« デザイナーのMさんと その4 | トップページ | 2月号は »

2005年12月13日

80年の私的名盤ファイルその9

051213_1949~01.JPG

『カリフォルニア・グレープフルーツ・フレッシュ・オレンジジュース』
PAL

ちょっとマイウェイ』というドラマをご存じでしょうか。
79年の秋から80年の春にかけて日本テレビ系列で放映されていたドラマで,
主演は桃井かおり。共演は研ナオコ,八千草薫,岸本加代子,犬塚弘など。
東京郊外にあるという「ひまわり亭」なるレストランを舞台に,
笑いあり涙あり愛情あり友情ありの
なんとも心温まる人間模様を描いたコメディです。
(このドラマはビデオ化されておらず,熱心なファンによる
DVD化運動が起きているそうです)

おいらは毎週見ていたわけですが,
本当に面白かったんですよ。

ドラマ自体も面白かったんですが,その音楽がまた素晴らしい!
テーマ曲は「夜明けのマイウェイ」という曲で,
けっこうなヒット曲になったので,
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
歌っていたのはパルというグループです。
ワンヒットワンダーとして覚えている人も多いかもしれませんね。
この曲のヒットのおかげで『ザ・ベスト・テン』などの
歌番組にもよく出ていました。
(余談ですが,カラオケに行くと,この曲は大抵あります)

テーマも素晴らしいんですが,このドラマは音楽が非常に凝っていて,
まるで映画のサントラよろしく,
場面場面にマッチした洒脱な音楽が流れるのです。
これがおいらにはものすごく新鮮で,音楽を聴くだけでも
このドラマを見る価値はあると毎週思っていたのでした。

“どおにでもなある,らあじこんぶるーす”っていうフレーズ,

聞き覚えありませんか?

音楽を担当していたのは荒木一郎でした。
そう,あの荒木一郎です。
シンガー/ソングライターの草分けで,
60年代に「いとしのマックス」や
「空に星があるように」を作り歌ったあの人です。
おいらは残念ながらリアルタイムではないですが,
当時の荒木人気は相当なものだったようで,
今でもベストが出たり,全集が出たり,
その業績を再評価する動きはやむことはありません。
俳優としても活躍し,ジュリー主演の『悪魔のようなあいつ』では
レーサー崩れのろくでなし男をいい感じで演じておりました。
ちょっと前に,チャーにインタビューした時に,
ルーツを聞く機会があったのですが,
すると,アコギをつまびきながら
いきなり“そおらにほしがああ,あるようにいい〜”と
低音の魅力で歌い出しました。
これにはびっくりしましたが,
ああ,なるほどこの世代の人に
多大な影響力を持ったのだなと合点がいきました。

それはそうとして,ドラマ『ちょっとマイウェイ』のサントラ全曲は,
作詞作曲からプロデュースまでを荒木一郎が担当しています。
これが本当に洒脱なスクリーンミュージックで,
それまでに触れたことのない素敵な世界に連れて行ってくれるようでした。
当時,おいらは荒木一郎をいにしえの昔の
流行らないフォーク・シンガーと思っていたので,
その彼がこんなにオシャレな音楽を作ることに感動を覚え,
またどうしてこのサントラを担当しているのか不思議でなりませんでした。
あとでわかったことですが,
当時荒木は桃井かおりのプロデュースをしていたので,
その流れでお鉢がまわってきたのでしょう。

歌っていたパルは,女声1人,男声3人の混声コーラス・グループで,
その歌唱力とハーモニーは素晴らしく,実力がありました。
彼らの抜群のコーラスを十分にいかした曲作りが
このサントラのキモでした。
めくるめくハーモニーに毎週毎週クラッっという感じです。

当時,おいらはパルの歌が聴きたくて聴きたくて,
「夜明けのマイウェイ」をラジオでエアチェックするのはもちろん,
サントラを手に入れようと,ヤマハのミニトレをかっ飛ばして,
町のレコード屋に行きましたが,手に入りませんでした。
これがおそらく79年のことだったと思います。
(結局,入手したのはのちのち80年代中盤のこと。
近所の貸しレコード屋が廃業する時に,
閉店セールでレンタル落ちをゲットしました)

サントラ自体は79年に出ているのですが,
ドラマは80年にまたがっていたので,
ここでは80年の名盤として紹介します。

パルのアルバムはてっきりこれだけかと思っていましたが,
調べてみると3枚あったようです。
デビュー盤となるこの作品は,アカペラの要素が多分にあり,
そのハーモニーの素晴らしさは今もって変わりません。
もちろんボイパなんかないですが,
基礎がしっかりした本格的なハモリです。
何よりウキウキでハッピーな感じがいいなと今でも思います。
94年にCD化された時に,即買いしましたが,
おそらくそれっきりで廃盤と思われます。こんな名盤が! 
ぜひドラマのDVD化とともにCDの再発も!

投稿者 ギター・マガジン編集部 : 2005年12月13日 18:52

コメント

PAL 懐かしいです。
確か少ないお小遣いをはたいて、LPをかいました。
難しいことは解らないですが、何故か凄く心に残ったサウンドでした。
押入れ探してみよう。もう一度聞きたくなりました。

投稿者 ゆーこ・ジャッケル : 2009年05月13日 02:34




保存しますか?