと分かっていても、どうしても避けてしまう“電気信号の流れ”みたいなものを理解していないからかもしれない。ならばその電気信号、すなわちCVってヤツともう少し仲良くしてみれば、音作りの手詰まり感から脱却できるのではないか……ということで、本企画の主役はアナログ・シンセの基本となるCVだ。その構造や仕組みを少しでも理解していただこうという特集である。


■Cross Talk Cross 渡部高士×タイチ・マスター
KORG GadgetはiPad用音楽制作アプリの決定打か?

有名メーカーのオーディオ・インターフェースが続々とAPPLE iPad 対応を果たし、AudiobusやVirtual MIDIなどアプリ間の信号をやり取りするアプリ/規格が続々と発表されるなど、iPadアプリを活用した音楽制作環境はここにきて急速に整いつつある。そうした状況の変化に敏感な一部のミュージシャンは、アプリを音楽制作にうまく取り入れ始めているようだ。そんな中リリースされたKORG Gadgetは、“ガジェット”と呼ばれる15種類のソフト音源をタッチ・スクリーンでコントロールできるキーボード/シーケンサーと組み合わせ、曲構成作りからミキシングまでを1アプリで完結。iPadの手軽さを最大限生かした、ある意味で“音楽制作アプリの決定打”とも言える完成度を誇っている。今回、編集部はそのGadgetの実力を計るべく、既にアプリを制作に実戦投入している渡部高士とタイチ・マスターの2人にGadgetのみを使った楽曲の制作を依頼。音源とともに、この魅力的なアプリの実力を感じ取ってほしい。


■ミックス解剖学
ファレル・ウィリアムス「ハッピー」
by レスリー・ブラスウェイト

海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはレスリー・ブラスウェイト。ヴァージン諸島出身のブラスウェイトは、自身の見聞や知識を広げるため、フロリダのフル・セイル大学にてレコーディングを学び1992年に卒業。その後アトランタに移住し、ビッグネームのプロデューサー兼ソングライターとして活躍するダラス・オースティンに師事し、オースティンのスタジオDARPで作業をすることとなった。さらに、エイコンの所有するミュージック・ボックス・スタジオで仕事をしたことにより、エイコンがファレル・ウィリアムスにブライスウェイトを推薦。以降さまざまなプロジェクトを共にする。そして、アニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』のために作曲され、ウィリアムスの新作アルバムのリード曲にもなった「ハッピー」のミキシングも手掛けた。ここではその手法について、ブラスウェイトに語ってもらおう。


■Classic Tracks
808ステイト「パシフィック・ステイト」

1980年代末から1990年代初頭にかけて巻き起こった、UKアシッド・ハウス・ムーブメントの最前線を切り開いた808ステイトの独創的なナンバー「パシフィック・ステイト」。1989年にリリースされたこの曲は、ファクトリー・レコードの創始者であるトニー・ウィルソンが経営するハシエンダ・ナイトクラブを中心に広がったレイブ系の“マッドチェスター・サウンド”の定義付けに一役買った。そして、その後のテクノならびにエレクトロニカ・シーンで活躍する新世代アーティストたちに大きな影響を与えるなど、音楽史に残る記念碑的な曲の一つとして知られている。オリジナル・バージョンが1988年にレコーディングされ、以降さまざまなリミックス作品が世に出ることになったが、ここでは808ステイト結成時のオリジナル・メンバーであり、ミュージシャン/コンポーザー/プロデューサー/エンジニアとしてマルチに活躍するグレアム・マッセイに当時の様子を振り返ってもらおう。


■behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち
横山克

映画やドラマ、CM、アニメなど、映像作品を音で彩る作曲家の音楽人生に迫る本連載。今回登場いただくのは、横山克氏。幼少期からピアノを習い、大学は国立音楽大学へ進学した氏は、大学在学中にCM音楽作家として頭角を現し始める。その後、アニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』『ノブナガ・ザ・フール』やドラマ『悪夢ちゃん』『夜行観覧車』『35歳の高校生』、TV番組『クローズアップ現代』のテーマ曲などの映像音楽を手掛ける一方、ももいろクローバーZへの楽曲提供など活動の幅を広げ活躍中だ。順風満帆に見える横山氏の音楽人生だが、その裏にはストイックなまでに作曲に向かい続ける姿勢がある。その映像音楽を手掛ける作曲家としての思いについて、2013年7月に設立されたばかりの現在の拠点であるプライベート・スタジオにて話を聞いた。

■コンサート見聞録
TK from 凛として時雨@浜離宮朝日ホール 音楽ホール

ロック・バンド凛として時雨のフロントマンでありソング・ライティングも務めるTK。彼のソロ・プロジェクト=“TK from 凛として時雨”が、3月にリリースされたEP『contrast』とも関連する弾き語りツアーを開催した。ここではファイナルの模様を音響設計とオペレートの面から見ていこう

■Beat Makers Laboratory:ボードウォーク

■people
◎小室哲哉
◎松浦雅也
◎プリファブ・スプラウト
◎スクエアプッシャー × Z-MACHINES
◎DJ ネイチャー
◎GREAT3
◎やけのはら
◎Cojok
◎Sadaharu Yagi

■report
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~Mitsu.J
◎SONICWIRE~林ゆうき
◎ライブ・スペース訪問:T2 SHIBUYA

■new products
◎BITWIG Bitwig Studio
◎DENSITYGS iVCS3
◎ROLAND TR-8
◎SOFTUBE Console 1
◎DAVE SMITH INSTRUMENTS Prophet 12 Module
◎AUDIENT ID22
◎PELUSO P-49
◎AKG K812
◎JBL PROFESSIONAL LSR308
◎MCDSP SPC2000
◎BEST SERVICE Shevannai
◎ARTURIA Microbrute
◎YAMAHA MG16XU

■LIBRARY
◎LOOPMASTERS ESSENTIAL EDM VOL.2
◎BIG FISH AUDIO CLASH

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7.5
◎ABLETON Live 9
◎APPLE Logic Pro X
◎AVID Pro Tools 11
◎TASCAM PROFESSIONAL SOFTWARE Sonar X3 Producer
◎PRESONUS Studio One 2

■column
◎サンプル大学グルー部ビートメイ科 SUI
◎ツナガル ロクオン 草間敬
◎skmt 2013 to 2014 坂本龍一
◎MUSIC SAFETY RESEARCH 奥田泰次
◎DE DE MOUSEのさっき何話してたっけ?
◎oscillator lover yukihiro
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ 戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎音楽と録音の歴史ものがたり 高橋健太郎
◎Independent Cities
◎私の手放せない一品~角松敏生のMELLOTRON M4000D Digital Mellotron

■sound&recording review
◎NEW DISC
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎BOOKS

 

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