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2007年06月21日

村井邦彦BOX発売!

今日は『The Melody Maker〜村井邦彦の世界〜』をBGMに書いています。

村井邦彦といえば,「翼をください」の作曲者として有名ですが,
他にも数え切れないほどの,名曲・ヒット曲を書いた偉大な作曲家です。
そして,アルファレコードの創設者,プロデューサーとして,
赤い鳥,ガロ,荒井由実,カシオペア,シーナ&ロケッツ,YMOなど,
日本の音楽史上最も重要なアーティストを次々に世に送り出しました。

マイナー&カルトなところでは戸川純とかタンゴヨーロッパもアルファです。
ちなみにタンゴヨーロッパはおいらの大好きなバンドで,
書こうと思えばいくらでも書くことができますが,
間違いなくうざい文章になるので,ここではやめておきましょう。
ただ,彼女らの1stで未だCD化されていない80年代の名盤『乙女の純情』,
これだけはぜひともCD化してください,と勝手にお願いしておきます。
蛇足ですが,ガロについてはアコギ・マガジンのブログに書いていますので,
時間と興味のある人は読んでみてください。

さて,村井先生のヒット曲をざっとあげてみると,

「朝まで待てない」ザ・モップス,
「エメラルドの伝説」ザ・テンプターズなどのグループ・サウンズ,

「夜と朝のあいだに」ピーター,「経験」辺見マリ,
「ざんげの値打ちもない」北原ミレイなどの昭和歌謡,

「或る日突然」トワ・エ・モワ,「忘れていた朝」赤い鳥,
「美しすぎて」ガロ,「美しい星」森山良子などのソフトロック

といった風にジャンル別にたくさんあります。
40歳を超えている人なら,誰でも一度は聴いたことがあるでしょう。
90年代からこの方,一部に熱狂的なソフトロック再評価の波がありますから,
若い人でも知っているかもしれませんね。

今回のボックスは5枚組で,
上にあげたジャンルからまんべんなく選曲されており,
さらに村井先生の近年のオーケストラ作品集も付いています。

こうして聴いてみると,このメロディセンスは素晴らしいの一言です。
60年代からジャズやボッサなどの洗練された要素をいち早く邦楽に取り入れた
その功績は計り知れないものがあります。
そして,なんといってもハーモニー。
5thディメンションやロジャー・ニコルズなどの
本場A&Mサウンドに範をとったと思われる,
抜群のコーラスワークは村井サウンドの真骨頂です。
赤い鳥を,ガロを聴いてみて下さい。
そのめくるめくハーモニーに悶死しそうになります。

さらにさらに,洗練されたハーモニーと同居する
場末の酒場の路地の匂いのするメロディ。
このもの悲しさがたまらないのです。

98年,大村憲司さんが亡くなった時に,
村井先生にコメントをいただいたことがあります。
大村さんは70年代の初め頃,赤い鳥に在籍しており,
その後,ソロ・アルバムで大名盤『KENJI SHOCK』を
村井さんのプロデュースの下,アルファレコードからリリースしました。
村井先生はある意味,大村さんの育ての親でもあるのです。

当時,八方手を尽くして村井先生の所在を突き止め,
アメリカに住んでおられた先生に国際電話をかけました。
まずは大村さんが亡くなったことを伝えると,
そのことをご存知でなかった先生は,大変驚かれて,
おいらが知らせたことに感謝の言葉をくれました。
そして,昔の思い出,大村さんへの追悼の言葉を丁寧に語りだしました。
その魅力のあるやわらかな語り口が今でも耳に残っています。

このボックスのDisc2は「Ryoko,Junko,Emiko」
のサブタイトルが付けられています。
これは森山良子,山本潤子(赤い鳥,ハイ・ファイ・セット),
白鳥恵美子(トワ・エ・モワ)のことですが,
当時のソフトロックの3大歌姫のウィスパーボイスをギュギュッと凝縮した,
大変魅力のある選曲がなされています。
ここでは「美しい星」という名曲中の名曲を,3人の声で聴くことができ,
それはもううっとりするほどドリーミー,この上ない極上の幸せ気分に浸れます。

う〜ん,しかし何かが足りない。
Ryoko,Junko,Emikoだから仕方がないのですが,
実はこの曲,天地真理の名唱があり,
なんとかひとつボックスのどこかに入れて欲しかったと,
心に小さな穴があいたおいらなのでした。

日頃,ギター・マガジンを編集しながら,
ジミヘンかっけえ〜とか,レッチリ最高!とか,
レイ・ヴォーンしびれる〜(死語)とか職業的に叫んでみても,
おいらの戻ってくるところはココだとしみじみ思います。


投稿者 ギター・マガジン編集部 : 2007年06月21日 13:22