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2009年02月27日
ジェフ・ベックとエリック・クラプトンの共演 ライブ・レポートその3
Photo:ニシムラユタカ
ジェフ・ベックとエリック・クラプトン,
ニコニコと笑いながら2人はステージに出てきました。
そのなんともゆるい登場の仕方。
なんだか拍子抜けしたのはおいらだけではないでしょう。
拍子抜けというか,肩の力が抜けてホッとした感じ。
あ〜,ほんとにほんとだ。ベックとクラプトンが一緒だ。
あらららら〜という感じ。
うまく言えませんが,人間は奇跡を見慣れていないので,
目の前でその種の出来事が起きているのを見ると,
半信半疑のまま見とれざるをえないのでしょう。
そう,見とれたというのが一番近いですかね。
ここに集った人は,ふたりが一体どのような登場の仕方をするのか
それぞれに思いを巡らせていたと思います。
さぞやセンセーショナルな演出で舞台に上がるのか,
一方が先に弾いていて,あとから一方が加わるとか,
いろんな想像をしたことでしょう。
そして,この世紀の登場の一瞬を目に焼き付けようと
まばたきも我慢して,ステージを凝視していたことでしょう。
そしたら,意外と普通のゆるい感じで出てきたので,面食らった,
でも,よかった,そんな気持ちだったかもしれません。
会場は総立ち。嵐のような拍手。
これは誇張ではありません。
何しろ目の前にいるのはジェフ・ベックとエリック・クラプトンなんですから。
何度も言いますが,ベックとクラプトンなんですよ。
会場には歓喜の光が溢れました。
この瞬間を目撃できたことを全員が誇らしく思ったことでしょう。
そして,共演が始まりました。
マディ・ウォーターズのカバー「YOU NEED LOVE」です。
マイクに向かいギターを弾き始めるクラプトン。
その右側で躍動しながらプレイするベック。
同じストラト弾き同士で,片やメイプル指板(クラプトン),
片やローズ指板(ベック)というのが面白いなと思いました。
弾き手によって音色はまるで変わるわけですが,
指板による違いも確実にあるなと思いました。
どちらの音もまったく文句の付けようがなく,
ストラトキャスターというギターの素晴らしさを再認識しました。
果たしてレオ・フェンダーはこの瞬間を想像したでしょうか。
地球上で一番か二番のギタリストふたりが同じステージで,
ストラトを弾くこの場面を。
僕にはこれが偶然だとは思えません。
ストラトはもしかしたらこの日のために生まれてきたのかもしれない,
そんなことすら思いました。
まったくプレイ・スタイルの異なるふたり。
それは歌うギタリストと歌わないギタリストの対比でもありました。
SUNG GUITAR HEROとUNSUNG GUITAR HERO。
やはりクラプトンのギターは歌あってのギターであり,
ベックはギターそのものが歌。
それが見事な均衡を保っています。
もとよりこれは戦いではありません。
でも,ふたりとも本気でしたし,
やってるうちに競争心が湧いてきたとしてもまったく不思議ではありません。
それが男ってもんでしょう。
ところが,頑張っていたクラプトンも,ギターだけをとってみれば,
ベックの鬼のような凄さに舌を巻いた一瞬があり,
こりゃかなわん,という表情をしました。
対して,ベックは出るところは出ましたが,総じて抑制を効かせていました。
最後の方になると,役割が完全にできあがっていて,
歌とギターで圧倒するクラプトンとギターで圧倒するベックの力が相乗効果に!
堂々たる貫禄と弾きっぷりのクラプトン,
若々しく華を振りまいて飛び回るベック,
その姿の対比は,さながら王様と王子様でした。
アンコールはスライ&ザ・ファミリー・ストーンのカバーでした。
意外だけど,かっこよかった。すごいグルーヴだったな。
すべてを終えて,メンバー一同整列。
ベックだけが先に引き上げようとしたのをクラプトンが呼び戻して,
列に加わり全員で肩を組んで一礼。また一礼。
メンバー全員の顔に喜びと満足があふれていました。
会場は大興奮状態で,涙やら鼻水やら笑いやら叫びやらが飛び交っています。
こんなにいいものを見られるなんて,生きてて本当によかった。
遠くから来てよかった。とにかくよかった。素晴らしかった。明日も見たい。
大半の人がそう思ったことでしょう。
最高のギタリストは最高のステージをやるしかありません。
まったく期待を裏切ることのなかったベックとクラプトンはやっぱり最高で,
これからもギターの素晴らしさを僕らに教えてくれることでしょう。
ERIC CLAPTON & JEFF BECK
1. YOU NEED LOVE
2. LISTEN HERE -COMPARED TO WHAT
3. HERE BUT I'M GONE
4. OUTSIDE WOMAN
5. LITTLE BROWN BIRD
6. WEE WEE BABY
ENCORE
7. WANT TO TAKE YOU HIGHER
投稿者 ギター・マガジン編集部 : 2009年02月27日 11:30















