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2006年10月27日

詩とイルミネーション その1

今日は今度出るキング・クリムゾンのベスト,
『濃縮キング・クリムゾン』をBGMに書いています。
ロバート・フリップ責任監修+ライナーノーツ付きの決定盤。
有名曲はだいたいカバーされてますが,
何しろ彼らの音楽は曲が長いので,
「短縮版」という形で収録されているものもあります。
このあたり賛否両論呼びそうですが,
例えば「太陽と戦慄パート1」などは,
オリジナルにあるアンビエントな部分は省かれ,
ギター・パートのおいしいところがすぐに出てくるので,
コピーするのには返ってこっちのほうが都合がいいや,
と実用的に考えることもできます。
クリムゾンは大好きなんだけど,
曲は長いし,音があるんだかないんだかわからない,
あのまだるっこしい部分がどうにかならんかなあと思っている
おいらのようなファンには嬉しい編集ですね。
他にはお馴染みの「21世紀のスキッツォイドマン」,
「レッド」,「エレファント・トーク」,「ディシプリン」などなど
思わずコピーしたくなる曲がたくさん入っています。
そうでないのもありますが。

さて,クリムゾンといえば,
長いこと音楽を聴いていれば,いろんな思い出がくっついてきます。

以前書いたと思いますが,中学生の時,
先輩の家のレコード棚からなにげにひっぱりだしたレコードが
『クリムゾン・キングの宮殿』で,
ジャケを開いたら,ものすごい剣幕で先輩に怒られたことがあります。
見開きジャケは,開ききると,背に「筋」がついてしまうのです。
猛烈な勢いでおいらからレコードを取り返した先輩は
0.1秒以下のスピードでジャケットを閉じると,
背を上から下まで撫でていました。
あの時,部屋にこだました「パタン」という音は今でも
おいらの脳裏に焼き付いています。
覆水盆に返らずなんだけどね。悪いことしたな。

それ以来,「見開きジャケは全開禁止」というオキテが
おいらの体には染みついてしまいました。
不幸な体験です。

『クリムゾン・キングの宮殿』は押しも押されもせぬ
ロックの歴史的名盤ということになっており,
おいらも同意見ですが,
たとえクリムゾンやプログレが好きでなくても,
これだけは嫌いとは言えない,
「踏み絵」のようなアルバムだと言っていいでしょう。
今の若者のことはさっぱりわかりませんが,
少なくとも現在30代中盤ぐらいの音楽ファンの間では
間違いなくそうだと断言できます。
もし,このアルバムを「聴いたことがない」などと言ったら,
表面上は「あ,そう」ですまされるかもしれませんが,
心の中では「信用できない奴」のトレイに
その瞬間から移動されてしまいます。ホントか。
おいらは優しいし公平中立なので,
もちろんそんなことはしませんがね。オッホッホ。
幸いおいらのまわりには,「濃い」人ばかりだったので,
そういう経験自体がありませんが。
まあでも,『宮殿』に限らず,そういう性格を持つアルバムは
ほかにもゴマンとあるでしょうね。ああ,面白い。

この『宮殿』は確かに傑作です。
おいらが初めて聴いたのは忘れもしない中学生の時。
ま,30年ぐらい前ですね。
当時,おいらは放課後は,
だいたいギターを弾いてるかラジオやレコードを聴いてるかのどっちかで,
とにかく音楽音楽音楽。
休日はバイトで,帰りにレコード買うか,
カセットテープを買うかという生活。
今思い出しても,よくもあれだけ集中的に
音楽を聴けたものだと思うほど,音楽漬けの毎日でした。
今もそうっちゃそうですが,趣味と仕事は違うからね〜。
いろんな意味で(泣)。
音楽がなきゃ死んでたね。間違いなく。

恋のひとつもしなかったのかって?
オッホッホ,それを恋と呼べるかどうかは別としてね。
そりゃあ,その年頃の男子が考えることなんて皆同じですよ。
まあ「別腹」ってことで深く追及しないで下さい。

で,『宮殿』ですが,初めて聴いたのはFMラジオでした。
忘れもしないNHK FMの『軽音楽をあなたに』です。
スタッフの「愛しのあなた」がテーマソングで,
平日の夕方にやってた帯番組です。
この番組で放送された音楽をどれだけエアチェックしたか数え切れないですね。

ラジカセしか持っておらず,
タイマーは高価で別売りだったあの頃,
学校が終わると自転車をすっとばして家に戻り,
ラジオの前に座って録音ボタンを押した時の安堵感。
あれは今でも忘れられません。
前々から『FMレコパル』などの雑誌で,
放送メニューを入念にチェックし,
狙いを定めた音楽をやっと手元に保存できる。
これでもういつでも聴ける,という高揚した気持ち。
あんなに嬉しいことはそうそうありませんでした。

ところが,当の『宮殿』は録音し損なってしまったのです。よよよ。
(つづく)

投稿者 ギター・マガジン編集部 : 2006年10月27日 12:27