ギター・マガジン

R.A.S.式ピッキング 速弾き攻略のための究極メソッド

加茂 フミヨシ(著)

定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
発売日2013.02.25
品種書籍
仕様A5判 / 276ページ / CD付き
ISBN9784845621927

※ムック『ひたすら弾くだけ! ギター・トレーニング』3冊分相当の厚さになっております。

内容

速く弾けない理由は、弦抵抗による動作の妨げだった! 本書を読むだけで、ピッキングの秘密の全貌が明らかに!

本書は、“ピッキング時におけるさまざまな問題を極限まで排除する”ことを目的としています。速弾きにおいて、その最大の原因が弦抵抗です。つまり、速く弾けない理由は動作が遅いからではなく、ピックが弦に引っかかるからなのです。この弦抵抗を含めたさまざまな問題を、プレイ・フォーム、ピック&機材選定のコツ、演奏中の心理、無意識に動く筋肉のコントロール術などの側面から極限まで探求し、解決に導いています。そして、その“具体的な練習方法”も紹介。なお、“R.A.S.”とは、ピッキングにおいて重要となる要素、リラックス(Relax)、アタック(Attack)、スピード(Speed)の頭文字を取ったもの。この3要素をベースとして、速弾きや音楽的な表現力、音抜けの良い明瞭なサウンドを可能にするピッキング法が“R.A.S.式ピッキング”です。つまり、風変わりなことを目指すのではなく、“王道の演奏方法を具体的にどのように練習すればマスターできるのか?”という部分にフォーカスした、まったく新しいトレーニング方法となっています。さらに、本書は読み物を中心としており、まったくのゼロから徹底解説を行なっているのも特徴。この詳細な解説とともに、厳選された精密な譜面と合わせ練習をします。練習用カラオケは3段階のテンポを用意。全トラックに、歪みでごまかさないクランチ~クリーンによる模範演奏を収録する徹底ぶりです。これらにより、超入門者にもピッキングのコツが手に取るようにわかるでしょう。
 
【CONTENTS】
■1章 R.A.S.式ピッキングのフォームについて
≪本書で推奨するフォームの特徴&メリット≫
◎コード・ストロークができないと、せっかくの速弾きも台無しになる
◎ブルースの強弱表現にも対応できるピッキング方法
◎あらゆるジャンルに対応できることの重要性を考える
◎長時間、長年の練習に耐えられることも重要

≪3種類のピッキング動作と、その特徴の考察≫
◎~直線軌道~R.A.S.式ピッキングの基本形
◎~回転軌道~単音をより速く弾くためのピッキング法
◎~遠近軌道~回転軌道の応用型ピッキング
◎ストローク譜例で行なう直線軌道ピッキングの練習
◎回転軌道ピッキングを習得するためのエクササイズ

≪ピックの持ち方と、各指の役割を分析≫
◎親指の役割と、ピックを持つ位置
◎人差指は軽く曲げ、アップ時にドアノブを回すような意識で
◎中指はリラックスさせ、赤ちゃん手の状態にする
◎薬指と小指は、ピックガードに固定させないこと!

≪ピッキング・アングルとその特徴≫
◎3種類のピッキング・アングルについて

≪弾く時の姿勢が及ぼす影響を検証≫
◎座って弾く場合の身体への負担&弾き心地
◎立って弾くことへの対応策を検討する

■2章 機材の影響を検証
≪アンプ&エフェクターがピッキングに及ぼす影響とは?≫
◎アンプによるコンプレッション感の影響
◎ハイ・ゲイン・アンプに歪み系エフェクターをつなぐ理由とは?
◎セッティングにおける注意点~リスナーの印象も考慮しよう~

≪自分にとって最も適したピックの選び方≫
◎ピックの厚さと弾き心地の関係を解明
◎ピックの先端の形状がアタック感と肉体面に影響を及ぼす!
◎速弾きがしやすい高級ピックの秘密を解析!

≪ギター本体に関して最低限知っておきたいこと≫
◎スキャロップ加工は速弾きのためではない?
◎指板のカーブとフィンガリングのしやすさの関係
◎弦高は、ビビリが発生しない程度に下げておく
◎ジャンボ・フレットのメリットとデメリット
◎ハムかシングルかは、自分の音楽志向で選ぶべし
◎メインテナンスをしない人は、なかなか上達しない

■3章 ウォーム・アップ&基本事項のチェック
≪ストレッチ運動と、その重要性について≫
◎ストレッチ運動の短期的な効果
◎ストレッチ運動の長期的な効果
◎ストレッチ運動の具体例
    
≪弦抵抗を緩和! 脱力ピッキングを身につける≫
◎リラックスして弾いた時の限界速度=素振りピッキング
◎無意識に余計な力が入ってしまうことへの防止策
◎前腕上部のリラックスを得るための練習方法
    
≪R.A.S.式ピッキングにおけるテンポ設定法≫
◎強弱のつけられるテンポでの練習と、その意義
◎可変テンポ・トレーニングの注意点とポイント

≪持続性を必要とするプレイについて検証≫
◎同一弦の単音ピッキングは、弦切れに注意
◎全弦カッティングは、一定の振り幅をキープすべし
◎空ピッキング混じりの高速リフは、意識が複雑化する
◎フル・ダウン・ピッキングでは意識的に力の開放を行なう

≪押弦ポジションや使用弦による弾き心地の違いとは?≫
◎ハイ・ポジションとロー・ポジションの違いを検証
◎高音弦と低音弦の違いを検証
◎素振りピッキングと、実際のピッキングをくり返す譜例
◎手首に溜まった力を開放する感覚を得るための譜例
◎タッチ法により、リラックス感を学ぶトレーニング
◎低音弦と高音弦を行き来するマシンガン・ピッキング

■4章 各種テクニックの分析
≪基本的ピッキング動作の攻略法≫
◎例外的!? 1本弦オルタネイト&トレモロ・ピッキング
◎速弾きの中核を成す、弦移動を含むピッキング
◎インサイド・ピッキング、アウトサイド・ピッキング
◎ポール・ギルバート風の弦移動エクササイズ
◎6弦から1弦へ一気に駆け上がるオルタネイト・ピッキング

≪ハイテク系ピッキングの攻略法≫
◎弦跳びピッキングの2大ポイント
◎ハイブリッド・ピッキング、チキン・ピッキングの注意点
◎スウィープ・ピッキング、エコノミー・ピッキングの対策
◎オルタネイト・ピッキングのみで弾く弦跳びエクササイズ
◎右手の中指&薬指を使うハイブリッド・ピッキング
◎スウィープ&エコノミーを多用したエクササイズ

■5章 心理的要因による妨げを回避する
≪ライヴでミスを減らすための練習方法&事前準備≫
◎個人練習で、やっておくべきこととは?
◎本番のミスを想定したバンド練習方法
◎個人練習とバンド練習の両面に関する注意事項

≪ライヴ本番の心理的な負担を軽減する方法≫
◎ステージ内の音量がプレイに影響を与える
◎キメ・ソロとアドリブの心理的な負担の違いを知っておく
◎ストレッチが肉体面、心理面の緊張をほぐす

≪モチベーションの維持~R.A.S.式ピッキング継続の秘訣~≫
◎“弾けるor弾けない”は、絶対的な尺度になり得ない
◎自分のやっている音楽への愛が現状打破のカギとなる!
◎弾けないから、ギターをやめるのは妙な話

■6章 隠れ速弾きの難しさを探る
≪音楽の本質に迫る~隠れ速弾きとは?~≫
◎スキル・バロメーター~速弾きの要素を検証~

≪中速度のフレーズの傾向と、その重要性≫
◎ギタリストの個性を決めるのが、中速度の演奏
◎中速弾きの難しさの正体とは?

≪ブルース系プレイに潜む多種多様な表現方法≫
◎強弱表現のバリエーションを考察
◎ピッキングやボリュームによる音色のコントロール
◎ブルース特有の変速ピッキング
◎有機的に変化するスピードにも注意

≪脳を多角的に刺激するジャズ系のプレイ≫
◎スケール・チェンジや、コード・トーンの使用による複雑化
◎ジャズ特有の不規則性を理解しておく
◎複雑な要素をアドリブでコントロール

≪疲労との極限的な戦い!? 高速リフへの挑戦≫
◎スピーディなフル・ダウン・ピッキングへの対応法
◎ミュート時におけるピッキングのポイント
◎ピッキング・ハーモニクスへのフォーム・チェンジ
◎中速弾きの難しさを理解するための譜例
◎さまざまな表現を駆使した超絶ブルージィ・ソロ
◎多方面において判断の速さが必要とされるジャズ・ソロ
◎2コーラス目が難所?! 連続ダウンの肉体的な負担を体験

付録ダウンロード

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編集担当より一言

「恥の多い演奏を送ってきました。自分には、上級者の練習というものが、見当つかないのです」。自らの音楽生活を『六弦失格』と称する私。そんな私が、人生を一転させるために『楽問のススメ』と呼べる本の編集を考えてきました。そして完成したのが、『R.A.S.式ピッキング 速弾き攻略のための究極メソッド』です。

速弾きを競い合う行為は愚かです。「弦は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」。つまり、ギターを弾く者に、上も下もありません。本書は、単なる速弾きレクチャーの枠を超え、音楽の哲学的な側面にまで迫っています。まさに『楽問のススメ』と呼ぶにふさわしい仕上がりです。(出版2部:プーさんの赤シャツ)