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2007年06月29日

高柳昌行と植木等 ふたりのジャズ・ギタリストその2

高柳さんといえば,戦後の日本を代表するジャズ・ギタリストで,
まさに伝説と呼べる人です。
フリー・ジャズやノイズ・ミュージックに取り組んだことでも知られますが,
例えば70年録音の『プロフィール・オブJOJO』などを聴くと,
はじけるようなバップ・フレーズと歌心のあるメロディが満載で,
その素晴らしさに圧倒されます。
この頃のメイン・ギターがES-175だったようで,
当時のレコードの裏ジャケットなどでその姿を確認できます。

今回の撮影にはおいらもついていきました。
どうしても見たかったんです。
担当のSが一生懸命撮影のセッティングをしている横で,
おいらはケースを開けました。
オーバーな表現ですが,一目ですごいオーラを感じました。
圧倒的な存在感。
フルアコのギターは,フルアコであるというだけで,
どういうわけか一割増しぐらい価値があるように見えるものですが,
それを差し引いても,そのボディから漂ってくる「匂い」は甘美でした。
恐れ多いことですが,弾かせてもらいました。
亡くなった当時のまま保管されていたということなのですが,
驚くほど調整が行き届いており,
このままライブでも使えそうなほど良い状態でした。
左手にピタッとくるフィット感。ほどよい弦高。

ピロピロと弾いていると,
どういうわけか4弦をヒュッヒュッとスライドしたくなります。
指が自然に素早く動いていくのです。
よく見ると,4弦だけがフラットワウンド弦でした。
もしかしたら,これが高柳スタイルの秘密かもしれないと思いました。

ケースの中には,直筆の譜面も入っていました。
五線上にオタマジャクシを重ね,コードネームが振ってありました。
味わい深い筆跡で。

7月号に掲載したギターのうしろに写っているのは,その譜面です。
ギターとギタリストの出会いが運命なら,
ギター編集者とギターの出会いは使命なのかもしれません。
それを読者に伝えるための。

投稿者 ギター・マガジン編集部 : 2007年06月29日 11:06