MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2010年4月号

定価1,026円 (本体933円+税10%)
発売日2010.03.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 248ページ

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内容

中田ヤスタカ(capsule)  「Auto-Tuneをオートで使うヤツには“ナメるな!”と言いたい」

■巻頭インタビュー
中田ヤスタカ(capsule)
エレクトロ界の貴公子が語る
「Auto-Tune」「音楽業界」「マスタリング」そして「USBキーボード」!?
自身のプロジェクト=capsuleや幾多のプロデュース・ワークを通じ、世間を賑わすサウンドを作り続けているクリエイター、中田ヤスタカ。先日リリースされたcapsuleの新作『PLAYER』では、従来のいわゆるビリビリ系サウンドが減少し、過激なエレクトロを期待していたリスナーにとっては、多少の戸惑いはあるかもしれない。しかし、その“違和感”こそがまさに中田の意図するところ。安易に世間に受けるサウンドを繰り返すよりも、音楽的な進歩のために、彼は独自のストライク・ゾーンを提示してきたのだ。新作の制作秘話を中心に、サンレコの視点から音楽/機材業界に関する多彩な質問もぶつけてみた。プライベート・スタジオの写真とともにお楽しみいただきたい。

■特集
本気のヘッドフォン選び全70モデル徹底レビュー
~インイア・タイプやノイズ・キャンセリング、
さらには10万円超えの高級モデルまでそろい踏み!
モニタリング環境の整備は音楽制作における最重要課題である。しかし、自宅において十分な音量で、なおかつ正確なモニタリングが行える空間を作るには、遮音や吸音などの専門的な知識が必要であり、コストもかかる。そのため実際にはスピーカーとヘッドフォンを併用しているケースが多いのではないだろうか。またマイクによる録音時にもヘッドフォンは必須アイテムであり、モニターの音質がそのまま録音や演奏のクオリティにつながることもある。さらに最近はモバイル用の音楽制作システムも広く普及しており、外出先での曲作りでもヘッドフォンは欠かせない。同時に、携帯音楽プレーヤーの普及に伴うリスニング・スタイルの変化によりヘッドフォン・シーンは劇的な成長を遂げ、家電量販店には膨大な数が並んでいる。喜ばしいことではあるが、その中から自分に合った製品を選び出すのはなかなか難しい。そこで今回は5つのカテゴリーに分けたヘッドフォン70モデルを、エンジニアの方にチェックしていただいた。その一覧を右ページに記しているが、ここにはスタジオ・モニター用とうたわれていないモデルも取り上げているほか、外出先などでの使用に重宝するノイズ・キャンセリング型やインイア型もピックアップしている。お気に入りの1台を探すのはもちろん、ミックス用、レコーディング用、モバイル用、ライブ用などなど、用途に応じて選ぶのも楽しいのではないだろうか。

≪10万円以上≫
AUDIO-TECHNICA ATH-W5000/BEYERDYNAMIC T1/DENON AH-D7000/GRADO PS1000/SENNHEISER HD 800/STAX SR-007A/ULTRASONE Edition8 Ruthenium5

≪5万円以上~10万円未満≫
AKG K702/AUDIO-TECHNICA ATH-A2000X/DENON AH-D5000/SENNHEISER HD 650/SONY MDR-SA5000/ULTRASONE Pro 2500/ULTRASONE Pro 900/VICTOR HP-DX700

≪1万円以上~5万円未満≫
AKG K240 MKII/AKG K271 MKII/AUDIO-TECHNICA ATH-AD1000/AUDIO-TECHNICA ATH-SX1A/BEYERDYNAMIC DT770 E/600/BEYERDYNAMIC DT990 E/600/BOSE Around-ear Headphones/DENON AH-D2000/DIRECT SOUND EX-29/EQUATION AUDIO RP-21/FOSTEX T40RP MKII/FOSTEX T50RP/GRADO SR325IS/KOSS MV1 P078/KOSS Pro4AAAT/M-AUDIO Studiophile Q40/MONSTER MH BTS ON SO WH CT/ROLAND RH-300/ROLAND RH-A30/SENNHEISER HD 380 Pro/SENNHEISER HD 595/SHURE SRH840/SONY MDR-CD900ST/SONY MDR-SA3000/SONY MDR-Z900HD/STAX SR-404/ULTRASONE HFI-2400/ULTRASONE Pro 650

≪ノイズ・キャンセリング≫
AUDIO-TECHNICA ATH-ANC7B/BOSE QuietComfort 15/DENON AH-NC732/MONSTER MH BTS OE WH/SENNHEISER PXC 450/SONY MDR-NC600D/VICTOR HP-NC250

≪インイア≫
AUDIO-TECHNICA ATH-CK90Pro/BEYERDYNAMIC DTX/BOSE In-ear Headphones/DENON AH-C710/ETYMOTIC RESEARCH ER-4S/GRADO GR8、KLIPSCH Image X5/KOSS KDX300 Gold/M-AUDIO IE-40/MICROSONIC MUSIC Epic Universal-X/MONSTER MH Beats IE/ORTOFON E-Q7/ROLAND RH-IE3/SENNHEISER IE 8/SHURE SE530/SONY MDR-EX700SL/STAX SR-001MK2/ULTIMATE EARS TF10Pro/VICTOR HA-FX700/WESTONE Westone 3

■Cross Talk 鈴木慶一×高桑圭
ハーモニー・プロセッサーで変わるボーカルの“演奏”スタイル
たった一人のボーカルから何重ものコーラス・サウンドを生み出す、“ハーモニー・プロセッサー”とも呼ぶべきエフェクターが近年急増している。ペダル型が多いことに加え、ギターやMIDI入力によるキーの自動判定やフレーズ・ループといったライブ・パフォーマンス向けの機能を内蔵しており、ステージでの使用を前提としているのは明らかだ。今回は、既にこの種のエフェクトをライブで使用しているムーンライダーズの鈴木慶一、Curly Giraffeこと高桑圭のお二人を迎え、これらハーモニー・プロセッサーがステージ・パフォーマンスにどんな影響をもたらしていくのかを熱く語っていただく。

≪登場製品≫
◎BOSS VE-20
◎DIGITECH Vocalist VL3D
◎ELECTRO-HARMONIX Voice Box
◎TC・HELICON VoiceLive 2

■インタビュー
オウテカ
移り変わりの激しいエレクトロニカ/ブレイクビーツ・シーンにおいて常にマイペースを保ち、それ故に唯一無二の存在感を放つオウテカ。10作目となる最新アルバム『オーヴァーステップス』でも、“らしい”としか言いようがない高度なリズム・プログラミングとプロセッシングされたシンセ・サウンドという基本構造こそ変わらないものの、収録された各曲はドラマ性を増し、アルバム全体はサイケデリックとすら言える色彩を帯びている。この“境界を踏み越えた”意欲的な新作について、メンバーのロブ・ブラウンに話を聞く。

■プロダクション・レポート
マイケル・ブーブレ
今や2,000万枚を超えるアルバム・セールスを誇る34歳のカナダ人シンガー=マイケル・ブーブレは、スウィング・ミュージックを簡単にファッショナブルなものにしてしまった。2003年に自身の名前を冠したアルバムを携えてメインストリームに現れ、グラミー賞受賞作を含め素晴らしいヒット・レコードを立て続けに発表。そして4枚目のアルバムとなる最新作『クレイジー・ラヴ』は既に全米、全英ほか多くの国々でナンバー・ワンを記録している。偉大なるシンガーの影には、必ず偉大なプロダクション・チームがいるもの。ブーブレのチームはアメリカの音楽産業における2人の巨匠によって率いられており、幾多のグラミー受賞歴を持つデヴィッド・フォスターと、エンジニアも務めるウンベルト・ガティーカの指揮により、ビッグ・バンド・サウンドをアップデートした音楽を作り上げている。クラシカルなタッチとモダンな音響を見事に融合させた同作の制作過程について、名匠ウンベルト・ガティーカが語った。

■コンサート見聞録
清水靖晃+渋谷慶一郎@東京芸術劇場 中ホール
東京芸術劇場にて、去る3月1~4日にかけて行われた文化庁主催の“東京芸術見本市2010”。世界各国の気鋭のアート作品の展示/公演が行われるこのイベントは、今年で14回を数える。そして、小誌のディレクションの下、本年度の音楽ショーケースとして用意された演目が、清水靖晃と渋谷慶一郎よるサキソフォンとピアノのコラボレーションだ。アコースティック/電子音楽問わず、幅広いフィールドで多岐にわたる活動を見せることで共通する2人ではあるが、意外なことにこれが初共演。また本公演では、サウンド・プロデューサーのevala氏によって、清水と渋谷の演奏している楽器の音の一瞬一瞬をサンプリング/加工して生成したサウンドを使った演出も行われた。それらサウンド・システムを探るべく、本誌はevala氏とPAを担当されたOasis Sound Designの金森祥之氏にインタビューを敢行。システムの概要から、公演の内容までをレポートしていく。

■CLASSIC TRACKS
ニューヨーク・ドールズ「人格の危機」
ザ・ラモーンズ、ザ・セックス・ピストルズらが出現する以前に音楽シーンを駆け抜けた元祖パンク・バンドがいた。ニューヨーク・ドールズである。エネルギッシュなサウンド、不遜な振るまい、都会のストリートに巣くう不良といったイメージなど、MC5、ザ・ストゥージズ、ザ・ローリング・ストーンズらを彷彿とさせる由緒正しいロックンロール・バンド的な要素に、グラム・ファッションという中性的なビジュアル要素を加えた彼らは、キッチュかつ挑発的な独自のブルース・ベースのガレージ・ロックを生み出したことで、後のパンク・バンドだけでなく、グラム・メタルやニューウェーブ系のバンドにも多大な影響を与えた。しかしロック史上大きな功績を残したのにもかかわらず、当時レコーディングしたスタジオ・アルバムがわずか2枚だけで、しかもそのいずれもがカルト的な人気こそ博したものの商業的にはあまり成功せず、さらにその音楽に対する当時の評論家の評価が絶賛から酷評までと大きく二分されていたため、彼らが王道を歩むメジャー・バンドとなることはなかった。2010年2月に紙ジャケットで再発された記念すべきデビュー作にまつわる物語だ。

■US Beat Makers Lab.
ピート・ロック

■people
◎ジョアンナ・ニューサム+ジム・オルーク
◎サカナクション
◎グルーヴ・アルマダ

■report
◎スタジオ・レポート:Elysian Masters Los Angeles
◎アコースティックエンジニアリングが提案するコンパクト・スタジオの姿
◎V-Mixing System導入レポート~La Donnaの場合
◎ライブ・スペース訪問:新宿 SUN FACE

■new products
◎KORG Kaossilator Pro
◎MUSIC LAB Real LPC
◎NEUMANN TLM102
◎SHURE PG42-LC
◎ALPHA-MODE TRM10
◎AKAI PROFESSIONAL MPK88
◎ECHO Audiofire Pre
◎NOMAD FACTORY Pulse-Tec EQS
◎SOFTUBE Tube-Tec CL1B Compressor
◎KLARK-TEKNIK DN530
◎WHARFEDALE PRO Comax12

■LIBRARY
◎ZERO-G DARK SKIES-CINEMATIC AMBIENCES
◎LOOPMASTERS DEADMAU5 XFER

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 5
◎ABLETON Live 8
◎DIGIDESIGN Pro Tools 8
◎CAKEWALK Sonar 8.5
◎SONY Sound Forge Pro 10

■seminars
◎作曲に悩む人のためのプログラミング講座~ハウス編/Watusi
◎Mic Rec Tutorial/渡邊修一
◎波形編集でトラックを作ろう/飛澤正人
◎ミックス・ダウン研究所/山内“Dr.”隆義
◎シンセで作るオレ流サウンド/H2
◎Q&A
◎現代のPAシステム/志村明

■column
◎[新連載]THE CHOICE IS YOURS/原雅明
◎HOW TO BUILD OUR STUDIO/赤川新一
◎素晴らしきエンジニア・オーディオの世界/三好敏彦
◎no Pain, no Gain/瀬川英史
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ/戸田誠司
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎[新連載]Independent Cities
◎私の手放せない一品~Dub Master XのROLAND SDE-2000

■standards
◎Information

■sound&recording review
◎NEW DISC
◎ENGINEERS' RECOMMEND
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