MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2010年7月号

定価1,153円 (本体1,048円+税10%)
発売日2010.06.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 262ページ / CD付き

この商品は現在、在庫切れとなっております。

内容

特集:iPadが導く次世代の音楽制作スタイル

■巻頭特集
iPadが導く次世代の音楽制作スタイル
日本でも発売され大きな話題となっているAPPLE iPad。アプリを使っての楽器やコントローラーとしての使用はもちろん、携帯性/ネットワーク性に優れたiPadの普及によって、ハード・ディスクにファイルを保存することなく、ネットを介してさまざまな作業を行う“クラウド”時代が本格的に幕を開けるとささやかれている。本稿では関係者への取材を通して、クラウドを含めた音楽制作環境にiPadが与える影響について考察していく。

≪Part 1 次世代の音楽制作デバイスiPad≫
◎iPadは楽器になる! 今井了介×KORG iElectribe
◎iPadはコントローラーや楽譜にもなる! 瀬川英史×SAITARA SOFTWARE AC-7 Pro Control Surface
◎iPadでDJプレイ&ビート・メイク! ダディ・ケヴ×HEXLER TouchOSC
◎iPadによる音楽制作のキラー・アプリ!? KORG iElectribeの実力に迫る
◎特別対談|赤松正行×國崎晋(本誌編集長)

≪Part 2 クラウドで音楽鑑賞/制作環境はどう変わる?≫
◎Web上で音楽制作できるクラウド系サイトを紹介
◎YAMAHAが提案する“クラウド型VST”とはどんなテクノロジーなのか?
◎クリエイターに人気の音源アップロード・サービスSoundCloudを使いこなせ!

■特別企画
最新ハンディ・レコーダー9機種録り比べ
手軽に音楽録音ができる機材としてすっかり定着し、毎年のように新モデルが登場しているハンディ・レコーダー。本誌では昨年4月号にて録り比べ企画を敢行したが、それから約1年の間で各社から多種多様な新モデルがどんどん登場している。というわけで、今回は最新9機種の録り比べを実施。2人のプレイヤーによる演奏を同時に録音しその音質をエンジニアの鎌田岳彦氏にレビューしてもらった。録音ファイルはWebサイトにアップしたので、ハンディ・レコーダーの購入を考えている人はぜひ参考にしてほしい。

■Cross Talk 佐久間正英×小林オニキス
Vocaloidは誰のためのツールか?
YAMAHAが開発した音声合成技術、Vocaloid。その技術を用いたソフト=初音ミクはバーチャル・ボーカリストとして人気を博し、その後も鏡音リン・レン、巡音ルカといった後続製品が生まれている。しかしながらこれらのソフトは、ビジュアル的なキャラクターも相まって、動画サイト“ニコニコ動画” を中心とするいわゆる同人音楽のカラーが強かったが、去る4月にメジャー作品を数多く手掛けているプロデューサー佐久間正英が、何と巡音ルカを使った楽曲をtwaud.ioで公開。従来のイメージとは異なるその仕上がりが大きな話題となった。これはVocaloidがより多くの音楽クリエイターにアピールするきっかけとなるのだろうか? 張本人である佐久間と、Vocaloidによる「サイハテ」をニコニコ動画で大ヒットさせた小林オニキスによる Cross Talkのスタートだ。

≪登場製品≫
CRYPTON キャラクター・ボーカル・シリーズ(初音ミク/鏡音リン・レン/巡音ルカ/初音ミク・アペンド)

■EVENT REPORT
奥田民生
宅録ライブ・ツアー=ひとりカンタビレに潜入!!
国民的ロック・アーティスト奥田民生が、1公演で1曲をレコーディングしながら全国10会場を巡るツアー=“ひとりカンタビレ”を敢行。多くのオーディエンスが見つめる中、奥田が1人ステージ上でPro Toolsを用いて多重録音を行っていくという実に特殊な内容のイベントとなった。しかも、その模様はインターネットでストリーミング中継され、そこで作り上げたトラックは同日中にネット配信もされた。本誌では、ツアーの中でも5月7日にSHIBUYA-AXで行われた公演に潜入。奥田と共にステージに立って録音のサポートを行ったエンジニア、宮島哲博氏にお話を伺いながら、このイベントの舞台裏をレポートしていこう。

■CLASSIC TRACKS
ブルース・スプリングスティーン
「ボーン・イン・ザ・U.S.A」
ブルース・スプリングスティーンがアルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』をリリースした1980年代半ばは、今なお華々しいそのキャリアがひとつの頂点を迎えた時期だったと言えよう。アメリカで1,500万枚以上、全世界で3,000万枚以上を売り上げたこの作品は、スプリングスティーンのアルバムで商業的に最も成功した一枚であり、「ダンシン・イン・ザ・ダーク」「カヴァー・ミー」「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」「アイム・オン・ファイア」「グローリィ・デイズ」「アイム・ゴーイン・ダウン」「マイ・ホームタウン」など、全米シングル・チャートのトップ10に入ったヒットが7曲も含まれている。ちなみに1枚のアルバムから全米トップ10入りシングルが7曲もカットされるのは世界タイ記録であり、スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・ U.S.A.』のほかではマイケル・ジャクソンの『スリラー』とジャネット・ジャクソンの『リズムネイション1814』しかない。スプリングスティーンのシングルで全米トップ10入りしたシングルがこれまでのところ12曲であることを踏まえれば、その半分以上がこのアルバムに収録されているのであり、そのキャリアの中でこの作品がいかに重要な位置を占めているのかがよく分かる。とりわけ今なおラジオでよくオンエアされ、7月4日のアメリカ独立記念日には愛国賛歌のように流される表題曲は彼の代表作と言っても差し支えないだろう。もっとも「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」は、本当はアメリカ賛歌といった性格を帯びた曲ではない。

■ミックス解剖学
ジョニー・キャッシュ
「エント・ノー・グレイヴ」by デヴィッド・R・ファーガソン
海外トップ・エンジニアに自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説していただく本連載。今回登場していただくのは、グラミー賞を11回受賞し、ロックの殿堂、ソングライターの殿堂、カントリーの殿堂入りも果たしているレジェンド、ジョニー・キャッシュの遺作に携わったエンジニア、デヴィッド・ R・ファーガソンだ。2003年に逝去したキャッシュのナッシュビルでの最後のレコーディングの模様や、その後、プロデューサーであるリック・ルービンとともにどんな編集作業が行われたのか、詳しく聞いていこう。余韻がずっと続いて耳にこびりつき、かつ明らかにそれと分かるキャッシュの声で歌われる、ゴスペルのクラシック・ソング「エント・ノー・グレイヴ」を聴けば、彼の死去から6年を経た現在でも誰もがそのハートをつかまれて切ない思いをするに違いない。

■SPECIAL REPORT
UNIVERSAL AUDIO
伝統のアナログと先進のデジタルを両立するメーカー
全世界のスタジオで使われている1176やLA-2Aといったコンプレッサーなどのアウトボードを生産する一方、数々の名機を高度に再現したプラグイン環境UADシリーズでも知られるUNIVERSAL AUDIO。もともとはレコーディング・エンジニアであり、アウトボードやコンソール開発でも才能を発揮したビル・パットナム・シニア(Sr.)が設立したブランドを、1999年にDSPの専門家であった息子が再始動させたという経緯を持つ。今回は、カリフォルニアのUNIVERSAL AUDIO本社を訪問。オーナーであるビル・パットナムJr.へのインタビューや生産工程のレポートを通じて、同社の歴史と今後の展開に迫る!

■付録CD連動企画
赤川新一 入魂の新築スタジオ
STRIP Gardenの響きを録る!
本誌連載「HOW TO BUILD OUR STUDIO」でその建設過程を逐次レポートしてきたスタジオがついに完成! 床面積120平方メートル×天井高9mというレンガ造りのメイン・ルームを備えた大規模な施設が千葉郊外に誕生した。ここでは立案からスタジオ設計までを手掛けたエンジニアの赤川新一氏に、あらためて詳細を紹介をしていただく。そして、このスタジオの音を読者にもお伝えすべく、ここでレコーディングしたサウンドを付録CDに収録! オーディオCDでの2ミックスに加えて、24 ビット/48kHzのWAVマルチ素材(各パートごとのステレオ・ステム・ミックス)のCD-ROMとしても楽しめるようにした。大空間がもたらす極上の響きを、誌面と併せてご堪能いただきたい。

≪参加ミュージシャン≫
宮良牧子(vo)/金子飛鳥(vln)/徳澤青弦(vc)/鶴来正基(ac.p)/井上富雄(b)/富岡"GRICO"義広(ds)

■US Beat Makers Lab.
フリー・ザ・ロボッツ

■people
◎藤原ヒロシ+K.U.D.O
◎カヒミ・カリィ
◎ATOMTM&MASAKI SAKAMOTO

■report
◎コンサート見聞録:トータス@ラフォーレミュージアム六本木
◎アコースティックエンジニアリングが提案するコンパクト・スタジオの姿
◎スピード登録!RouterRで始める音楽配信
◎製品開発ストーリー:GENELEC 8260A
◎REACでつながるデジタルPAシーン
◎用途に合わせたワイアレス・システム SENNHEISER Evolution G3 Series
◎ライブ・スペース訪問:FORESTLIMIT

■new products
◎INTERNET Singer Song Writer 9 Professional
◎IK MULTIMEDIA Amplitube 3
◎WAVES HLS Channel/Pie Compressor
◎SLATE PRO AUDIO Dragon
◎METRIC HALO LIO-8
◎KORG Monotron
◎ROLAND VP-7
◎PIONEER DJM-2000
◎ARNIS SOUND TECHNOLOGIES SoundLocus for Mac
◎MOJAVE AUDIO MA-101 Fet
◎KENTON USB Solo

■LIBRARY
◎BIG FISH AUDIO ELEMENTAL STUDIO PERCUSSION
◎SOUNDS TO SAMPLE KICK FREE REVOLUTION Vol.2

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 5
◎ABLETON Live 8
◎DIGIDESIGN Pro Tools 8
◎CAKEWALK Sonar 8.5
◎MAGIX Samplitude 11

■seminars
◎作曲に悩む人のためのプログラミング講座~ハウス編/Watusi
◎波形編集でトラックを作ろう/飛澤正人
◎ミックス・ダウン研究所/山内“Dr.”隆義
◎シンセで作るオレ流サウンド/H2
◎現代のPAシステム/志村明
◎Q&A

■column
◎Independent Cities
◎THE CHOICE IS YOURS/原雅明
◎素晴らしきエンジニア・オーディオの世界/三好敏彦
◎no Pain, no Gain/瀬川英史
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ/戸田誠司
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎私の手放せない一品~ナカムラヒロシのROLAND JP-8000

■standards
◎Information

■sound&recording review
◎NEW DISC
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