MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2014年3月号

定価1,026円 (本体933円+税10%)
発売日2014.02.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 272ページ

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内容

追悼企画・佐久間正英が遺してくれたもの

■追悼企画
佐久間正英が遺してくれたもの

プロデューサー/ミュージシャン/作編曲家の佐久間正英さんが1月16日に帰らぬ人となりました。1981年の創刊以来、弊誌は長きにわたりさまざまな形で佐久間さんのお世話になりました。作品リリース時のインタビューはもちろんのこと、機材のレビューそして対談企画において、佐久間さんは常に制作者の視点で、明快な発言を続けられました。あらためてそれらに目を通すと、いずれも時代の先を見据えた示唆に富んだもので、これから音楽を作っていく人間にとって、今なお良き指針となるものばかりでした。今月号では追悼企画としてそれらの記事を可能な限り再掲載します。佐久間さんが遺されたものを受け継ぎ、未来を切り開いていくこと、それこそが私たちに課せられた使命でないでしょうか。
(1986年3月号掲載の「シンセ・サウンド解剖室」と2013年2月号掲載の「佐久間正英がオススメするAAXプラグイン」はiPad版にのみ再掲載となります。ご了承ください)


■特別企画
大瀧詠一
ナイアガラ・ムーンがまた輝けば
~類い希なるポップス職人の軌跡

2013年末、大瀧詠一急逝の方に言葉を失った人も多いだろう。そこで本誌では2号連続で緊急追悼記事をお送りする。まず今号は過去に本誌が行ったインタビュー(アウトテイクからの初出もあり)から、彼がプロデューサー/エンジニアに興味を抱いた経緯や、スタジオ機材/制作風景関連の話などを引用しつつその足跡をたどる。今まで彼の作品を聴いたことが無い方にもガイドとして楽しめるような内容となるよう配慮したつもりなので、大瀧の偉業を少しでも多くの人に知ってもらえたらと思う。また、坂本龍一、駒沢裕城(スティール・ギター奏者)、齊藤文昭(SCI代表取締役)の三氏からの追悼コメントも併せてお送りする。


■特集①
リアンプ大作戦~ギターに存在感を取り戻せ!

昨今ギター用アンプ・シミュレーターの性能が向上し、自宅でも実際のアンプさながらのサウンドが得られるようになりました。しかし、そのサウンドをほかの生楽器と合わせてみるといまいち抜けが良くなかったり、埋もれてしまったりという問題に直面することがあるのではないでしょうか? アンプをマイク録りするのも手ですが、スタジオを押さえるコストがかさむ上、録音後の微調整を行いにくいのが気になるところです。そこで、オススメしたいのが“リアンプ”というテクニック。あらかじめ録っておいたダイレクト音を実際のアンプで鳴らし、その出音をマイクで拾って再び録音するというものですが、一体どんなメリットがあるのでしょうか? 本特集では、レコーディング・エンジニアの中村公輔氏がプライベート・スタジオでのリアンプのテストを通し、その魅力に迫ります。


■特集②
カニエ、ダフト・パンク、ロードなどのヒット・アルバムを
D.O.I.が完全解析&その制作方法をシミュレート

CDの売れ行き不調が語られているにもかかわらず、ミックス・テープや配信も含め、2013 年も多くの作品がリリースされました。各音楽雑誌やWebサイトが年間ベスト・アルバムの企画を組む中、本誌は毎月「Engineers' Recommend」にて“新しい音”への鋭いアンテナを披露しているエンジニアのD.O.I. 氏に2013 年でプロダクションが印象に残った5作品の選出を依頼。各盤の音像や使用されているDAW/ソフト・シンセなど詳細な分析を重ねることで、サンレコ的な目線で最新サウンドのトレンドを浮き彫りにします。さらに、それらの分析から導き出された特徴的なサウンドのデモを同氏が作成。ヒット・トラックの制作手法をたどることで、トラック・メイクのインスピレーションを得てもらえれば幸いです。
◎ロード/『ピュア・ヒロイン』~FL Studioの良質な音源/エフェクトを活用
◎カニエ・ウェスト/『イーザス』~iMS-20でマスターをひずませてビートを組む
◎FKA Twigs/『EP2』~FAIRLIGHTアプリをCubasisで走らせる
◎エイサップ・ロッキー/『ロング・リヴ・エイサップ』~MIDIライブラリーも活用したMaschine Studioでの打ち込み
◎ダフト・パンク/『ランダム・アクセス・メモリーズ』~Live 9でオーディオをMIDIデータ化!


■特集③
オーディオ・ネットワークの新潮流

昨今よく耳にするオーディオ・ネットワーク。インターネットと同じイーサーネット・ケーブルを使い、多チャンネルのデジタル伝送を実現する……なんとなくそんなイメージを抱いている読者も多いことでしょう。一方で、アナログのマルチケーブルがデジタルに置き換わった以外に、どんな特徴があるのか、正確に理解している人はそう多くないと思います。この特集では、今話題となっているデジタル・オーディオ接続の規格をキーワードに、オーディオ・ネットワークとは何かを紐解いていきたいと思います。
◎Introduction~ネットワークとは何か?(EtherSound)
◎Dante
◎SoundGrid
◎MADI
◎その他の規格


■Cross Talk 鈴木Daichi秀行 × 岡村弦
最新サミング・ミキサーから考える
“Pro Tools 11以降のミックス”

いつしかミックス・ダウンの主流は、大型コンソールからDAWの画面へと移り変わった。しかしそれでも、“最後はアナログの空気に触れさせたい”という意図でサミング・ミキサーを併用するエンジニアは少なくなかった。ところがPro Tools 11の登場により、状況は一転。多くのエンジニアが“デジタルの飽和感が無くなった”“空間が広くなりアナログに近付いた”と評し、DAW内部でミックスを完結する流れはますます加速しているように見える。だがそんな中、名匠ルパート・ニーヴ氏のRUPERT NEVE DESIGNSと、老舗コンソール・メーカーSSLからプロ仕様のアナログ・サミング・ミキサーがそれぞれ登場。ミキシング・ツールを追求し続けてきた両者だけに、この時代にあえてこうした製品を送り出した意図とは?……既にPro Tools 11を使用しているクリエイター鈴木Daichi秀行とエンジニア岡村弦の両氏にこの2機種を試してもらい、“Pro Tools 11以降のミックス”をともに考えてみよう。
≪登場機種≫
◎RUPERT NEVE DESIGNS 5060 Centerpiece
◎SSL Sigma


■ミックス解剖学
アーケイド・ファイア「フラッシュバルブ・アイ」
by マーク・ローソン

海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはマーク・ローソン。カナダ・オンタリオ北部出身のローソンは、2003年にモントリオールに拠点を移したときに共通の知人らの紹介で、アーケイド・ファイアのリチャード・パリー(b)に出会った。それをきっかけに、2007年からバンドのメイン・エンジニアを務めている。バンドの4thアルバムで全米/全英チャート一位に輝いた『リフレクター』のレコーディングには、ローソンとともに、コリー・リッチーがアシスタント・エンジニアとして携わり、ルイジアナのドックサイド・スタジオ、ジャマイカのトライデント・キャッスル、そしてモントリオールにあるアーケイド・ファイアの新スタジオ、ソノボックスで行われた。『リフレクター』はソノボックスで作られた最初の作品で、2枚組/全13曲という内容。ミックスにはローソンのほかトム・エルムハースト、クレイグ・シルヴィー、ジェームス・マーフィーらが名を連ねているが、ここでは、ローソンが手掛けた「フラッシュバルブ・アイ」のミックスを、彼とリッチーの言葉からひもといていこう。


■Classic Tracks
トゥモロウ「マイ・ホワイト・バイシクル」

「マイ・ホワイト・バイシクル」は、イギリスのサイケデリック・ロック・バンドであるトゥモロウが1967年5月にリリースしたシングルである。バンドのギタリストであったスティーヴ・ハウによれば“イギリス初のサイケデリック・シングル”とのことだが、その真偽はともかく、イギリス初のサイケデリック・シングルの一枚であったことに間違いはない。オリジナル・バージョンこそヒットを逃したものの、その後、スコットランドのロック・バンドのナザレスが1975年にリリースしたカバー・バージョンがUKシングル・チャートのトップ20入りを果たし、さらにその約10年後、イギリスのテレビ・ドラマ『The Young One s』の中でニールというヒッピーに扮した俳優のナイジェル・プラナーによってカバーされたバージョンが同チャートのトップ100に入るなど、イギリスでは長年にわたって親しまれているナンバーだ。ここでは、レコーディングをプロデュースしたマーク・ワーツの言葉から当時の様子を振り返ってみよう。


■behind the scene~映像を音で彩る作曲家たち
吉俣良

 映画やドラマ、CM、アニメなど、映像作品を音で彩る作曲家の音楽人生に迫る本連載。今回登場いただくのは、作編曲家の吉俣良氏。氏は、大学卒業後、美空ひばりのサポート・キーボーディストとしてプロとして活動を開始。その後、ロック・バンドのキーボードのほか、サポート/アレンジャー/プロデューサーとして活躍し、37歳のとき、あるきっかけで映像音楽を手掛けるようになる。以降、NHK大河ドラマ『篤姫』をはじめ、『空から降る一億の星』『Dr.コトー診療所』、映画『冷静と情熱のあいだ』など、映像作品の作曲を中心に、アーティスト・プロデュースも並行しながら活動を続けている。映像音楽の作曲家としては遅いデビューと言えるが、氏のさまざまな経験が、映像音楽の作曲に役立っているという。拠点であるプライベート・スタジオにて詳しく聞いていこう。


■コンサート見聞録
怒髪天@日本武道館

増子直純(vo)、上原子友康(g)、清水泰次(b)、坂詰克彦(ds)から成る“怒髪天”。ストレートなサウンドと確かな演奏力で支持され続けるロック・バンドだ。今年で結成30周年を迎えた彼らが、去る1月12日にバンド史上初の日本武道館ライブを敢行した。さらに本公演ではSSLが初めて開発した最新鋭のPA用デジタル・コンソール=Live L500が国内初導入! 今回はそんな“ダブル・メモリアル”なコンサートについてレポートしていく。


■Beat Makers Laboratory:2ハングリー・ブラザーズ

■people
◎moumoon
◎やくしまるえつこ
◎Kan Sano
◎金子ノブアキ
◎リクオ
◎ピート・ナムルック

■report
◎フェア・レポート:The NAMM Show 2014
◎API500互換モジュール総覧
◎SHUREインサイド・ストーリー~KSMシリーズ
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~熊坂 敏
◎G-LIFE GUITARS “DP-G1”レポート
◎AUDIO-TECHNICA ATH-M50X~グレゴリ・ジェルメン
◎YAMAHA HPH-MT220ユーザー・レポート
◎YAMAHA CLユーザー・レポート
◎ライブ・スペース・レポート:dues 新宿

■new products
◎ELEKTRON Analog Keys
◎ARTURIA Keylab61
◎MCDSP 6020 Ultimate EQ
◎PRESONUS ADL700
◎APHEX Project Channel
◎MACKIE. MR8 MK3
◎AEA N22
◎LINDELL AUDIO 17XS MK2

■LIBRARY
◎SAMPLEPHONICS GHOSTEK INDUSTRIAL TECHNO
◎FREAKY LOOPS GLITCH HOP & MOONBAHCORE

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7
◎ABLETON Live 9
◎APPLE Logic Pro X
◎AVID Pro Tools 11
◎TASCAM PROFESSIONAL SOFTWARE Sonar X3
◎PRESONUS Studio One 2

■column
◎ツナガル ロクオン 草間敬
◎skmt 2013 to 2014 坂本龍一
◎MUSIC SAFETY RESEARCH 奥田泰次
◎DE DE MOUSEのさっき何話してたっけ?
◎oscillator lover yukihiro
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ 戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎音楽と録音の歴史ものがたり 高橋健太郎
◎Independent Cities
◎私の手放せない一品~太田桜子のDRAWMER 1960

■sound&recording review
◎NEW DISC
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎BOOKS

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