2006年10月11日
邦題のオキテ その6
先日,友人からメールがあって,
「新聞に邦題ネタが載ってたよ」というので見てみると,
たしかに,載っていました。
「洋楽に日本語タイトル復活」というタイトルで,
ダニエル・パウターの「バッド・デイ〜ついてない日の応援歌」を例に出し,
洋楽の世界に邦題復活の兆しが見える,というような主旨でした。
他にも例の『驚異』などいくつかが紹介されていました。
興味深いのは,現ユニバーサルミュージック会長の石坂敬一さんの
コメントをとっていたこと。
その昔『原子心母』や『狂気』の邦題をつけた張本人です。
邦題をつけるには
“音楽性や作品を的確に理解し,
そして日本語をどれだけ知っているか試される”
(朝日新聞 10月6日夕刊より引用)と語っておられました。
う〜ん,邦題最前線で活躍された氏ならではの深いコメントです。
傑作名作邦題はこうして生まれてきたのですね。
さて,邦題のオキテですが,どこまで書いたっけな。
次は意訳型でしたね。
思いつくままにずらりと並べてみましょう。
「素敵じゃないか」(Wouldn't It Be Nice)ビーチ・ボーイズ
「生きながらブルースに葬られ」(Buried Alive In The Blues)
ジャニス・ジョプリン
「くよくよするなよ」(Don't Think Twice,It's All Right)ボブ・ディラン
「恋をちょっぴり」(Give A Little Love)ベイ・シティ・ローラーズ
「とけない魔法」(Prolonging Magic)ケーク
「四月になれば彼女は」(April Come She Will)サイモンとガーファンクル
「胸いっぱいの愛を」(Whole Lotta Love)レッド・ツェッペリン
「モタモタするな」(Stop Messin' Around)フリートウッド・マック
「愛という名の欲望」(Crazy Little Things Called Love)クイーン
「どうにもならない望み」(Helplessly Hoping)CSN&Y
「駆け足の人生」(Life In The Fast Lane)イーグルス
いくらでもありますが,このくらいにしておきましょう。
これらは原文の意味を忠実にくみ取ろうとする姿勢が見られます。
また,次のように,やや逸脱しながらも
ギリギリのラインでつけられたパターンもあります。
特に,原題に“〜の”という接頭語を付け足したり,
意図的に語頭を改変したりするもの。
アーティストのイメージに沿ってつけられたものが多く,
けっこう見応えがあり,中にはかなりの名訳も含まれています。
「恋のゲーム」(It's A Game)ベイ・シティ・ローラーズ
「宇宙のファンタジー」(Fantasy)アース・ウィンド&ファイアー
「恋のサバイバル」(I Will Survive)グロリア・ゲイナー
「恋のナイト・フィーヴァー」(Night Fever)ビー・ジーズ
「いとしのセシリア」(Cecilia)サイモンとガーファンクル
「悪魔のドクター・ラヴ」(Calling Dr.Love)キッス
「想い出のサマーナイツ」(Summer Nights)
オリビア・ニュートン・ジョン&ジョン・トラボルタ
「紫の炎」(Burn)ディープ・パープル
「霧のベイカー・ストリート」(Baker Street )ジェリー・ラファティ
「僕のコダクローム」(Kodachrome)ポール・サイモン
『緑の地平線』(Horizen)カーペンターズ
「孤独のメッセージ」(Message In A Bottle)ザ・ポリス
「冬の散歩道」(A Hazy Shade Of Winter)サイモンとガーファンクル
「遥かなるドーヴァー」(Cliffs Of Dover)エリック・ジョンソン
「二人のイエスタデイ」(Since Yesterday)ストロベリー・スイッチブレイド
「おしゃれフリーク」(Le Freak)シック
「帰らぬお前はワイルド・ワン」(Wild One)シン・リジィ
「悲しきサルタン」(Sultans Of Swing)ダイアー・ストレイツ
「カーマは気まぐれ」(Karma Chameleon)カルチャー・クラブ
「まるっきりパラダイス」(Just Like Paradise)デヴィッド・リー・ロス
などなど。
このパターンでは“愛の”とか“恋の”がよく見られますが,
負けず劣らず,“青春の““いとしの”は,アイドル系に多く見られ,
“地獄の”“悪魔の”はキッスやAC/DC,“宇宙の”はアースの専売特許ですかね。
“〜の”という言葉が頭についたタイトルは,
原題が英単語一語であることが多く,それではいかにも座りが悪いから
わざわざつけるのでしょう。
そして意訳型にもあります。例の“盆栽型”。
「太陽賛歌」(Set The Controls For The Heart Of The Sun)ピンク・フロイド
「駄目な僕」(I Just Wasn't Made For These Times)ブライアン・ウィルソン
『俺と仲間』(I've Got My Own Album To Do)ロン・ウッド
『童夢』(Every Good Boy Deserves Favor)ムーディ・ブルース
『暴動』(There's A Riot Goin' On)スライ&ファミリー・ストーン
厳密に漢字ばかりではありませんが,どうです,この印象に残るタイトル。
長ったらしい英語が見事にスポッとコンパクトなサイズに収まっています。
これを機能美と呼ばずしてなんと呼びましょうか。
他の意訳型には,英語の一部を省略して
カタカナのまま邦題化するものもあります。
おいらは“すっとばし型”と呼んでいます。
「サンシャイン・ラヴ」(Sunshine Of Your Love)クリーム
「ストレンジ・ウーマン」(Strange Kind Of Woman)ディープ・パープル
『ファースト・キッス』(The First Of A Million Kisses)
フェアグラウンド・アトラクション
『ミルキー・ナイト』
(Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night)
ステレオラブ
「アリバイ」(Waiting For An Alibi)シン・リジィ
ざっとこんなところでしょうか。
まだまだ分類できそうですが,今日はもう力尽きました。
いよいよ次は,珍作・迷作の宝庫である,
“超訳“型を見てみましょう。
投稿者 ギター・マガジン編集部 : 14:01
















