次に来る音を考えてピッキングの向きを選ぼう

このフレーズを弾く際に注意しなくてはいけないのは、5弦→1弦への上昇スウィープ後に行なう1＆2弦の切り返しピッキングだろう。1小節目を例に挙げて解説すると、2＆3拍目は同じ内容のフレーズをくり返しているが、各拍の4音目のピッキングが異なっている（図1）。2拍目の4音目は、3拍目アタマの1弦をエコノミー・ピッキングするためのダウンで弾く。これとは逆に3拍目の4音目は、4拍アタマの3弦をスウィープ・ピッキングするためにアップで弾くのだ。スウィープ／エコノミー・ピッキングを弾く際には、次の音のことを考えて、フレキシブルにピッキング・コントロールする必要がある。勢いだけで弾くことなく、しっかりとピッキングの順番を考えて弾くことが大切だ。

人差指の動きも意識しながら小指を大移動しよう！

このフレーズの中では、特に4小節目3拍目のコード・チェンジに注意してもらいたい。ここでは、BマイナーからFメジャーに一時的に転調【註】しているため、小指が1弦14フレットから20フレットへ大きく移動している（写真2?3）。この時、ノイズ対策のために人差指で2弦をミュートしてほしい。続いて、20フレットを押さえた時点で、人差指を1弦17フレットに待機させておくとよいだろう。このような小指が大きく移動するフレーズでは、小指ばかりに気を取られてしまうが、人差指の動きにも意識を持って、ミュートや素早い押弦をするようにしてほしい。こういった人差指の目立たない動きにも気を配ることで、正確な速弾きプレイに必要なセンスが養われるのだ。

【一時的に転調】
一時的にこれまでのキー（調）を離れ、別のキーに変化するケース。短い時間でもとにキーに戻るため、調号は変化しない。単調で画一的なコード進行に多彩な雰囲気を与える効果がある。

人差指による1弦10fの押弦時。14fの押弦準備もする。

小指で14fを押弦。このあとが大移動になる。

20fに移動。人差指も17fを押さえておく。

小指によるプリングを行い、17fを鳴らす。

※譜面をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

8分でメイン・フレーズのスウィープ・パターンを確認せよ。

メイン・フレーズと同じコード進行だ。全体の流れを把握しよう。

1&2弦を集中的に弾き、“切り返し”ピッキングに慣れるのじゃ！